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あの時の光景。

今回はアルファスの昔話になります。






 昔々、今では5つに別れている大陸も1つの大きな大陸だったことがありました。

 そして、人間と魔法を使える魔族は共存していたことがあったのです。


 1つになっていてもそれぞれの国があり帝国があり、魔法が使える魔族が住む国もありました。


 そこにある時ある町に一人の少年が現れたのです。


 その少年は銀髪の短髪に水色の瞳。


 あまり見かけない顔立ちに人々は近くに寄って来ては珍しげに見てきました。


 しかし、その少年はあまり人間の事が好きではありません。

 なぜなら、自分は魔力を持っている魔族で強く、人間は何の力もないただの役立たずと思っていたからです。


 ある時町を歩いていたら少年の前に一人の少女が現れました。


 「ねぇねぇ、お兄ちゃん一緒に遊ぼう」と。


 「嫌だ」と言ってもしつこかったので、少しくらい良いかと思った少年は、少女の相手をしました。


 夕方になりやっと解放された少年は疲れきっていながらも楽しかったと思ったのです。

 少女は「また明日遊ぼうねっ!」と去っていきました。


 何度も何度も少女の相手をしていく内に、

案外人間も悪くないな、と思うようになったのです。


 それから暫くたったある日、少年は自分の事を信頼しているであろう少女にあることを打ち明けました。


 「自分は魔力を持った魔族」だと。


 すると少女は、「すごい!すごい!何か魔法を見せて!」とせがまれたので見せることになりました。


 炎熱系魔法や水魔法、風魔法など…。


 少女はすごく喜んでくれ、その少女の嬉しそうな顔を見ると少年まで嬉しくなったのです。


 しかし、そのとき


「***!!」


 少女の母親らしき人が血相を変えて向かって来ました。


「二度と***と関わらないでちょうだい!!」


 少女の母親は少女を連れてその場を去って行きました。あの母親のように中には魔族に対する偏見がある人間もいるのです。


 少年は分かってはいましたが、とても悲しく寂しくなりました。


 しばらくすると、


「お前かっ!女の子に魔法で傷つけようとしていたのはっ!!!」

「―――――っ!!」


 突然やって来た厳つい男の人の手には斧が構えられていたのです。

 その男の人の後ろには、様々な武器をもった人達がぞろぞろと集まって来ました。


「僕は何もしてないっっ!!ただ遊んでいだけだっっ!」

「嘘つけぇっっっ!!」


 何度も弁明するが一向に聞き入れて貰えません。

 気が付けば、少年を囲むようにして大人達が一斉にして武器を振り下ろしてきました。


 少年は大人達に対して魔法を使おうと思いましたが、魔法国では人間に魔法で攻撃することを良しとしていません。


「やめて…。やめてください…………」


 泣きながら何度懇願しても許してくれませんでした。

 身体中は傷だらけ。もう、抵抗する気力もありません。


 記憶が朦朧とする中、少年は酷く人間を憎みました。


 死んじゃえ、死んじゃえと


「にんげん………なんてしんじゃえ……………」


 ポツリと呟くと、その直後大きな地震が大陸全体を襲ったのです。

 建物は崩れ、火事や土砂崩れなどが起こりました。


 すると、少年の周りを中心に5つ、亀裂が入ったのです。

 やがて、1つの大陸が5つに割れ離れていきました。


 周りに居た人々は、


「あいつのせいだっ!」

「悪魔だ!に、逃げろ!」


 周りに居た人々はやがて少年の前からは居なくなってしまいました。


「何で?何でこんなことに…………」


 少年の目の前にはどんどん離れていく大陸。

 そして、人間達の悲鳴の声。


 少年は絶望を味わいました。


 でも、これで良かったのではないかとも思っているのです。


 これで傷つけられずに済むと。


 実は少年が今居る大陸の一部は、魔法の国がありました。

 そして、少年は魔族の人々から「この国の王になって欲しい」と言われたのです。


 数十年後には魔法の国はとても栄えていました。


 建物やお店は魔法で直し、倒れてしまった木々も元に戻しました。

 全ては魔法の力があってこそなのです。


 少年はいつしか青年に成りました。


 その青年は、自分がしてしまったことを謝りたい。

 そう思い、仲間を連れて船に乗り向の大陸に行ってみることにしたのです。


 船を降りた先には大きな町がありました。

お店がいっぱいあり、とても豊かだったのです。


 町を歩いていると、ゴロゴロゴロと音がしてきました。


 右を振り向いて見ると、リンゴを落としたお婆さんがいたのです。


 青年は浮重力系統の魔法を使い、リンゴをお婆さんに渡しました。


 そのお礼にリンゴを貰い、「良ければ名前を教え欲しい」を言われたので、教えました。


 自分は「アルファス・ディア・レナトゥ-ス」だと。


 たまたま通りすがりの男の人が、


「あの時の悪魔だぁ!!皆逃げろぉ!!」といきなり大声を出したのです。


周囲からは異端な目でみられはじめました。その視線は非常に居心地が悪く、青年達は急いで船に乗り自分達の国に帰りました。


 実は町にいたあの時の男の人は、少年だった彼にに危害を加えていた一人だったのです。


 それから急いで戻った青年達は、この国に誰も入れないようするため極大魔法を発動させました。

 それが今でもある、周りを囲んでいる黒い雲なのです。


 いつしか「魔法の国」という名前ではなくなり、「レナートゥス国」と呼ばれるようになって、大陸の名も「シャルエル大陸」となりました。




 この話は今から約1000年くらい前に起こったと言われています。

 図書館の記録では1000年の間に各地で戦争が起こった時に殆どの記録は消失しているとも言われているのです。

 今ある記録は100年前に改めて書き記されたもの。

 遠い昔のことは今でも生きている本人にしか分からないのてす。






次回は、元に戻ります。

よろしくお願いします。

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