第13話 兄というもの
「テノ」
「………………きのうは、たたいてごめん」
「いいよ」
朝起きて、テノ兄さんが私の方へやって来ると父さんに促されるように謝った。視線は合わず、渋々なのか罪悪感からかどちらともわからなかった。
それからこの1ヶ月の隠しきれなかった優しさすらも消え去ったように、声をかけられることも世話を焼かれることもなく学舎へと向かう。父さんと別れて2人になっても会話は一切なく、牛車に乗る手助けもなく代わりに先生が支えてくれた。
揺れる荷台の上で話しかけてくる子どもたちに笑顔で対応しながら、反対側で頬杖をついて流れる景色を見ているテノ兄さんについて考える。
昨夜と変わらず、やっぱりテノ兄さんには転生特典が効いていない。本当に効いていないのか、まだ私への偽物の“愛”が残っているかはわからないけど、少なくとも“愛”よりも嫉妬や憎悪の方が大きくなっている。
私への“愛”は転生特典によって植えつけられた紛い物であると、誰もが私のことを異常なほど愛するのだと理解して絶望した。だからそれが覆されたことが、愛されるのではなく嫌われていることが嬉しくて仕方がない。
……嬉しいのに、やっぱり何か胸に支えるような感覚がある。けれどそれが何なのか全くわからない。
上の空でそんなことを考えているといつの間にか学舎に着いて、やっぱりテノ兄さんはそそくさと降りて私を手助けはしなかった。
「……レネア、テノと何かあったのか?」
「ううん、何もないよ」
「ほんとに?」
「レネアちゃんかわいそう」
「テノのやつひどいな」
みんな私たち兄妹の異変は感じ取っていたらしく、テノ兄さんが先に行った瞬間兄さんの友達(私の友達でもあるけど)が聞いてきたのをはぐらかす。それでもはぐらかしきれずにみんな首を傾げて口々に心配しながら、ぞろぞろと校舎の方へ向かった。
その中で私に冷たい態度をとるテノ兄さんへ向けられた悪態に胸がざわめいて、私を愛するがあまりの言動が気持ち悪くて仕方がなかった。
そしてみんなと別れてクラスメイトとたんぽぽ組の教室に着くと、ジュリ先生に見守られながら脱靴と荷物の整頓を済ませる。するといつものように朝礼の時間まで遊ぼうと子どもたちが寄ってきた。
「れねあちゃん! おはよ!」
何だか昨夜からどこかが変で、嬉しい気持ちとほんの少しの違和感がごちゃ混ぜになっている。そんな浮ついた心だったからか、昨夜から1番の“愛”を込めた満面の笑みが向けられたからか。
イェナの笑顔がトリガーになったように、昨夜から積もり続けた私に向けられる“愛”に対して、突然身体の奥からぐわっと衝動が込み上げた。
気持ち悪い、気持ち悪い! その紛い物の異常な“愛”をやめろ!
転生特典による“愛”は絶対じゃないことがわかったのだから、その“愛”を壊してしまえ!
転生特典による“愛”を上回る嫌悪が込み上げるくらいの、酷いことをしてしまえばいい!!
