2話
毎回短めにはなりますが出来るだけ頻繁に投稿していきたいです。
ラファエルが天界の都市ハルティファルトへ救援要請を送っている頃、深司はウリエラティアにいる天使達を滅ぼそうとしていた。
「聖天使、か・・・・・・」
「キサマ!よくも、よくもミカエル様を!」
深司を鋭い眼光で睨みつける三人の聖天使達。この三人はミカエル一番の部下達であり、今回はミカエルの護衛という形でウリエラティアへやってきた。そしてミカエル達四大天使が会議を行っている間はウリエラティアの天使達と訓練をしていたが尋常ならざる力の波動を感じ急いで駆けつけたがそこにあったのはミカエルの亡骸だった。
「貴女達だけで俺に勝てると?」
「黙れ!貴様だけは許さないっ」
「許さない・・・・・・?」
突然深司から濃密な殺気が放たれる。よく見ると表情にも少し曇りが見え、不気味さすら覚える程だ。
「許さないのはこっちですよ?」
「なっ・・・・・・」
「貴女達天使はやっぱりゴミだ。もうどうしようもないくらいにゴミだ。だから俺が滅ぼします」
すると深司は一瞬のうちに聖天使との距離を詰めると三人のうちの一人を堕天力をぶつけて遥か彼方へ飛ばしてしまう。
「次は貴女だ・・・・・・」
「ヒッ!」
「#天末魔剣__ザードフリナ__#・・・・・・」
深司は堕天力を使い魔剣を創り出す。その魔剣は一目見れば聖剣と見えるほどに美しい白い刀身だが溢れ出る堕天力がそれを許さない。
「黒凪の型、六式。堕流洸!」
深司の姿が残存を残しながらと聖天使に近づく。その歩みは驚くほどに遅く見えるが。
「・・・・・・」
気づいた時には聖天使の首が宙を舞っていた。
「お疲れ様。サリエル」
「いや~疲れましたよ~」
すると生き残った聖天使の翼が黒く染まっていく。サリエル。深司が所属する組織の構成員であり堕天使だ。見た目は真っ黒な髪に黒い瞳の16歳くらいの少女だがその場所に応じて姿を変える能力を持っているため本当の姿かはわからない。
「サリエルは演技が上手いなぁ」
「だからこそスパイなんてできるんですよ~」
「それもそうだね」
「それよりも深司さん凄い殺気でしたね~もう私まで気絶しそうでした~」
「まあ、天使嫌いだからね」
「堕天使も一応天使ですけどいいんですか?」
「堕天使には感謝しても仕切れないよ。知ってるでしょ?」
「そういえばそうですねぇ~」
「さてと、また来たよ天使。サリエルは早く逃げなよ」
「分かりました~」
そう言うとサリエルは音もなく何処かへ消えてしまう。ここら辺はやはり長年のスパイとしての経験によるものだろう。
そして深司はこちらに向かってくる天使をどう殺すか考えて上機嫌になりながら嬉々として天使の軍勢に飛び込んでいくのだった。
一方その頃ラファエルから救援要請を受けた真天使ハルティアラは天界から平界へと降りる準備が整ったところだった。
「#天使の階段__エンジェラステアーズ__#」
その言葉が発せられるとハルティアラの目の前に光の階段が現れる。天使魔法。天使だけが使える固有の力で天使力を使うのとは比べものにならないほどの絶大な効果のものばかりだが使える者の数に上限があり。天使の神。天使女神よりその力を与えられた者だけがその力を使うことができる。
階段を降り終えるとハルティアラは周りを見渡す。そして大きく息を吸い込むと・・・・・・
「天使聖歌・序章」
何処からともなく音楽が流れ出す。バイオリン、ピアノ、トランペット、色々な楽器の綺麗な音色とハルティアラの美声が平界中に鳴り響く。
真天使ハルティアラの特殊技能の一つ、<天使聖歌・序章>その歌が一度鳴り響けばその世界にいる全ての天使の能力が三倍から五倍上昇する。そして天使に刃向かう魔の者達、下界の住人である悪魔や魔物。堕天使などの能力が半減されてしまう。
「さて、行きましょうか」
ハルティアラが天使聖歌を歌っていた頃、深司もその存在に気づいていた。
「ハルティアラか、少しまずいかな?」
そんな事を言いながらも深司は向かってくる天使の軍勢を堕天力で消し飛ばしていく。その動作には慈悲の欠けらすら無く心の底から天使を嫌っているのが分かる。
「#異流伎__ことるぎ__#さん。聞こえますか?」
(こちら異流伎。聞こえてるわよ)
深司は耳にあらかじめ付けておいた無線機を起動させると今回の作戦の指揮官である#異流伎 由羅姫__ことるぎ ゆらき__#と連絡を取る。
「異流伎さん。状況は分かってますよね?」
(ええ、もちろんよ。ハルティアラはあと数分でそこに着くわね。勝ち目は?)
「ありますけど出来れば使いたくない方法ですね」
(わかった。じゃあ作戦を伝えるわね)
続く。
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