太陽って眩しいよね
実はデパートに来てから天然水しか飲んでない瘉。
ブクマ、高評価ありがとうございます!
少し頭がクラクラする。ペットボトルの蓋を開けて天然水の飲む。
「顔色悪いが大丈夫か?」
「大丈夫、ちゃんと水分取ってるから」
「なら良いんだが」
煌が心配そうに顔色を伺ってくる。それでもずっと暑さに当てられてはいるから体力も考えて休憩したいな。一部冷房壊れてるとかタイミング悪すぎるよデパート。
「流石煌、力持ち」
「言っておくがこれ全部お前のだからな」
「怪我してるから、仕方ないよ。かさ張る衣類だけでも持ってるのに感謝してほしいぐらいだよ」
必須リストに書いてあるものの殆どを買って煌が持っている。初めて買うものばかりだから予想以上に多いし物を見つけるのにも時間がかかった。本来なら僕が持つべきなんだけど手首と指怪我してるし仕方ないね。両方左だからまだ右が使えるから衣類だけ持ってる。後日また買いに来ないと。夏だから水着も買うと思うけどその時は絶対に煌誘わない。流石に恥ずかしい。
「腹減ったな」
「だね」
今は昼過ぎ。平日とはいえ夏休みなこともあってから家族連れが多く賑わっている。一時を過ぎているというのに並んでいる所もあり人気店には入れなさそうだ。そうなるとレストランはきついだろう。ぱっと買って早めに昼ごはんにするつもりだったがこうも混んでいると量の多い買い物の荷物は大変邪魔になる。軽く食べられる、例えば駐車場の横にある屋台とか。あそこは比較的少ない。冷房が壊れてるから外も中も変わりないと思う。
「昼ごはん屋台にしよう」
「賛成、ここの屋台って何があったっけ?」
「さあ」
「串肉あるかな」
駐車場ペースに向かうとそっちもそっちで混んでいるが偶然にも二人分のベンチが空いたのでそこを確保するように座る。ちょうど日陰なので幸運だ。
「ふう、疲れた」
頭のクラクラが収まらない。さっき飲んだばかりだけど一応飲んでおこう。うちわとか扇子とか持ってくればよかった。
「やっぱ少し顔色悪いぞ。うーん、やっぱり中のほうが良いんじゃないか?」
「変わらなくない?」
「変わらないかぁ」
「辺り見渡したけど串肉ねえや。焼き鳥は学校近くにあるしなぁ」
「じゃあかき氷かな。そこにあるし」
「だな。じゃあ買ってくるからそこで座って待ってろ……………いや一人にするのはまずい気がする」
「流石に大荷物持ってる人をナンパしないよ。それに今はこれ着てるしね」
煌の選んだパーカー付半袖のフードを被り帽子も被る。これで髪の毛は殆どを目立たない。それに下を向けば顔も見えない。
「本当かなぁ、まあ顔見えなきゃナンパはないか、流石に。じゃあ買ってくる。何味?」
「ブルーハワイかメロンかコーラ」
「おけ」
荷物をベンチに置いて買いに行く。人混みで見えなくなるまで結構な頻度でこっちを見る。心配しすぎる煌だけど心配されすぎる原因を作った自分も自分だな。
煌が来るまで暇だ。あ、まだログインしてなかった。ソシャゲやろ。
スマホを取り出してソシャゲを起動する。ログインすると夏イベントやっていた。
「あ、コラボの告知」
『日白』さんだ。これは課金だな。天井まで回そう。ガチャ石貯めておいて良かった。ログボクエストだけやる。
かき氷並んでるな。もう少しかな。ペットボトル空だ。
辺りを見渡す。近くに自販機があった。日向だ。せっかくの日陰から出たくない。でも飲み物が無い方がまずい。頭クラクラするし、何か飲まないと。立ったら他の人に座られないかな。まあすぐそこだし帽子置いとけば大丈夫かな?
ベンチを立つ。頭が一気にクラっときた。なんでだろう。水分は十分に取っているし、朝食はちゃんと食べたから体力的にも栄養てきにも問題ないはず。やっぱり室内も暑かったのが響いているのかな。すぐに買ってすぐに座ろう。
自販機の前まで歩く。太陽光を自販機が反射して眩しい。天然水は売り切れてる。疲れたしスポドリにしよう。
ポケットから財布を取り出す。小銭入れから取り出そうとするも無かった。中身を見ると6円しか小銭がない。
「…………札でいっか」
札を取り出して自販機に入れる。再度自販機のラインナップを見る。
「…………………………あれ」
スポドリって、どのボタンだっけ。自販機が光を反射して見えない。と言うか、こんなに眩しかったっけ。さっきは見えた筈なのに。天然水売り切れだった筈なのに、どのボタンにも売り切れって文字がない。
暑い。なんでもいいや、とりあえず、なんか飲もう。何でもいい。ボタン押そう。
………………………眩しいな。
「………………………」
「〜〜〜〜〜!!!!!」
「〜〜〜〜〜!!!!!」
うるさいな。何か騒がしい。
「〜!」
誰かが呼んでる気がする
「〜や!」
あれ、何で
「瘉!」
太陽を背に煌が叫んでるんだろ。
瘉。
ソシャゲで推しは天井する。煌よりもやり込む。
煌。
ソシャゲで推しと強キャラは天井する。なお瘉に負ける。