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0-zero-  作者: メイク
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すべての時間はいつか0になる

 初投稿です。ちょっとした思い付きなので軽く流して読んでください。

 カーテンの隙間から朝日が顔を照らす。時計は8時30分を回り、一限の授業には間に合いそうにない。そんなことを考えていると、ふと昨晩のことを思い出した。昨晩俺は酔っぱらいに絡まれた。バイト先で先輩が起こしたミスなのに、お前がやったと、冤罪をかけられたからだ。むしゃくしゃしていた俺は、その酔っぱらいを押し倒し、回りの目など気にせず足早にその場を去った。

「昨日のおじさんには悪いことしたな。もし、次会うときがあれば謝らなきゃな。」

 そう一言いい、洗面所で顔をゆすぎ、髪を軽く整えたら、間に合うはずもないのに、昨日の反省からか、学校へと向かった。


 重たい足を運び、階段を昇り、教室の前まで来た。授業中なので後ろのドアから教室へ入った。

「ここの計算式は教科書320ページの公式を....」

 教授の声が教室にビビく。もう少し小さな声でしゃべれねぇのかよ。小さく呟き、窓際の一番後ろの席に座る。この席は朝は太陽の光が射し込み、実に気持ちがいい。

「おそいじゃねぇか(はじめ)。昨晩彼女と一発ヤって寝坊でもしたのか?」

 大学に入ってからできた友人歩夢(あゆむ)である。彼は、毎日こんな冗談を言ってくる。いい加減飽きないものだろうか。

「からかってのんか?俺に彼女ができたら、明日は雨と雷、それと雪!が降ってこの世は終わりになっちまうよ。」

 たまには、こちらからも冗談を言わせて貰おうかと言わんばかりに、無茶苦茶な冗談を言った。

「はっ?流石にそれはないだろ。」

「(うるせえ!二度と話しかけてくんな!)」

 心の中でそう言うと、歩夢は休まずに話を続けた。

「お前。今朝のニュース見たかよ。三見駅で、酔っぱらいのおっさんが、誰かに押し倒れて、意識不明らしいぜ?まさかお前がやった分けねえよな?。」

 変に鋭いやつ目。それより、まさかあの酔っぱらいがそんなことになっていたなんて。背筋に緊張が走る。

「でもよ、回りに見ていた人達も、いきなりおっさんが倒れたって、証言してるらしいぜ。」

 「(よかった。俺が押し倒した人とは別人なのか)」

 緊張がとけ、背中に汗が流れ落ちる。俺の背中には、バケツの水をこぼしたのかと思うぐらい、ぐっしょり濡れていた。


「つまり、X=30になるとき、Y=60となるのは…」

キーンコーンカーンコーン。

チャイムが鳴った。

「では今日の講義はここまでにする。次回までに、教科書325ページの文章をよく読んでおくように。」

 教授はそう言うと足早に教室を去っていった。

「なぁ。今からさ、タピオカでも飲みにいかね?」

 こいつはバカなのか?まだ一限が終わったばかりだぞ?すぐに二限が始まるっていうのに....。

「いいぜ!どうせ次の授業の単位なんて取れる気なんてしねえしな!」

「だよな!ならさっさと荷物片付けていくぞ!」

 人の心は所詮、今にも崩れそうな砂場の山にすぎないのだ。


 教室を出て、階段を降りるときに数名の女子グループとすれ違った。

「(すぅっ)」

「(今日も実にいい臭いだな。毎日こんな甘い香り臭いを嗅げる俺は、なんて恵まれているんだ....)」

 只のクズである。

 そうこうしていると、校門前まで着いた。校門を出て5分ほど歩いた場所に店はある。ほぼ毎日通っているので、迷うはずはない。

「さっきの女子グループさぁ、めっちゃいい臭いしたよなー?」

「したした!なんかさ名前がわかんねぇんだけど、あの花の臭いなんだよ。」

「なんだよあの花って。それ位思いd…」

 腹が熱い。手は赤く染まる。口からは血が流れる。言葉が出せない。目の前が白く砂漠のようだ。何言ってんだ歩夢。もっと大きな声で話せよ。今日もいい天k…。


 気が向いたら次回も投稿します。ご愛読ありがとうございました。

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