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美少女が一緒に下着コーナーに来てと必死にお願いしてくるんだが

誤字報告ありがとうございます!


バストを測らせなかったのはこの為だぁぁ!

夏休み。それは学生からして見れば最高の期間。皆とどこかに出かけられる季節。


「な、なあ。俺達すっげぇ場違いじゃねえか?」


「そ、そんな事ないよ煌、少なくとも僕は違うよ。多分」


緊張でドッドッドッと心臓の音が大きくなる。暑さとは別の変な汗が流れてくる気がする。周りの女性達の視線が気になる。軽蔑しているのか見惚れているのか、今は後者だろう。それでも不安になる。


何故なら今俺達二人(男二人(心))で女性服ゾーンのど真ん中にいるからだ。特に瘉は自分は男。隣にいる親友も男の状態。俺はまだ隣にいるのが美少女(男)なので近くにいれば良い。


それでも緊張がすごい。少しでも男女一緒にいますよアピールをする為に俺と瘉はほぼ0距離で隣にいる。


流行に乗ってちょっと変わった服を選ぶ人。ファッション雑誌に載っているモデルに憧れて同じ服を選びポーズを取る人。何かと迷い比べて自分では無く別の誰かの好みに近いものを選ぼうとする人。それぞれ自分を魅せたい人たちが集まる場所。


「な、何を買おう。必須リストには数種類書いてあったよね」


「動きやすい、目立ちにくい(普段服)、オシャレ。下着」


「よし。早速選ぼう、の前に、測らなきゃ」


「…………俺は向こうで待ってる」


「一人で行くの恥ずかしいよ!」


「俺だって恥ずかしいわ!」


測る。そう、瘉はスリーサイズを測らなければいけない。測らなければいけない下着なんて買えないし服によっては必要な情報でもある。そして、それを測る場所と言えば…………


「………」


「………」


男子禁制の地、下着(ブラ、パンツ)コーナーである。そこにいる店員に話しかけて測ってもらう。出なければ下着など買えない。と言うか下着に関しては俺いらねぇだろ! 


「さっきから周りの目線が痛い」


「お前が美少女すぎて見惚れているだけだ。だから安心して一人で行ってこい」


「美少女と買い物と言う名分で下着間近で観放題だよ」


「お前なら着放題だ。行ってこい」


「もしかしたら付け方わからなくて美少女に下着をつけてあげられるかも」


「ちゃんと覚えてきなさい」


「試着室から下着姿の女の子の出てきて見られるかも」


「後で写メ送ってくれ」


「…………………」


「…………………」


「店員さんに『スリーサイズを測ってください』て言うの恥ずかしいんだよ! 煌も一緒に来てよ!」


「嫌だよ! いくら女の子と一緒だからって男が下着コーナーにいれば痛い目で見られるんだよ!」


意地でも俺を巻き添えにしようと必死に袖を引っ張ってくる。なお引っ張る力が弱すぎて意味なし。


「瘉弱い! 一人でいけよ! お前! 誰も困らないから! むしろ店員だってウェルカムだろうから!」


「煌の選んだ下着着て見せるからお願い!」


「え、ちょっま、それは……………」


場の空気が凍った。近くで服を選んでいた人達、服の説明をしていた店員、その全ての目線が俺達に向かう。驚いた目だ。中にはご乱心なのか? と心配する表情もする人達。うわ、変態と侮蔑の目を向ける人達もいる。


自分が血迷った発言をしたことに気づいて表情が驚き、恥ずかしさにまみれた顔に変わっていき赤くなっていく。


「ちが?! 今のナシ! やっぱなし! 」


あたふたと手を両手で否定するように振りながら後ろに下がっていく。


「………………おせえよ」


もう周りの視線が痛い。痛すぎる。ヒソヒソ声が聞こえる。マジギレしそう。もぅマぢムりリすカしよ。嘘。


「というかそれ以上後ろに下がると」


「うわ?!」


下がりすぎて後ろにある服がかけられているレーンのキャスターに足を引っ掛けてその場で倒れかける。咄嗟に何かに掴まろうと服に手を伸ばす。しかし、手が何かを掴むことはない。その代わり頭や背中をぶつける事も無い。


服を掴めないように手首を掴んで引っ張らずに手を腰に回して一瞬で止めるのではなく肘から手をフルに使いクッションのように衝撃を和らげて受け止める。



呆気にとられて何も言えない瘉。


「危ないだろ」


「ご、ごめん」


あのまま離せば倒れる角度だったので思考が再始動したのを確認して起こしてちゃんと立たせる。


「………はあ、わかった。一緒に行ってやるよ」


「え、いいの?」


「だって行かなくても俺はどっかの誰かさんのせいで既に痛い目で見られてるからな」


少し怨念を込めて言う。


「ごめんなさい」


流石に反省したのかシュンとする。


「後で飯奢り。それでチャラな」


「ありがとう」


申し訳無さそうにしながら言う。


ある意味怖いものが無くなった俺は一緒に下着コーナーに入る。店員に話しかけようとすると


「す、スリーサイズを測るんですよね」


無理矢理作られた笑顔で赤らめられながら言われた。聞かれてたのか。申し訳ない。マジで申し訳ない。


「そ、それではこちらへどうぞ」


瘉も自分の発言のせいで再度顔が赤くなる。そのまま奥の部屋に入っていく。はあ、この間俺は痛い視線に耐えなければのらないのか。


「?」


周りをちょろっと見渡すと侮蔑の目で見ている人がいなかった。あまり視線が痛くない。何故だ? 


何人か顔を赤らめてるし。









数分後


先程の赤面とは比べ物にならないゆでだこのように赤くなった顔で店員と瘉が出てきた。


「何があった」


「聞かないでほしい」


「わかった。スリーサイズ教えて」


「絶対に言わない」


「教えてくれる約束だろ」


「やだ」


「………何カップ」


「C〜D」


「お前の中ではそれ貧乳よりなのか(2話参照)」


「二次元と比較したら」


「わかる」






バストを測ってもらう際弱い体が店員の手付きやメジャーに敏感に反応して甘い声を出していた。


視線が痛くなくなったのが不思議でならない。ちなみに瘉の「今の無し」発言は受け入れる気無し。


その他の客

結構な男前の煌の助けが物凄く王子様ぽくてキャーキャー。美少女だけでなく商品の服にも配慮していてそれを咄嗟やってのけたので格好いいと思った。


良かったら誤字報告、ブクマ、高評価、感想お願いします。

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