ボクっ子
会議室でポーション作製しながら読書していると転移陣からショートカットの美少女が入ってきた。
「ミーナちゃんだよね?初めまして。ボク、ジャネット。ここで勉強していいかな?」
「あ、はい。今日加入したミーナです。よろしくお願いします」
ボクっ子は、ニコリと笑うと勉強を始めた。カワイイ。このクラン、美女多すぎて自分が普通のキャラなのが恥ずかしくなる。現実逃避に読書しよう。
追加でセットした60個も終わったところで薬師スキルが4になった。せっかくなので2個作製して時間を計ってみたら、少し早く出来た。1つ当たり2~3秒短縮したかも。
自販機で納品してると、後ろにジャネットが立っていた。
「おお。もう160個も出来たんだ。ありがとうね」
「ん?読書してただけだよ」
「それでいいんだよ。みんな街に縛り付けられるのは、もう飽きちゃったんだもん。もう運営に邪魔されたくない、いつかやり返したいんだ」
「私が役に立てるか分からないけど、このクランは楽しそうだし頑張ってほしいな」
「ありがとう。今年の受験生はボクだけだったから一人で勉強するの心細かったけど、ミーナちゃんが来てくれて嬉しいよ」
そう言ってウインクしてくる。ボクっ子の中身はプレイボーイですか?
「私はもう落ちるけど、また一緒になったらよろしくお願いします」
ログアウトの前にリリアンにメッセージを送る。
「今日はもう終わろうと思って連絡したよ」
「お疲れ様。明日はどうするの?」
「今まで土日は基本的に家で読書だったから、ゲーム内でも同じように過ごすつもりだけど。問題ないかな?」
「大丈夫だけど、2時間に1回ログアウトしたほうがいいよ。長時間ログインしてると体が痛くなるから気をつけてね。あと薬師レベルが5になったら、薬師ギルドに行ってね。MPポーションの作り方教えてくれるから」
「はーい。じゃ、そろそろ寝るね」
そう言い終わると「おやすみ」「おつかれ」など、たくさんのクランチャットがあった。まだ1日目なのにクランに受け入れられてると感じて嬉しかった。
私も「おやすみなさい」とだけチャットしてログアウトした。明日はログインしたらみんなに挨拶しよう。