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他国からの使者

二章の第1話を投稿してみました。

これから少しずつ投稿していけたらと思います。

中には工夫した場所もございますので、今までと違いは少しだけパワーアップしているつもりでございます。






 ここはレナトゥ-ス国。


 シャルエル大陸の一部で、一番大きな国だ。

 レナトゥース国を中心に円心状にそれぞれの国がある。大国であったり小国であったりと様々だ。


 そしてここには、魔法が使える魔族が住んでいる。私たちで言うと、人間みたいなものだ。

 魔族はいろいろな魔法が使えるらしい。それに伴って、私たち人間とは身体能力が愕然と違うのだ。


 ここで、皆思い出してみて欲しい。

 私、リリアーナがここに嫁いで来て自分の部屋で待っていると、なんと側付きであるメアリーが重い鞄を軽々と持っていたのだ!

 その時は思わず二度見をしてしまったのを今でも覚えている。


 このように、私が知らなかったことが山のように沢山ある。なのでこれから、少しずつでもこの大陸のことを学んでいき、私が住んでいた国、エストワール帝国、並びにたくさんの人々にこのシャルエル大陸について知ってもらいたのだ。



◇◇◇

「あの、陛下・・・。」

「どうした?リリー」

「そろそろ下ろしてくれませんかね?」

「なぜだ?」

「なぜだ?ではありません!今、お仕事中ではありませんかぁ!!いい加減にしてください!」


 ある場所から声が響く。ここは王宮の一角である執務室だ。

 今は二人きりである。


 声を響かせた主は、私。

 綺麗なストレートの金髪にサファイヤのような瞳を持っている、リリアーナ・エルモア・エストワール改めリリアーナ・ディア・レナトゥ-スは今から約二ヶ月ほど前にここに嫁いできた。


 元々は日本人だったが、妄想好きの私はうっかり交通事故にあってしまったのだ。そして気づいたら異世界転生。この世界での私の親や姉妹は普通の人間。なんの力も持たないただの人間だ。


 そして彼は私の旦那様であるアルファス・ディア・レナトゥース。

 水色の瞳に肩まである銀髪の髪はに一つにまとめれている超絶美形の持ち主。彼はこのレナトゥ-ス国の国王なのだ。私が嫁いで来たエストワール帝国並びに他の国々では悪の存在である魔王として知られているが、ここでは『魔法の王様』、略して『魔王』となっている。


 実は彼は以前、世界に盛大な脅威をもたらしてしまったのだ。その事もあり人間達の中では、いまや悪の魔王とされている。私達が力ある者に恐れるとはこの事だろう。でも、私がこの国に嫁ぎいろいろあった末、私達は夫婦になった。

 魔王と言う名の優しい人のもとに…。


 最初の頃は私の事を気にかけて遠慮しがちだったのだろう。結婚してからは、遠慮がない。イチャイチャタイムばかりだ。


 私が好きな妄想する暇もないほどに………。

 でもまぁ、好きになってしまったのだからしょうがないのだけれど。(本当は妄想をしたいんですけど、その隙がないというかなんていうか、って感じ)




 ここで話は戻って)実は今、私は怒っているのだ。

 なぜならば執務室にお邪魔したのはいいものの、気づけば私の旦那様の膝の上に座っている。いや、どちらかといえば抱き抱えられているのかもしれない。


 まぁでも、そこまではいいのだ別に。ただ、さっきからかれこれ一時間以上もそのままだ。いくら身動きしようと暴れようと私の体はガッチリと腕でホールドされている。そしてもう片方で、魔力を使いながらも机の上にある書類は着手と進んでいる。


(なんて器用な人だ)


 そう思わずにはいられない。


 だが執務室にはずっと私達二人きりという風にはならない。時には、城内の中にいる大臣や宰相、陛下の側近であるヴァシュロンもこの部屋に入ってくる。


 陛下と結婚してしばらくは経ったが、歓迎してくれる人、中には歓迎してくれない人だっている。特に、国王の次に偉い大臣や宰相の人達からの視線はとにかく冷たい。まるで、「出ていけ」そう言っている風に聞こえる。私の気のせいではあるのだが、幻聴だ。