転生特典の意味を知ったすぐの頃抱いては殺した破壊衝動が、時間が経って大きくなって戻ってくる。“友達”の言葉も態度も拒絶して、おもちゃを奪い取って壊してしまえと、破滅的な衝動を実行に移そうと口を開いた。
「じゃま、どっか行って」
周りにいた子は水を打ったように静かになってぽかんと私を見上げてくる。それから泣きそうになったり困惑したりして私に近づいてきた。
「れ、れねあちゃん、なんで? いぇな、なにかした?」
「レネアどうしたの?」
それらを無視して次のターゲットを決めると、おもちゃを取り出している男の子たちの下へ向かう。
「わっ、何すんだよ!? ……って、レネア?」
一応傷つけないように、でも少々乱暴におもちゃを取り上げる。同じくぽかんと私を見上げる男の子は、このおもちゃがお気に入りのやんちゃな男の子だ。他の子が触ったら癇癪を起こして手を出すし、それ以外のことでもよく喧嘩をしている。だから、この子ならきっと。
転生特典による“愛”の強さには多少個人差がある。そうじゃなきゃ、常日頃人垣に囲まれる羽目になる。子どもは影響を受けやすいのか理性が効かないのか大人より好意が強いけど、その中でも弱い子ならきっと私への嫌悪が“愛”を上回って、この世界に生きる本当の彼らが顔を出してくれる。
そう、期待して。
「レネアならいいぜ! いっしょにあそぶ!? 何する!? これもつかう!?」
「あそぶならあれも出そう! レネアとあそぶの、ぼく1ばんすき!」
「れねあちゃん、いぇなのこときらいになった? き、きらいにならないでぇ……! れねあちゃん、れねあちゃん……!」
「何でそっち行くの? こっちであそぼうよ!」
「まって、レネアちゃん!」
おもちゃを握る振り上げた手が、止まった。
──あ、れ。何で? 何でみんな私に怒らないの? 嫌いにならないの?
執着心の強い乱暴な子が笑顔を向けている。それが気味が悪くて目を逸らして。縋りつくようにイェナの手が伸ばされるのにぞわりと不快感が込み上げて。
「きもちわるい!」
ぱちんと、手を振り払ってしまった。
「う、うぁぁぁ!! やだ、きらいにならないで、あやまるからぁ……! れねあちゃん、すきなの、すき、れねあちゃぁぁん……!」
連鎖するように泣き声が大きくなっていく。理由もなく突然嫌われているのに、手を振り払われたのに、その相手に“愛”を囁いて手を伸ばしてくる。異常なその光景に眩暈がして、吐き気が込み上げた。
「どうしたの!?」
ジュリ先生が駆け寄ってくる。それから野次馬のような子どもたちも私の方に近づいてくる。それに返すことなく、私は絶望に侵されていた。
何で? 負の感情は転生特典による“愛”を上回るんじゃないの? もっと酷くすればいい? そうすれば、作られた“愛”は消える?
────いや、きっと違う。それでも「好きだよ」と囁いてくるだろう。何を、されても。
このまま暴力的なあの子のお気に入りのおもちゃを壊したところで、きっと誰にも譲らないおもちゃを私だけには貸してくれたように、一時は怒りはしても仕方ないなぁと許すだろう。言葉も手も暴力の限りを尽くしても、イェナやセノは私にありったけの“愛”を伝えてくるだろう。
それは、想像ではなく確信だった。
転生特典の実態を、やっと直視した。私の考えは外れていたんだと盲目的に信じた結果起こった惨状を、はじめに想像していた通りのおぞましい光景を、ただ茫然と見つめる。
動くことも話すこともできなくて、だけどそんな地獄みたいな教室にはっきりとした明るい声が響いた。
「レネアちゃん、きのういやなことがあって、ひとりがいいんだって! だからみんなであそんでいよう? だいじょうぶだよ、なかないで」
今までのことを見ていたのだろうか。天の助けのようなノルの言葉に乗っかることにした。そうしないと、ここで元の愛されてもおかしくない“私”に戻らないと、私が壊れてしまいそうだった。
「…………そうなの。ひどいことしたの、ごめん。うそだよ、みんなだいすき!」
