放課後
翌日の学校帰り、結衣と一緒になった。
「結衣、ゲーム教えてくれてありがとうね。びっくりするほど読書がはかどったよ」
「うん。でも、ずっとゲームしてて大丈夫?家族に怒られない?」
「大丈夫!私が読書じゃまされるの嫌いなの知ってるから、部屋にいるときは入ってこないもん。用事があるときはメッセージアプリで連絡してくるから、通知くるしね」
「え?ゲーム中ってメッセージアプリ使えないよね?」
「ん?知らないの?連動できるよ?ヘルプに書いてあったから設定したよ」
「マジ?知らなかった……」
「結衣でも知らないことあるんだね」
「ゲーム慣れしてる人はヘルプを読まないから、ほとんど知られてないと思う。というか、知られたらストーカー大量発生しそうだな。マスターに相談しないとダメだね。美彩はクランメンバーフレンド登録する?」
「やめとく。一応、親が知らない人は登録するなって言われてるからね」
「美彩の家厳しいのか……」
「う~ん、ただの過保護な気もする。変な人から登録してって言われたら『親のpcと連動してて、常に確認される』って言えって」
「え。私からのメッセージも見られてるの?」
「見てないよ。うちのpcホコリかぶってるもん」
「よかった~」
「距離を置きたい人には、親を理由に断ることができるから助かるんだよね」
「ということは、クランメンバーは距離を置きたい人なのね……」
「うーん。うまく言えないけど、ON・OFFを分けたいんだ」
「そっか。そうだよね……私もメンバー全員フレンド登録してるわけじゃないものね。ゲーム外からのメッセージが確認できるだけですごく便利だよね」
「そういえば、クランメンバー美女しかいないのはなんで?私一人フツーで浮いてない?大丈夫かな?」
「前のゲームでは、みんな普通だったんだけどね。このゲーム始めるときにキャラメイクこだわったみたい。私に影響されたって言ってた気がする」
「結衣は前のゲームからあんな感じだったのね」
「うん、すごく気に入ってるんだ。あ、ミーナも癒し系でカワイイと評判だよ」
「お世辞でも嬉しい、ありがとう」
「お世辞じゃないのにな……」