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魔王の妻になる!!(6)

6話です。

よろしくお願いします(о´∀`о)






「リリアーナ様のお部屋はこちらになります」


 案内された部屋はとても豪華だった。

 白と水色を貴重としているのかとても清楚な部屋であった。

 天井にはシャンデリアがある。窓も付いており、覗けば湖や町が見えた。

 ここが本当に黒の大陸だとは思えない程だった。


 そんなこんなで呆気に取られていると、


「リリアーナ様。こちらは今日からリリアーナ様のお世話をさせて頂く、メアリーです」


 ヴァシェロンに促されて出てきた可愛らしい女の子。

 黒ぶち眼鏡を掛けており、茶色の髪は後ろでお団子結びになっている。ロングのメイド服を来ており私と同い歳くらいの可愛い女の子だ。


「はじめまして、リリアーナ様。今日からお側で仕えさせて頂きますっ。メアリーと申します。よっよろしくお願いいたします」


 たどたどしい挨拶に思わず、新人さんなのかな?と思ってしまう。うぶな感じがまた新鮮だ。


「こちらこそよろしくね。メアリーちゃん。

これから少しずつでいいから仲良くなりましょう」


 私の中の最大級の笑顔で答える。

 相手には出来るだけリラックスしてもらいたいのだが、「はいっ!よろしくお願いいたします!」と、彼女は頭を秒速で下げた。


 この光景を見ていたヴァシェロンは、私が初対面にも関わらず肝が座ってると思われたのか。

「メアリー、後のことはよろしくお願いいたします」とさっそうと去っていったのだ。


 それからしばらくして、


「リリアーナ様の鞄はどちらに置けばよろしいのでしょうか?」


 声が聞こえたので声の主を探してみると、私の鞄を両手にメアリーが扉のところに立っていた。


 だが、思わず私は二度見してしまったのだ。


 なんとメアリーが重い二つの鞄を軽々そうに持っていたからであった。


「重くないの?」と思わず問いかけてしまう。


 ここに来る前に私は持って行くものを厳選し、気づいた時には鞄はパンパンになっていた。

 私としては本当に持ち上げるだけなのに苦労したものだ。


「はい。ここに住むものは皆ただの人間ではなく。魔力を持った魔族ですので。これくらいは大丈夫です」

「へぇ~、そうなんだ」


 納得ぅ~。と思ったのだか、ん???


 コンマ数秒後に遅れて気がついた。

 彼女は今、「魔力を持った魔族」と言ったのだ。


「ねっ、ねぇ今の「魔族」ってどうゆう意味なの?」


 思わず顔をしかめなが問い掛ける。

 すると、


「リリアーナ様はご存知ありませんか?この国に住んでいる者は皆、魔力をもっているのです。昔から我々は、魔族という一族に分類されていたのですよ」

「そうなんだっ。初めて知ったかも…」


 私は小さい頃ジュリーに図書館に連れていってもらい黒の大陸について調べたことがある。

 だが、情報は余りにも少なく同じ内容が繰り返しだった。

 てっきり魔王と恐れられている人物しか魔法が使えないと思っていたのだが、アニメのようにここは皆が魔法が使える国のかと妙に納得してしまう。


 それでもここに嫁いで来たからにはいろいろ学ばなければならない。

 そこで、早速メアリーにお願いをしてみることにする。


「良ければ後でいろいろと教えてくれないかしら?」

「はいっ!私でお役に立てるならできる限りお教えいたします」


 ここ数日間は、城の中を案内してもらったり、他のメイドさんたちに挨拶したり、王室の中のしきたりを覚えるので精一杯だった。



 そして今現在、皆さんはお忘れだろうがメアリーに案内され東屋あずまやでティータイムをしている。

 たくさんの花と木々に囲まれ大自然な感じだ。 空気も美味しい。ここでティータイムをするのに持って来いだ。


 今日は、薔薇の香りがする紅茶に、茶菓子はマドレーヌだ。

 凄く美味しい。ほっぺたが落ちそうだ。


「リリー様。今日の紅茶はいかがでしょうか?」

「ええ!凄く美味しいわ。紅茶入れるの本当に上手なのね!」

「えへへ、恐れ入ります」


 メアリーは誉められて凄く嬉しいのか。顔が真赤だ。


 ここ数日だか、メアリーとの仲は大部縮まっていると思う。

 なぜなら、今までは「リリアーナ様」呼びだったのが「リリー様」になっているのが何よりの証拠だ。と思う。

 でも実際は私が「リリーって呼んで」とお願いをしている。

 最初はなかなか呼んでくれなかったが、最近では少しずつでも呼んでくれるようになっている。

 それが何よりも嬉しい。


 二人でいる時間はとても楽しいし心地いい。

 でも…私の旦那様である陛下は一向に姿を表さないのだ。


 何でなのだろう。

 なぜ、私をお嫁に迎えようとしたのだろう。


 どう考えても分からない。


 私は今は妄想の中の旦那様で我慢はしているが、彼の姿さえもみることもままならない。


 もしかしたら、避けられているのではないか?そう思ってしまう。


 私がいつの間にか憂い顔をしていたのか、「どうしたのですか?」と、メアリーが訪ねて来た。

 知らず知らずの内に私の口が開き、言葉として表れる。


「どうして、陛下は私の前に姿を表さないのかしら。もちろんお忙しいのでしょうけれど。もう1週間…。ろくに進展もなし。何故お嫁に欲しいとか手紙を出して来たのかしらね」

「リリー様…」


 メアリーが心配そうな顔をしている。


「リリー様。実は陛下はあまり誰にでも心を開かないのです。私ですらあまり会ったことはありません。でも、リリー様ならなんとか出来るのではないでしょうか?陛下が、リリー様を迎えた入れたのもきっと何かの理由があっての事だと思います。リリー様さえ良ければ陛下と向かい合ってはくれませんか?」

「メアリー…。そうよ、そうよね」


 メアリーが必死になって私に伝えてくる。

 メアリーにとっては、とても大事な主なんだなと胸を打た。


 ガタンっ!

 私は椅子から勢いよく立ち上り、椅子がひっくり返るのも気にせず「リリー様っ!」と慌てふためくメアリーを無視し、いきなりだが私はあることを決した。


 それはまず、この国がどんなに素晴らしいか私が住んでいた国と他の国々に知ってもらうこと。

 この国は自然豊かで素晴らしい国、他の人達にも伝えないと勿体ない気がするのだ。

 そして、最後に陛下と本当の夫婦になること!


「そうよ!陛下が会いに来ないのならば私から会いに行けばいいのよっ!」


 謎の気合いにガッツポーズ。


 その日の夜は陛下に会うために書斎室へと向かう。

 しかし、部屋へと続く道はしっかりと衛兵が二人立っていた。






ありがとうございました。

次回もお楽しみに~(^o^)

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