 そういうこともあって私はとっとと退散したい。邪魔になると悪いし。そう思っているのに、


「私は、リリーが居てくれた方が凄くやる気が出るんだよ。」


 と満面な笑みで答える。


 まったくしょうがない人だ。

 でも、そろそろ私はある場所へ向かわなければならない。


「へーか、そろそろ下ろして下さい。私、今から行かなければならない場所があるんです-」


 頬を膨らせて訴える。

 そろそろ本当に離して欲しい。


「私の側にいるのがそんなに嫌か?」

「うぐっ………」


 アルファスが子犬のような目を向けるので、ズキューンと胸を締めつけられる。


(かわいい)


 と思わずにはいられない。それでも私は行かなければならない所があるのだ。


「でっ、でもそろそろ行きたいので離して下さい。また、夜には来ますから。ね?」

「はぁ~~~。……………………分かった」


 彼が納得いったかいかないかは分からないが腕を緩めたのでピョンと膝から降りる。


「じゃあ。行ってきますね~」

「気を付けてね。いってらっしゃい」

「はーい!」


 私は執務室のドアを閉めて、あの人が待っているある場所へと向かう。


 そう、私の午後のお楽しみの場所へと。



◇◇◇

「はぁ~、やっぱりおいしいわぁ~」


 液体が入ったカップを持ち、顔を蕩けさせながら呟いているのはこの国の王妃となった、リリアーナだ。


 今は午後のティータイム。

 このティータイムだけはなにがあろうと毎日欠かせない。


「良かったです!気に入って貰えて。今日はラズベリー風味の紅茶にしてみました。入れるのが得意な私の自信作ですよっ!」


 笑顔で語りかけるのは私の専属の侍女であるメアリーだ。

 彼女は笑顔がとっても素敵な女の子で、ここに来たばかりの私をとても気にかけてくれていた。そして私の旦那様である陛下の所に行くきっかけをくれたのである。彼女には本当に感謝してもしきれない。


 今日も彼女のトレードマークであろう、黒ぶちの眼鏡がキラリと輝き、腰に両手を当て満足そうに私の顔を見ている。


「ふふっ。本当に上手よね。何杯でも飲めるわ」

「おそれ入ります」


 二人でのんびりタイムを過ごしていると


 サクッ、サクッ、サクッと遠くからなにやら音がする。


(なんだろう?)


 サクッ、サクッ、サクッ・・・


 だんだん音が近づいてきた。


(騎士か近衛隊の誰かが来たのかしら?)


 折角なのでと茂みの向こうを覗いて見ようと立った途端、何かの気配を感じとったのか、「リリー様。お下がり下さい」と突如戦闘体勢に入ったメアリーに声を掛けられ、さっと私の前にでる。


「…わ、分かったわ」


 もしかしたらこれは、生の戦闘シーンが見れるかもしれない、と危ない状況下なのに呑気なものだと思う。でも、アニメ好き妄想好きの私にとっては興奮しがたい場面ではある。


(さぁ、これからいったいどんな事が起こるのかしら)


 ムフフとしていると、今度はガサガサガサっと茂みの所から音がする。


 その音がしたとたんメアリーがより険しい顔で茂みをみており、いつの間にか攻撃が出来るようにと魔法の詠唱まで唱えていた。


 そして音が近くなり、ガサァァァ!!


「ぷはぁ!!」

「ん?・・・・」

「えっ?…………」


 なんと茂みの中から出て来たのは、私がこの大陸に嫁いでから来てから見たこともない種族であり、とても可愛らしい女の子がでてきたのだった。


(だっ、誰?!)


 突然のことで驚きを隠せない私は立ったまま固まってしまい、心の中で呟く事しか出来なかった。

 少ししてから、気を持ち直した私は一歩だけ前に出てみてチラッと目を向けると、戦闘体勢に入っていたメアリーは一気に脱力感が増したようだった。

 彼女にとっては、とても気を張っていた瞬間であったのだろう。ポケーっとしている間にメアリーのトレードマークであるであろう黒ぶち眼鏡が少し傾いているように見えたのは私の気のせいだろうか。







読んでくださりありがとうございます。

次の投稿は未定ですが、近い内に上げたいと思います。読んでくださった皆様が、続きが気になる!というような作品にしたいなと思いますので次もよろしくお願いしますm(_ _)m

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