口角を上げるけれど、完璧に覚えたはずの笑顔は引き攣って歪だろうと自覚していた。ジュリ先生とノルだけは心配そうに見ているのがわかったけど2人を安心させるように、泣き叫びながら私に伸ばされる手に込み上げる吐き気を殺しながら、みんなに謝罪と好意を伝えるために笑い続ける。
「ほんとに? いぇなのこと、きらいじゃない? すき?」
「すきだよ」
「もうおこってねえ? いっしょにあそんでくれる?」
「うん!」
みんな、声をかけては安堵し喜ぶ。衝動のまま自分のエゴイズムのために酷いことを言ってしまって、それに関しては申し訳なく思っていたから好かれるための言動とは別に謝れてほっとした。だけどそれ以上に気分が悪くて、それでいてぐちゃぐちゃな私と笑顔の私が乖離してぼんやりとしているようだった。
本当はノルの言う通り1人になりたかったけど、一刻も早く今の失態をなかったことにしたかった。みんなに好かれるいい子にならなきゃと、その一心で笑顔を振り撒く。
授業が始まって、遊びの時間になって、昼食を食べて、昼寝をして、遊びのようなワークの授業を受けて、また自由時間になって外へ遊びに出て。私が間違えた言動をしたからかみんないつもより私にべったりで、でもにこにこと笑って“愛”を返した。
(気持ち悪い)
2度目の絶望だった。期待した分、そして理解したふりをして直視していなかった異常性を実際に目にした分、絶望は大きかった。そして、気持ち悪くて仕方がない。ノルはまだ良かったけど、子どもたちは特に気持ちが悪かった。
でも、もう対処法はわかっている。絶対に愛されるなら、愛されるにたる理由をつければいいのだ。愛されてもおかしくない言動をしていれば、“愛”を向けられても「普通のことだから」とこの胸の澱みは少しでも軽くなる。今までも、ずっとそうしてきた。それがこれからも、死ぬまで続くだけ。
だから、大丈夫。
(テノ兄さん、)
──あぁ、テノ兄さんに会いたい。早く憎悪の瞳で睨みつけてほしい。早く、早く安心させてほしい。
転生特典が効かない人もいるのだと、テノ兄さんがくれていた“愛”だけは本物なのだと、はやく──
「大丈夫?」
いつの間にか1人になっていた。またノルがうまく引き離してくれたらしい。
心配そうに覗き込んでくるノルに、もう完璧に戻った笑顔を返す。
「だいじょうぶだよ。あと、ありがとぉさっき」
そういえば、今朝みんなを宥めてくれたお礼を言ってなかった。そう思い出してお礼を言うと、ノルはきゅっと眉根を寄せた。そして返された言葉に、笑顔が消えた。
「──あのね、いつもむりにわらわなくていいんだよ」
笑顔を真似し始めた頃、家族にも言われた言葉。私には必要なことだと「へん?」と首を傾げ誤魔化して、上手くなっていくにつれ何も言われなくなったのに。
まだ完璧に戻ってない? 違う、ノルは「いつも」と言った。頑張って覚えたのに、真似してるのに、できてない? ずっと、作り物だとバレていた?
冷水をかけられたような私の様子に気づいているのかいないのか、ノルは言葉を続ける。
「…………言いたくなかったら、言わなくていいんだけど……。テノくんと何かあった……?」
「えっ」
何で、わかったんだろう。いや、今は理由は考えなくていい。
ノルは聡くて優しい子だ。だから相談した方が好かれるかな、と考えて、「……やっぱりいわなくていい──」と移動しようとしたのを引き止める。
「テノにぃさんは、わたしをきらい、なったの」
笑顔を浮かべようとして、いや、ここは悲しんだ方がいいかと悲しみの表情を浮かべる。
そうだ。聖力を持つ者同士、支え合うよう言われていた。ノルなら、全部話せる。その方が、らしいだろう。
こっそりと2人きりになれるよう校庭の隅に移動して、今までのこと、昨日のことを全部話す。ノルは少しぎこちないテノ兄さんしか知らないはずなのに、それまでは優しかったことを話すと納得したように頷いたのが不思議だった。
「すきな人にきらわれたら、かなしいねぇ」
「かな、しぃ……」
その言葉は、ぽつりと胸に滲んだ。
