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暑い中歩いた後にアイス食べたらエロかった

ブクマ30越え、総合評価100越えありがとうございます!



前回から一旦賢者モードに入ってから二人ででかけてます。

「あっちぃな」


「あ゛つ゛い゛」


午前十時の歩道。雲ひとつ無い晴天が直接熱と光を体中に届ける。黒いアスファルトが光沢を持っている錯覚さえ起きる程の熱さ。遠くに見えるデパートが揺らいでいる。街ゆく人々はその暑さに耐えかねて短い袖をまくり心もとない手を仰ぎ広い道の狭い影で混雑を起こす。


「朝はこんなに熱くなかったのにぃ」


「日陰を歩いたらどうだ? 」  


「歩けたらそうしてるよ」


午前十時、夏の太陽の位置はほぼ真上だ。できる影など狭く皆そこを歩きたがる。人同士がぶつかるも争う気力も起きないのだろう。だるそうにスルーする。


「僕がそこを歩けばぶつかって日向にポイだよ」


「瘉弱い。今のお前なら道を開けてくれるだろう。やっぱ無理か」


「うん。暑い。水分補給しないと熱中症で倒れるよこれ」


瘉は気だるそうに自販機で天然水を買うと三分の一を飲む。少し上げた顔を逃さないと太陽が照らし彼女を魅せる。流れる汗が光を反射して彼女の存在をより神々しく変える。ペットボトルで水を飲んで腕で汗を拭いているだけなのにCMで部活を頑張っている女の子のように輝かしい。


それを眺めている俺を見て瘉は少しムスッとする。


「煌もこまめに水分補給しないとだめだよ。いくら強いって言っても自然様には勝てない」


「はいはい」


俺も自販機でちいさい奴を買う。どうせすぐにヌルくなる。


暫く歩くと人通りも多くなる。デパートが近ければなおさらだ。すると嫌は少し不安そうに周りを気にし始め、僅かに開けていた距離が縮まり俺の腕を組みそうなほどに


「………煌、なんか周りの人がこっちを見てるのは気の所為………じゃないよね」


「そりゃAPP17の美少女が歩いてたら皆見るだろ。それにそんな目立つ格好をしてりゃねぇ」


「白い線が右の鎖骨辺りから左したにかけての白い線が入った肩出しの服。左腕の部分は手首まであるのに右腕の部分は肘までしかない袖。淡いピンクのスカート。左足の太ももに巻かれた真ん中に一周するように白い線の入ったサポーターのようなモノ。膝の下までの小さな無地の黒の靴下。左足は膝の上まで黒く長い靴下。に、似合わない限定品のボロい赤い靴。そこに日本人離れのベージュのかかった白い長い髪の毛。目立たない方がおかしいわ」


そんな目立つ瘉は視界に入る人達全員の目を引く。彼女の完成されたデザインは旗から見れば二次元から飛び出したように見えるだろう。『太陽に愛された少女』はその髪の色から光を反射して少し光っているように見える。それを見てニヤける人、希望を抱く人。一目惚れする人。誰だろう、有名人かなと噂をする人が見て取れる。中にはコスプレ? と思う人もいてスマホを弄る。


ちなみに持っている服はそれ以外サイズが合わない。身長も変わったから仕方がない。


だからこそ少しでも離れ全体像が見えてしまえばその距離が無限に思え『瘉』に見えなくなってしまい『一目惚れした存在』に見える。やはり見た目が変わったことを完全には受け入れられていないようだ。 


「人の体をそこまで細かく見てるなんて、それはちょっと」


ドン引きしながら少しずつ距離を開けていく。


「は? 瘉だってこんな美少女がいたら細かく見るだろ? 二次元だったら画像をズームして見えるところを極限まで見るだろ? 」


「うん。でもリアルでそこまで見るのは失礼じゃないかな。いくら美少女でも僕は同性から見られてるって事になるんだけど」


「他のやつだったら口に出さないよ」


「僕には良いんだな」


「嫌われるんだったら言わないけど」


「嫌わないよ」


半端呆れたようで距離がまた近くなる。少し喋っただけで喉が乾いたのか天然水を飲む。


『大変申し訳ございません。只今デパートは一部設備が故障しており一部冷房が作動していません。熱中症に気をつけてこまめに水分補給をお願いします』


デパートついてそうそう嫌な事を聞いた。小さいベットボトルの天然水を飲み干して新しいのを買う。瘉もやっと涼めると思っていたのに不満な顔をする。それでも入れば外と比べれば涼しい…………外の気温現在36.4℃とかマジか。中もこれ30℃前後あるんじゃないか? 

暑いのには変わりないので買い物に来ている人達はこぞってアイスを買っている。


「煌、買い物する前にアイス食べよ?」


「だな」


猛暑日、外を歩いた瘉は既に疲れている。アイス屋は屋台も含めて並んでいるし立ちっぱなしだろう。この後の買い物を考えると瘉は休ませないと。


「ソフトクリーム買ってくるからそこのベンチで待ってろ。何がいい」


「バニラ」


「おけ」


数分後


「買ってきた」


「ありがとう…………少し溶けてる」


「しゃーない。この暑さだもん」


ソフトクリームを瘉に渡し俺も隣に座って食べる。


「何から買う? 雨宿先生からの必須リストにはなにがあるんだ? モグ」


「えっとね、服とか生理グッズとか、下着とか、色々とあるね ぺろ」


「一日で買うには量が多いな。化粧品とか別に良いだろ モグ」


「面倒くさいしね。シャンプーとかこれオススメ書かれてるけど高い奴だし ぺろ」


「西○の大容量パックで十分だろ モグ」


「服は何としてでも買わないと。これ一着しかないの困るし」


「だな」


雨宿先生がくれたメモを元にソフトクリームを食べながら決めていく。


「うわ、ソフトクリームが手に垂れてきた」


「こんな暑いのに早く食わないからだろ」


既にコーンを食っている俺に対し舐めてゆっくりと食べていた瘉の手には溶けた白い液体が垂れてゆっくりと手の甲を伝う。


瘉は舌をだし手についた白い液体を舐める。それでもまだ手に垂れるので一気にソフトクリームを口に頬張る。コーンを急いで食べる。


唇に残る白い液体。僅かに舌が出てリップクリームでも塗るかのように舐める。


「美味しかった………………手がベトベト」


手についた白い液体、ティッシュを取り出して拭いていく。それでもまだ手に違和感があるらしく手を洗いにトイレに向かう。


「…………エロかった」

















瘉。

病院の時とは違い人通りの多いデパートに行く前に着替えようと思ったらサイズが合わない。今頃女子の服を着てるのに違和感を覚えた。街なかを歩くのに不安が凄かったが煌がいてくれて心強い。


煌。

性転瘉の完成された姿には次元の違いさえ感じている。まだ完全には受け入れられてない。美少女すぎて目立ちすぎて悪い輩が手を出さないか内心結構心配している。なるべく一人にしないようにと思っている。デパートで数分ぐらいならナンパもないだろう。と少しは安心感がある。


雨宿信

身体測定のリスト以外にも必須リストも渡している。突き指を手当した際瘉の弱い体がクソ雑魚になっている事に気づいている。病院に行っても面倒な事になるためいつでも受け入れられるようにしている。

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