序
無計画に書き始めてしまったので、思い付き次第続きを投稿していきます。ハッピーエンドを目指すつもり。
─────────────────私たちは記械人と呼ばれている。
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記械人は153年前に初めて存在が確認されて以来徐々に増加を続け、今となっては総人口の十万分の一を構成している。脳を、まるで機械のような……けして臓器とは言い表せない謎めいた物質で構成されて、母体からこの世に生まれいずる。どこからこの物質がくるのかは未だに解明されていないし、何故脳が臓器でなくこの物質に成り代わるのかも、何故記械人が生まれたのかもわかっていない。
ただ確実なのは、記械人が純粋な"人間"じゃないということだ。
記械人の脳は"臓器"の脳とは違い、記憶に対して取捨選択が可能であり、覚えたいと思ったことを忘れることはないし、要らぬと思えばすっかり忘れてしまうこともできる、。情報処理能力も基本的に高い。機械のようだとよく言われるが、私たちの脳は機械のように最初からスペックが決まりきっているわけではないし、主に年齢を重ねるごとに"容量"が増加し、また個記械人が積み重ねた"経験値"によっても"容量"を増加させることができる。
そういう面からはゲームの世界に生きているみたいだな、とも言われる。
羨ましい、とも。
─────────正直腹立たしい。
確かに、その気になれば絶対に忘れることのない記憶力は特別に重宝されるし、就職の際に企業に記械人専用の特別枠が用意されていることがほとんどなので就活で悩むことはまずない。うちの国の方針で、記械人が知りたいことは何でも知れるようにと大学なんかに関しても特別枠が設けられているから、100%入学できるうえに授業料は全額免除だ。記械人が研究者やら学者やらなんやらになってたいそうな発明をすることが少なくないから、特別枠のために妬まれることもそうそうない。"普通"の人間から見ればそうとう恵まれているだろう。
『記憶力に優れていて・高い能力を持って生まれてくる・特別な存在』
それが世間一般の記械人に対する評価である。
けれど、私はそんな記械人に生まれてしまった自分の生が憎くて仕方がない。




