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飯食いに行くって話で待ち合わせしたのにいざあったら下着の話だった

ブクマPV伸びないなと思ったら煌がいないからか。

『バイト終わりにご飯行かない? この前の奢る約束もあるし』


『オケ。いつもの場所で』


「んん〜、疲れたー」


 バイト疲れた〜。明日給料日だ。何に使おうかな。考えておこう。

 さて、瘉に奢ってもらうから何食おう。いつもの士郎係ラーメンでいっか。バイト終わりにガッツリ食いたい。メガMAX頼もうかな。いや、メガはやめておこう。ただでさえ出費があるのにこれ以上増やすのは悪いな。安めな所にしよう。この前できたコ○ダ珈琲店に行こうかな。あそこコスパ良いとの噂らしいし。


 と、ついた。


 近所の公園、ブランコから砂場まで良くある公園。にある時計台。なんだかんだ集合場所に便利。人混みが苦手だった瘉は基本ここを待ち合わせ場所に指定してたな。俺も人間不信な所あったし、今では普通に駅前やデパートに行こうとか考えるとなんだかんだ成長したなぁ。


 何となく前の事を思い出す。


「煌」


「お、じゃあ行こう………………髪?!」


 この三日間推定百回以上聞いた声の聞こえる方向に向くとそこには小さな癖っ毛のある丸美を帯びた髪、中途半端なのは2つの三編みの瘉がいた。似合いすぎて正直マジびっくり。だって、癖っ毛って、普通寝癖だと思うじゃん、三編みある時点で意図的なんだよ。わざわざそんな髪にしてるんだよ。明るい髪色と相まって顔も引き立ててめっちゃ可愛い。


「ふふーん、可愛いでしょ。バイト先の先輩が美容院に連れてってくれてやってくれたんだ」


「可愛いとかそういう次元じゃない」


 自信満々にクルッと回って髪の毛を見せつける。俺の反応を見ると満足げにドヤ顔する。


「なあ、飯行くのやめてこのまま服や行こうぜ? 美容院って事は風呂入ったらもとに戻るだろ? 」


「いやぁ、髪まで整えた美少女に服まで可愛かったらもう最強、派手にオシャレしてや……………る?!」


 乗り気だった筈の瘉が何故か見る見る顔が赤くなっていく。ドヤ顔も並行で痴心の表情に変わっていく。俺を見て目をそらして一歩下がった。


「服屋は、無しで」


「何があった」


「何があったって、あんなことがあって素直に行けると思ってるの?」


 瘉が恥ずかしそうに口を開く。瘉の反応で俺もわかった。下着のやつだ。あれは忘れるはずがない。美少女が俺の選んだ下着を着て見せてくれて……………。


「あれは、一応お前が悪いからな」


 意識したら俺も恥ずかしくなってきた。やばい、瘉も顔を赤らめてることも相まって目を見れない。


「わ、わかってる」


「それで聞くけどよ、ちゃんと、その、つけているのか?」


 目をそらした先が胸でつい聞いてしまった。


「う、うん」


「本当に」


「信じてない?」


「その、瘉ってわりと面倒くさがりだから、スポブラかつけてないかだと思ってる」


「なっ?! ちゃんと買ったんだから、ちゃんとつけてるよ! ほら!」


 瘉は襟を掴んで下に引っ張りブラを見せてきた。服の下から見えたのは白桃色の下着だった。


 俺が選んだ下着だった。


「なんで目をそらすの?!」


 今度は横に目をそらしてしまった。


「その、恥ずかしくて、直視できない」


「僕だって恥ずかしいよ!」


「わ、わかった、一瞬見る。一瞬見たらすぐに?!」


 人?! やばい! 瘉の下着が!


 咄嗟に瘉の肩を掴んで俺の方に引き寄せた。


「ちょっ?! 煌?! 理性保って!」


「違う! 人が歩いてくるんだよ! 」


「?!」


 俺を引き剥がそうと腰を掴んで前に押そうとする。けれど俺が人が来たと言うとそのまま動きが止まる。

 互いに無言になる。足跡が聞こえる。


「あら、カップルだわ」


「公園で、なんて大胆な彼氏なんだろう」


 若い女性二人の声、恋路に興味津々なお年頃なのか俺たちを見てキャーキャーと言ってくる。


「……………………///」


 それ以上に心臓の音がうるさい。俺のなのか、瘉のなのか、きっと俺のだろう。髪の毛が前よりも良い匂いがする。

 恥ずかしいし瘉の心は男だとわかっていたとしとも正直、離したくない。


 足音も声も聞こえなくなる。俺たちはゆっくりと離れた。互いに顔は既にゆでダコ状態だった。


「別に、脱いでいる訳じゃなかったから、すぐ手を離せば良かったんだよ」


「咄嗟だったんだよ。だって、さっきの瘉の姿を他人に見せたら、狼になっちまうだろうが」


「狼って、さっきの人は女性……………」


 女性でも顔を赤らめさせた瘉の美貌、既に服屋で経験しているし、女性じゃなく男性だったら、と考えたのか瘉は反論しなかった。


「………………………」


「………………………」


 反論しなかったせいで会話が続かずまた沈黙が訪れた。多分、何を言っても恥ずかしくなってしまう。何も言えない。でも何か言わないと気まずい、何か、何か。


「………………行くんだろ」


「へ?」


「ご飯食べに行くって言ったじゃん! だから行くよ! ついでに服も!」


 瘉は先に歩き出す。少し乱暴なあるき方で。


「お、おう、でも服は一人で行くって」


 立ち止まる。拳を握りしめて、怒りと恥ずかしさの両方の表情で瘉は振り向いた。


「狼対策! 」


 そう言って前を向き直してまた乱暴に歩き出す。




瘉。

髪を見せに行った筈なのになんでこうなったんだろう。


煌。

胸見てつい聞いちゃったのがまずかった。


女性二人。

瘉と煌を羨ましそうに見てた。煌の横顔がカッコ良かったので盛り上がった。


てぇてぇだとおもったらブクマ、煌評価、レビューお願いします。

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