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“彼女”に関する私の記録
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私は“彼女”のことを知らない。いや、曾ては知っていたのかもしれないが記憶に無い。ただ、“彼女”がいた話はたまに聞く。それをいつか自分が忘れてしまう前に、ただこのノートに書き連ねているだけだ。
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“彼女”は我々に夢をみせてくれる。夢に近いような現実、なのかもしれない。大金持ちになるとか、死別した恋人に会わせてくれるとか、そういった夢ではなく、魅せられた後にこれは確かに自分が望んでいたものだったなと思わせるような夢である。
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そういえばこの間、一人の少年が話をしてくれたな。