そっか。転生特典を理解したあの日まで、私はテノ兄さんのことが好きだったんだ。それは愛には到底及ばなくて、淡く小さなものだったけれど。がらんどうだった私にも、確かに情が芽生えていたんだ。
1番身近で、両親よりわかりづらいけど1番愛をくれると思い込んでいた人。だから他の誰よりもテノ兄さんの“愛”が転生特典によるものだったことに心臓が冷たくなって、嫌われたことに心臓が熱くなったんだ。
そして、だから昨日から奇妙な浮遊感があったんだ、とすとんと理解した。
転生特典を知って向けられる“愛”もそれを享受する心も砕け散ったと思っていたけど、欠片はどうしても残ってしまっていて、それがちくりとたまに刺していたんだと受け入れた。嬉しいのも本当だけど、偽物だとわかってなお“愛”に慣れていた心の欠片が、向けられた負の感情に微かに痛みを覚えていたんだ。
ノルの雰囲気がそうさせるのか、異常なほどではない好意にそれほど不快感が込み上げないからか、盲目になっていた視界が開けて、逸っていた心が落ち着く。ぽつりと、本音が零れる。
「なんで、テノにぃさんは、わたしをきらいならないの」
わかっていた。優しいテノ兄さんが、いつまで嫉妬と憎悪を私に向け続けるだろう。テノ兄さんだけに転生特典が効かないなど、嫌悪が転生特典による“愛”を上回るなど、さっきのイェナたちの様子を鑑みても信じられるだろうか。
もう、わかっていた。今朝一瞬瞳を揺らしたのも、ぴくりと体が動いたのも、心配や手伝いのため──“愛”によるものだと、理解していた。
違ったのだ。転生特典は絶対じゃなかった、なんてことはなかった。やっぱり私に対する“愛”は絶対的にプログラムされていて、それが覆されることは決してない。私に向けられる“愛”は全て偽物で、この世界に生きている真実人はいないのだ。
それは、テノ兄さんも例外じゃない。
期待した分苦しい。さっきまで求めていたテノ兄さんが気持ち悪くて仕方がない。だから必死に理由をつけようと考えて、アランくんの言葉を思い出した。
「レネアちゃんのことだいすきだからだよ! テノくんは、レネアちゃんのことをきらいになんてぜったいならないよ」
自信に満ちた声に、顔を向ける。ノルはにっこりと、晴れやかに笑っていた。
「お兄ちゃんだもん。ぼくもお兄ちゃんだからわかるよ。弟は、ぼくがぜったいまもるんだ。弟をきらいになんてならない、ずーっと、ぜったいだいすき! だって、お兄ちゃんだもん!」
それが実感がこもっていたからか、ノルのたちがそうさせるのか、それとも明確になったテノ兄さんの憎悪を理解したからか、昨日のアランくんの言葉よりすっと入ってきた。
「おにぃちゃん、だから……」
「テノくん、レネアちゃんのことだいすきなんだよ。だからだいじょうぶだよ。けんかしても、なかなおりすればだいじょうぶ」
確かに誰とでも仲のいいノルは偶にしか遊ばないテノ兄さんとも仲が良かったけど、少しぎこちなかったテノ兄さんの私への思いをなぜ理解した風なのだろうと疑問に思う。
でもそんな疑問も疑心にはならなくて、そっか、と受け入れた。
きょうだいなら、嫉妬も憎悪も乗り越えて愛が残ったままでも仕方がない。私が好きでも普通のことなんだ。そう納得して、気持ち悪さが少し薄れていく。
「そうだね。ありがとぉ、ノル」
「……うん。ちょっと元気になったならよかった」
なぜか微かに心配そうな色を宿していたノルは私が笑いかけてもお礼を言っても変わらないまま、最後ににこっと笑った。
「あ、ヘンリだ! 何してるんだろう。ぼくもあそんでくるね! またね」
そして別のクラスの友達を見つけたらしく、私に手を振って駆けて行く。常に私が1番ではないその様子は僅かに安堵をもたらして、反対にいなくなっていた私を見つけて寄ってくる塊に完璧な笑顔を浮かべ直すと、みんなで遊ぶべく自分から駆け寄った。
◇◆◇
赤橙の空の下、ガラガラと音を立てながら牛歩とは言えない速さで牛車が歩く。荷台の上でみんなと喋りながらも気になるのはちらちらと向けられる視線で、けれど私がそっちを向くとふいと外されて、またすぐに視線が戻ってくる。
