39話 尊、メイプルとミュートを手伝う②
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メイプルとミュートを見送った後、俺はリビングに向かい椅子に座る。時間が出来てしまったので、”世界の理の書+α”を使って前世の料理を調べてみた。
作りたい料理があるが、材料の問題だったり調理器具の問題だったりで作れる料理は限られてしまう。
「せめてプライパンと油があれば、鶏の唐揚げやフライドポテトとか作れるのだが。」
手軽に食べられる物はないか、スキルを使って前世の料理を調べていく。
「フライドポテト、唐揚げ、ドーナツって、ダメだ全部油を使っている・・。」
今度は、油を使わないでオーブンで焼くような料理を探していく。
「ピザ、タルト、クッキー、クラッカーと、なるほど後半は作れそうだな。」
俺は、”世界の理の書+α”を使いながらアイテムボックスから、クッキーの材料を取り出した。
「えーと、小麦粉、卵、バター、砂糖が基本の材料か。あっ、何も入ってないのも寂しいからドライフルーツでも入れておくか。」
俺は果物をスキル”料理”でドライフルーツにしてから、クッキーの材料と合わせてスキル”料理”でクッキーを作ってみた。取りあえず丸い形で完成したので、試食として1枚食べてみた。
「あー、普通の素人クッキーだな。個人的にはチョコチップの方が好みだが、無い物ねだりだしな。」
続いてクラッカーを作ってみることにする。俺は知らなかったが、クラッカーはなんと発酵食品だったらしい。俺の中では甘い=クッキー、塩味=クラッカーのイメージでしかなかったが・・・。
「まあ、この世界は発酵に必要な菌は神様の奇跡で、どうにでもなるから問題はないが。」
と独り言を言いながら、クラッカーが出来上がった。味とはクッキーとほぼ同じで、違いは塩味ぐらいである。”ここまで来たら、タルトも作るべきだよな。”と思い、再び”世界の理の書+α”を参考にしながらタルト台を作成する。
「さて、中身はカスタードクリームと果物にしておくか。最近ホイップクリームばかりで、カスタードクリームは作ってななったし。」
俺はカスタードクリームを作って、タルト台にカスタードクリームを敷いていく。メイプルやミュートみたいに綺麗に飾り付け出来る自信はないので、一口ぐらいに切った数種類の果物を散らすように載せてみた。
「うっ・・。俺の知っているタルトは果物が主役だったが、作ったタルトはカスタードクリームが主役になってしまった。」
例えるならば、ちらし寿司のご飯部分がカスタードクリームになった見た目である。
「まあ、素人料理だし気にしないでおくか。しかし、久しぶりだったな仕事じゃない料理を作ったのは。」
最近はメイプルとミュートの料理の腕も上がり、酒場以外なら俺が料理をすることは無くなった。当初は3人で協力してやろうと、言っていたのに怠けてしまっていたので申し訳ないが・・。
そんなことを思いながら、俺は重大なことに気が付いた。
「不味いな、作り過ぎた・・・。お茶請け程度ならクッキーかクラッカーぐらいで充分だが、タルトが加わると1食分に匹敵するな。」
俺はクッキーとクラッカーを少量づつ器に入れて、残りをアイテムボックスに入れた。お菓子の入った器を持って外に行き、家の壁を背もたれにして地べたに座る。
「何と言うか。昔の自分なら日向ぼっことの意味が分からないが、今ならわかるな。」
理由はわからないが。何もせずにただ日光に当たっているだけだが、気持ちが落ちついてくる。前世の仕事場だと、狭い室内で黙々とパソコンで資料を作る毎日でイライラすることが多かった。だが今の生活はのんびりとしており、何よりノルマと言った追い詰められることが少ないのが大きいと思う。
「前世の休日なんて、少ない時間をどれだけ有効に使うかなんて計画立ててたぐらいだからな、今みたいに無計画に過ごすなんて考えもしなかったな。」
俺はそんなのんびりとした時間を楽しんだ後、メイプルとミュートに昼食をどうするか聞くことにした。
俺は器を片付けて、1Fのメイプルのいるリビングの扉をノックをする。中から”どうぞ”と返事があったので、俺は部屋に入った。
「尊様、何かご用でしょうか?。」
「済まないな、邪魔をする。」
俺はメイプルに、昼食をどうするのから聞いて見た。もし手が離せないなら、こちらに持ってくるとも伝える。すると、メイプルは。
「食堂で頂きたいと思います。こちらまで持って頂くのは、流石に悪いですので。」
