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本当に女になったのか疑われたので証明したら顔を真っ赤にされました。

今回の瘉の一人称が私なのは敬語だからです。

「注文を確認します。モンブランが2つ、ブドウ酒が一つ、葡萄ジュースが一つで、以上でしょうか? はい。かしこまりました。少々お待ち下さい」


店内を走るのはいけないから速歩きであっちこっちを移動する。夏休みな事もあってか夏期講習終わりの学生が昼からいる。しかしここはあまりひと目につく場所ではない為皆ゆっくりしている。宿題をする人、パソコンとにらめっこする人。皆各々この喫茶店でケーキやコーヒーを口にしている。


「………………」


視線が凄い。女性が男性用の制服を着ているから当たり前なのだけれど別にそれを対して気にする人は少ない。なのでお客さんからの視線も対して気にしてない………気になるのは。


「ジーーーーー」


合原(あいばら)(よもぎ)さん。僕と同じく『マカテリア』のバイト。黒く長いストレートが特徴の女性。珍しく寝坊して開店直前に来たので僕の事は「彼女は瘉君だから。いつもどおりにお願い」としか聞かされていない。時間がなかった。その為か疑いの目がかけられている。多分。さっきから凝視してきて怖い。よそ見をしながらでも仕事をテキパキとこなすから凄い。


「おまたせしました。こちらコーヒーでございます」


やりづらい。体が変わっているからというのもあるけど、ずっと見られてるとなんだかなぁ。ちょっと恥ずかしい。


「休憩行ってきます」


「行ってらっしゃい」


事務室に入って椅子に座る。味の違いとかはまだわからないけど平気で飲めるようになったコーヒーを入れて飲む。


「ふう」


冷蔵庫にあるまかないのサンドイッチを食べる。美味しい。


「貴女本当に星流君?」


「合原さん?! 休憩早くないですか?!」


「どうしても気になって私と貴女がいなくても店が回るのを確認して来たわ」


「わあ」


きっちりしている人だ。少し凛とした顔立ちも含めてかっこよく見える。


そんな美しい人が今手を机に圧をかけてこちらを見る。


「店長が星流君だって言ってたけど私は到底信じられないんだけど」


「しょ、証拠ならあります。DNA鑑定証です。病院で検査してもらいました」


「偽造じゃないわよね」


「本物です。ちゃんと病院にも確認すればわかってもらえます」


バッグから取り出して見せる。蓬さんは凝視する。微妙な顔でこちらをチラッとみてDNAの検査結果を見る。病院からの正式の書類。これほど効力のある証拠は無いだろうと思う。


「………やっぱり信じられない」


「ど、どうすれば信じてくれますか?」


「どう………て、私に聞かれても」


蓬さんも、自身が何を見れされたら信じざるおえないのかわからない。僕もこれで信じてもらえなかったらどうすればよいか。100%、僕だと信用してくれるモノがなければこの先大変だ。学校なら………まあなんとかなる。かも。雨宿先生だっていつでも頼るわけにも行かない。僕自身も証明できる何かを持たないと。


「そうだ! 私の好物とか…………て、だめだ?! これ相手が私自身を良く知らないと行けないやつ」


煌が相手だったら僕の事よく知ってるから証明できる。でも蓬さんと僕はあくまでもバイト仲間。僕自身を細かく説明すると言う方法は通用しない。


「いや、たしかに、そうだけど、でも、私自身結構半信半疑なんだ」


蓬さんは疑っているが微妙な顔になる。


「働き方とか、食器の持ち方とか、癖とか一緒だから、本当に星流君じゃないかとも思ってる」


「私の事、よく見てくれているんですね」


「か、勘違いしないで! 頼りなさそうな奴がきたからちょっと不安でミスしないか見てただけだから!」


理由はともかく凛とした女性が僕の事を良く見てくれてたなんて少し嬉しい(結構タイプ)。勘違いされないように焦って訂正するところ、ツンデレみたい。

でもこれは嬉しい誤算、あと一押しで信じてくれそうだ。何か


「そうだ、星流君の友人の話」


「煌の事ですか?」


「自分から親友って関係を言えるぐらいなら良いところとか沢山言えるだろ」


なるほど、あえて僕じゃなく僕の知り合いの事を話して、それを後で確認すればと、煌の事なら煌の親や本人以外なら負けない自身がある。


「格好いい、声が良い、力がある、運動神経が良い。以上です。あと人思いなところ?」


「え、と、あれ、少ないな」


予想外といった感じだ。でも煌にもっと良いところがあったら本人モテるんだろうけど。これしかないからそれ以外の所でモテナイ方が勝ってるんだよね。


「別に聖人と言う訳じゃないので。良いところはあんまりないです」


「意外だが、こう言うのは考えてでも多く言う所だと思う」


「良いところが多くある人は良い人か聖人か愛想振りまいてる人ですよ。もし沢山良い所を言ったらどんな人が勘違いされてしまいます。煌は良い人ではないです。『友達思い』な人ではあります。けれど、『正直な人』でもありますがそれを良い所で説明してしまうと良くないところでも正直な部分が隠されてしまいますから。煌は良い所がたくさんは無いです。だからこそ重要な物事を軽く考えないし、近くの人を大切に思える人なんです」


でも困った。煌の事はこれ以上言えない。流石に個人情報は沢山は言えないし、結構中途半端なのはまずかったかな。


なんで蓬さん顔真っ赤なんですか?


「き、きみは星流くんで確定だわ」


「へ?」


あれ? 情報も中途半端だし、それに本当にそういう人か確認するんじゃないのかな?


「その、合原さんは煌の事を知らないので、私がデタラメを言ってもわからないと思いますけど」


「だからよ。もし君が星流君を名乗る別の誰かだったら友人の良い所を聞かれたら沢山答えるだろうと思った。君の性格を考えて実際私もそう思った。でも君は多くは言わなかったしあえめあやふやな表現をした。あくまでも他人である私に個人情報を軽率に言いたくないからだろう。もし誰か騙そうって人が曖昧な事をいうのは絶対に避けたい。特によく知ってなきゃいけないことをね。だから貴女が星流くんって信じるわ」


信じてくれた。


「信じてくれてありがとうございます!」


「……………ッ?!」


顔を真っ赤にして驚いた顔をする。あれ? さっきからなんで? はっ?! そうか! 僕は嬉しさで笑顔に。APP17の美少女が笑顔になれば相手が女性でも照れる! うん! 


「あ、そろそろ休憩終わりますね」


「しまった、昼ごはん食べてない」


蓬さんは急いで自分のバックから弁当を取り出して食べる。


「………最後に一つ良い?」


「なんですか?」


「その煌って言う友人は好きなのか?」


「はい」


僕にとっては憧れの人で、大切な親友。と言うか、好きじゃない親友っているのかな?


「あの、さっきから顔赤いですが大丈夫ですか?」


「え、ええ。大丈夫。気にしないで」


やっぱりAPP17は女性にも刺激が強いのかな。

















星流瘉。

煌の強さと格好良さにあこがれている。劣等感を感じた事はあるが自分が勝っている所があると知り対等な立場に立てて嬉しい。合原蓬さんも凄い人。あんなにテキパキと働けるなんて尊敬します。


合原蓬。

瘉より年上。バイトの先輩。瘉の事は弱そうだな(これは誰も思う)と思ったが一生懸命働いている所を見て見直した。

煌に対しての好きを思いっきり勘違いした。

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