「はい、じゃあみんな家まで気をつけてね! また明日!」
「せんせーさよーならー!」
「さようなら!」
やっと着いた私たちの組の停留所で、先生に手伝われながら牛車から降りる。視線は多く強くなって、身体まで少し動くのが見えたけど、その主が手伝ってくれることはやっぱりなかった。
15人ほどの子どもたちが降りると牛車は来た道を戻って行く。次の組を拾ってまた送りに行くのだろう。
「レネアちゃんまたねー!」
「またあした!」
「ばいばーい!」
保護者が迎えに来たり、誰かについて行ったり、各々別れて家へ帰って行く。私たち──特に私に向けられるのに「ばいばい!」と手を振り返して友達と喋りながらしばらく待っていると、私たちの父さんも迎えに来た。
まだいる数人に別れを言ってから、私は父さんと手を繋いでほとんど2人で喋りながら帰路に着く。
「ただいま!」
「ただいまー!」
「おかえりなさい」
家に入ると母さんが出迎えて、荷物を片付けてから木の実のジュースで喉を潤した。それを飲み干したら部屋で休憩したり、料理を作っている母さんの手伝いを少しだけしたりするのがルーティンだけど、空になった陶器のコップを置いた瞬間、見計らったようにテノ兄さんに声をかけられた。
「…………レネア。ちょっと来てほしい、んだけど」
「うん」
ずっと見ては逸らしてを繰り返していた視線が揺れながらも私を見ている。それを見返して素直に近づいていくと、兄さんは目に見えて顔を強張らせた。
先導されるように隣の部屋に入るとパタリと扉を閉じて向き合う。そして何度か深呼吸をしたテノ兄さんは、きつく拳を握って頭を下げた。
「──きのうは、たたいてごめん。ひどいこと言って、ごめん」
テノ兄さんはまだ苦しんでいた。でも、後悔と申し訳なさが滲む声だった。
「レネアのこときらいなんかじゃない。す……すきだ、大切だ。レネアが悪いなんて思ってない、ひどいことしていいなんて思ってない! ずっと大切な、オレの妹だ……! ……ほんとは、ズルいって気持ちはまだあるけど……でも、それよりレネアが大事だから」
私には、テノ兄さんの抱えていた憧れも嫉妬もわからない。文字の意味でしか理解できない。だから「きょうだいだから」という理由ですぐに折り合いがつけれるものなのか、わからなくて怖くなる。
でも、心はぐっと重くなるけれど、案外平静だった。
「うん。だいじょうぶだよ」
「……ごめん。ほんとに、ごめん。もうぜったい言わない」
「いいよ。わたしも、にぃさんすき」
「……オレも、だいすき」
酷い言動を取ったのはテノ兄さんなのに私ではなく兄さんの方が泣きそうで、ぐずりと鼻を鳴らしている。贖罪のつもりなのか、言葉でも素直なテノ兄さんは珍しくてちょっと似合わなかった。
「ん、」
仲直りの合図に手を伸ばされる。この世界の身体接触文化には未だ慣れないけれど、ぎこちなることなく私もテノ兄さんの背に腕を伸ばした。
頬を擦り寄せて、それから額と鼻をちょこんと合わせる。ぼやけた視界でふっとテノ兄さんが笑うと、もう1度頬を合わせてきゃらきゃらと笑いながら抱き締めあった。
私は転生特典を理解する前までの仄かな好意すら返せない。向けられる“愛”が嫌で仕方がない。
でも、テノ兄さんは私にとってたった2人の兄で、1番近い人なのは確かな事実だった。
牛車という名称ではあるけど、ファンタジー世界の移動・運搬用の種でこっちの世界の牛より早いです。というのを入れる隙がなかった。
本来なら速度も馬力も出る馬がいいけど馬はもっと重要な職に優先されるのと、数を運びたい(積載量重視)だったので、優先順位の低い学舎の送迎は牛。とかなんとか。
金曜投稿すると言っておきながらできなくてすみません……!!ちょっと忙しくて手が回りませんでした
次回投稿は未定ですが、早めにできたらなとは思ってます。モチベに繋がるので、もしよければ感想や評価等いただけたらとてもとても嬉しいです。
マシュマロも設置してるので匿名がよければぜひそちらでも!
次からやっと進める〜!