俺は”わかった”と答えた後、俺はリビングを出てミュートのところに向かう。
2Fの階段を上がると、ミュートが廊下の机の上で熱心に衣服を作っていた。俺の存在に気が付いた所で、話をする。
「ミュート、昼食はどうする?。食堂で食べるか、こっちに持ってくるか?。」
「すいません、食堂でお願いします。ここじゃ散らかっていて、食べる場所はないんです。」
俺は”分かった、切りのいい所で降りて来てくれ”と伝えて、階段を降りた。もう一度リビングによって、メイプルに”切りのいい所で食堂に来てくれ”と伝えて食堂に向かった。
食堂に入ると、酒場と同じセットメニューを作る。
「デザートにさっき作ったタルトをつけておくか。」
俺はアイテムボックスからタルトを取り出して、3等分に切り分けてそれぞれの場所に置く。ホットミルクか果実水どちらにするか迷っていると、メイプルとミュートが入って来た。
「メイプル、ミュート、お疲れ様。さっそくだが、ホットミルクと果実水ならどっちがいい?。」
「尊様、お昼をありがとうございます。えっと、果実水をお願いできますか。」
「尊様、私も果実水がいいです。」
俺は果実水を3人分用意して、それぞれのテーブルに置いた。
「それじゃあ、昼食にするか。」
「「はい」」
俺達は席について”頂きます”言って、食事を開始した。
「そういえば、3人で昼食を食べるのは久しぶりな気がするな。」
「そうですね。酒場では私とミュートさんは一緒ですが、尊様とは別々ですからね。」
「こうやって振り返ってみると、出会った時と比べて3人でいる時間が減っちゃいましたね。」
ミュートに指摘されて、俺自身も1人でいる時間が増えたことに気づかされた。少し前までは1人で市場へ行ったり、今日みたいに台所に1人に立つことはなかったはずである。
少し寂しいと思っている当たり、ピノワールさんの指摘通りメイプルとミュートを歳の離れた妹みたいに思っているのかもしれない。そんなことを考えながら、昼食を終えてデザートを食べようとすると2人から質問がきた。
「尊様、こちらは何と言うデザートでしょうか。」
「果物が乗っていますけど、下はケーキと違って固いですね。」
俺はメイプルとミュートに、タルトについて説明をした。
「それはタルトって言う、お菓子だな。ケーキと違って柔らかくないが、サクサクした食感が楽しめるお菓子だ。」
俺の説明を聞いて、メイプルとミュートがタルトを一口サイズに切って食べ始めた。
「不思議な食感ですね。ケーキよりは固いですけど、果物が柔らかいので食感の違いが面白いです。」
「パンはカリっとして、ケーキはフワフワしてて、タルトはサクサクですか。食事って味もそうですけど、食感の違ってて楽しいですね。」
メイプルとミュートの感想を聞きながら、アイテムボックスから余ったクッキーとクラッカーを出した。
「良かったら、こっちも食べてみてくれ。さっき作ったが、食べきれずに余ったお菓子だ。」
メイプルとミュートは、クッキーとクラッカーに手を伸ばして食べている。俺は2人に”ホットミルクでも飲むか”と聞くと、食べている途中なのかコクリと頷き返した。
俺は3人分のホットミルクを作って、メイプルとミュートに渡した。
「すいません、尊様。気を使わせてしまって。」
「尊様、ありがとうございます。」
「俺が欲しかったからな、そのついでだから気にするな。」
そんなこんなで和やかな、昼食は過ぎていった。俺はメイプルとミュートに、現状はどんな感じが聞いて見た。
「私の方は、数本のヒールポーションを作っただけです。昔は1度も成功しなかったため、こちらで教えられた部分を組み合わせて出来るかどうかの確認を行っていました。」
俺が”ヒールポーションは安定して作れそうか”と聞くと、メイプルは”失敗はなかったのでスキル”薬品作成”でも作れると思います”と答えが帰ってきた。
今度はミュートの方を聞いてみると。
「私はひたすら旅人の服を作っていました、作っては着てみての繰り返しです。見た目はほとんど変わらないのですが、始めの数着は着心地がおかしくて少しでも無理に動くと破れてりしてしまいました。」
ミュートの話を纏めると、スキル”服飾作成”で同じ装備品を作っても出来上がりによって耐久値が異なるため、今は安定した耐久値の衣服を作りたいと言っていた。
申し訳ありません、ストックが無くなりました。
2~3日ぐらいの間隔で書いて参りますので、引き続きよろしくお願い致します。




