病院のお兄さんが優秀すぎてtsの障害が少なくなって嬉しいのですがその機械はなんですか?
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雨宿って響きが好き。
今北病院。人通りの少ない道路に面している小さな病院。瘉の付添で行く。電話で来ることを伝えておいた雨宿信先生の所に行く。伝えておいたとは言っても「いつもiコースでお願いします」ちなみにiコースは怪我の意味である。
雨宿先生は少し目つきが鋭いが怖いという感じではない。顔が整っておりますメガネも合わせてまさに優秀な先生と見た目だけでも思わせられるほど。
瘉はあまりにも弱いため病院に良くお世話になるのだ。本気で殴っては反動で体が悲鳴をあげて病院送りに。筋肉質の人と握手したとき向こうが力加減を間違えたとはいえ普通なら痛い程度で済むはずが瘉の場合はそのまま病院送りになる。偶然にも全て雨宿先生が担当したのでいつの間にか俺と瘉のスマホには先生の電話番号が登録されている。
今回もいつものように雨宿先生の所へ行ったら驚いた顔をされ苦虫を噛み潰したような表情をする。
「何も聞かずこの子の突き指の治療とDNA検査をお願いします」
「…………………………………煌君。君からは『いつものiコース』と電話で聞いたんだが?」
「何も聞かずこの子の突き指の治療とDNA検査をお願いします」
「そこの綺麗なお嬢さんは誰だ。どこで会った」
「何も聞かずこの子の突き指の治療とDNA検査をお願いします」
「肝心の瘉君はどうした」
「何も聞かずこの子の突き指の治療とDNA検査をお願いします」
「君は『はい』以外の返答をしないと会話が終わらないNPCなのか?!」
「後で説明しますので今は何も聞かずにDNA検査をお願いします!」
瘉は必死に頭を下げる。僅かに震えた強めな声はゴリ押しで通そうとした俺とは違い一生懸命なのが一瞬にして伝わる。そうなるのも無理はない。正直ここで知り合い経由でDNA検査を受けないと色々と問題が起きる。その為このお願いは絶対に通さなければいけない。
「はあ、本当に後で説明するんだな」
「てことは」
瘉は希望に満ちた表情で顔を上げる。
「君のDNA検査をしよう」
「ありがとうございます!」
また深々と頭を下げる。
びっくりした。DNA検査ってそう簡単にはできないと思っていた。できても保険証とか身分証明証とかが必須になってくる。そうなれば瘉の検査は相当に難しくなる。その為に知り合いの医師の経由がどうしても必須条件になる。
色々と何か書類をなんやかんやした後瘉は別室に移動し検査を受けた。初めて受ける検査に嫌は楽しみにしてるのか不安なのか。ここでDNAが一致してくれればそれが『瘉』と言う証明になる。
俺は信じられる。だけどもしDNAが一致しなかったら……………
「検査は終わったよ」
「はや?!」
「最新の技術を舐めないでほしいね」
と言うことは結果を待つだけ。戻ってきて椅子に座る瘉。表情が硬い。不安なんだ。
「大丈夫だ。DNA検査がだめなら他の方法を考えよう」
「そう、だね」
膝に置いた手が力強く握りしめられている。雨宿先生はパソコンを睨んでいた。キーボードを叩く音一つ一つが頭に良く響く。それが不安を仰いでいく。
「ふむ」
顎に手を当て考え込む。画面を凝視している。気になるが勝手に見るわけにも行かない。暫く考え込むと俺達の方を向く。
「結果だが瘉君とお嬢さんのDNAが完全に一致している。どういう事だ。説明するって約束だったよな」
「今朝起きたらこうなってました」
「……………………………」
「今朝起きたら服ごと性別が変わってました(100%の情報)」
「…………なるほど。つまり何も知らないわけか」
「はい」
「それなら仕方ない……………お嬢さんは『瘉』て事で良いんだな」
「はい。その、ありがとうございます」
「さしずめ『瘉』君である証明が欲しいのだろう。幸い学校は休みだ。期間があけば適当な書類でも通る。他にも検査をするが流石に今日明日は無理だ。僕指名で予約できる日を後日伝える。後、体の状態とか見るから定期的に来る事。金に関しては親御さんに証明できたらそっちに請求するから」
性転換と言う非現実的にも関わらず俺達が抱えている不安が徹底的に潰されていっている。嫌は肩の荷が下りたのか深呼吸をしている。
「良かった」
胸を撫で下ろす。
「安心するのはまだ早い。自身の体は自身が一番理解するのに越したことはない。身体測定、体力テスト、体に異常はないか、確認するべきだ。この紙に記入してくれ」
「は、はい」
手渡された紙は数枚。体調はどうかとか男の時との差異など。メールアドレスも載っていた
「まあ今じゃなくてもよい。家で確認してメールでも良い」
「あの、突然でしたのに何から何まで本当にありがとうございます」
「医師としての仕事をしたまでさ。さて、今日はもう君達にできる事は無くなった。そしてまだ他の患者は来てないから暇している」
「?」
何度もお礼を言う瘉。突然雨宿先生は立ち上がり自身のであろうバッグからよくわからない機械を取り出した。メガネをクイッとする。
「こんな美少女が来たんだ。APP、図らずにはいられない!」
「わわ?!」
嫌にいきなり機械を向けたと思ったらピピッと鳴る。
「やはり、私の見立ては間違っていなかった。瘉君、きみのAPPは17だ!」
「なん………だと?!」
「ほん、とうに?」
俺達3人に衝撃が走る。APPは言わばどれだけ美人か表したものだ。最高は18だがそれはもう人外の域であり見ただけで人を狂わせる。その為に人類の最高限界は17なのだ。
「「「通りで一目惚れした訳だ」」」
いや先生もかい。
瘉
雨宿先生にはお世話になりすぎてる。気にしているがお世話にならなくて済む日は来ないと半端諦めている。
煌
瘉が動けない時とか悪化しないように運んでくる時もある。救急車を呼べば年間の救急車出動件数が50件増やすことになるんじゃないかと思ってる。
雨宿信
目つきが少し鋭いが結構な男前。優秀すぎるので偽造書類もお手の物。
瘉の事は弟みたいな感じ。
兄がいて探偵をしている。
瘉(美少女)に関して普通聞かないことを聞いていたが?
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