37話 尊、メイプルとミュートにブローチを渡す
更新が遅くなり、申し訳ございません。
↓こちらでも、情報を発信しております。
https://twitter.com/ba0567
ピノワールさんとティーさんから急いで離れた後、市場をふらふらと散策する。特に行く当てもなくうろうろした結果、前回と同じく行商人のエリアに到着した。
「前回と変わり映えしないが、また掘り出し物でも探してみるか。」
誰も聞いていない独り言をいい、ほろ酔い気分でうろうろする。すると衣服を販売している行商人を見つけた。
「いらっしゃいませ、お客様。本日はどのようなお召し物をお考えでしょうか。」
「すいません。服については疎いのですが、こちらではどのような服を取り扱っていらっしゃるのでしょうか。」
行商人は”これは失礼を致しました”と言い、商品の説明を始める。
「こちらでは、都市部で流行りの衣服を取り扱っております。最近の売れ筋ですと男性はこちら、女性はこちらの衣服になっております。」
行商人は奥の方から衣服を取り出してきて、俺の前に服を広げる。
「男性の方は黒いズボンと白いシャツの上にこちら黒い上着を羽織るのが流行っております。」
俺は行商人の勧める衣服見て、引きつった笑みを浮かべる。黒いズボンと白いシャツまでは納得できる、面接に来た学生のスーツ姿から上着を差し引いた見た目なの違和感は感じない。だが問題は上着の方である、大胆に胸元が開かれて腹部当たりにボタンが付いている。そしてどこぞの宇宙海賊が好きそうな首の部分に、大きな襟が付いていた。
「いかかがでしょう、お客様。特に襟の内側の大胆な赤色が、一番の人気部分でございます。」
「凄いですね、都市部ではこんな派手な格好が普通なのですね。」
「仰る通りでございます。都市部の若者はこちらの帽子をかぶり、個性を出すためにこのような鳥の羽に似た飾りをつけております。」
うわ~、前世のピーター〇ンの悪役のフッ〇船長じゃないですか・・・。俺は行商人に素晴らしいデザインだが、この村では些か浮きそうなので遠慮しておくと言う。そして、今度は女性の服を見せて貰った。
「女性用ですとこちらが・・・。」
最早説明はいらない、ここまで露骨なヨーロッパ貴族なドレスを見ると行商人の説明はいらない。大きく胸元が開かれ、フリルとコルセットと名前は知らないが重力を無視した膨らんだスカートが揃っていた。
俺は行商人に、もう少し大人しい服でここで着ても違和感のない服はないかと聞いた。
「それですと・・。こちらになりますでしょうか。」
行商人が別の服を取り出して、説明を始める。
「こちらは商人が大事な商談や、都市部の住民がお祝い事で着るような、一張羅みたいな服となります。」
行商にが出してきた衣服を確認してみると、今の俺が着ているような服に様々な色や模様を追加したような衣服だった。女性用にはティーさんが着ていた長めのスカートに色や模様が入っている物もあった。
俺は気になったので先程の派手な服は主に誰が着ているのかと聞いて見ると、想像通り貴族の方々が着ているとのことだった。なぜ、先程の服が売れ筋なのかと聞くと。
「お客様を含めて一般の方は、今お召しになっているシンプルな服を着回しています。そして祝い事や特別な相手と会う時のために、仕立ての良い服を一着お持ちなのです。
ですが我々衣服を商う者としては、1年で数回購入される一般のお客様より月に数回購入される貴族様が必要とされる服が売れ筋となるのです。」
俺が成程と思っていると、なぜ俺に貴族用の服を勧めてきたのが聞いて見た。
「お客様のような若い人の中には、都市部の生活に憧れる方が少なからずいらっしゃいます。そんな方は多少無理をなされても、お勧めした衣服を購入してくださることがございますから。」
俺は行商人から、先程の派手な服と一張羅の男女用の衣服を一着づつ購入することにした。行商人に数万Gを支払い、商品を受け取ってショルダーバッグに入れた。
「お買い上げありがとうございます。しかし、男性用はまだしてもなぜ女性用も購入されたのでしょうか?。」
「私の家族に衣服や装飾品を勉強している者がいるので、都市部の服装を知るのも勉強になるのではと思ったからです。」
「左様でございました、ではこちらの装飾品も如何でしょうか。」
そういうと、行商人は奥から箱を取り出して来て俺の前で箱を開いた。中身を確認すると、様々なブローチが入っていた。
「こちらの2点の柄は、都市部でも人気でございますよ。」
行商人が取り出して2点のを見てると、花柄のブローチと可愛らしい妖精柄のブローチだった。
「1つは花柄のブローチです、主に大人っぽい女性がおつけになっています。もう1つは妖精を模したブローチで、可愛らしいため大人から子供まで親しまれております。」
俺は行商人に花柄のブローチと妖精の柄のブローチも購入する旨を伝えた。
「お買い上げありがとうございます。先程衣服の方もご購入頂きましたので、ブローチの方がいささか勉強をさせて頂きます。」
行商人に数千Gを渡すと、行商人は二つのブローチをそれぞれ小箱に入れて渡してくる。
「ブローチは傷がつきやすいため、保管する時はお気を付けくださいませ。」
俺は行商人にお礼を言って、市場を離れて家に向かって帰ることにした。家に到着すると、メイプルとミュートが出迎えてくれた。
「おかえりなさいませ、尊様。少し早いですが食事になさいますか、用意は出来ております。」
「尊様、おかえりなさい。市場に何か面白い物でもありましたか?。」
俺はショルダーバッグから、行商人から購入した二つの箱をメイプルとミュートに渡す。
「面白い物かはわからないが、珍しい物がが売っていたから2人にお土産だ。」
「尊様、ありがとうございます。よろしいのでしょうか、前回も買って頂いたのに。」
「ありがとうございます、尊様。えっと、開けてみてもいいですか?。」
ミュートの質問に”勿論だ、気に入ってくれると嬉しいんだけどな”と言う。メイプルとミュートが恐る恐る箱を開けて中身を確認する。
「これは、ブローチですね。この花柄は、カトレアの花でしょうか。」
「私のは、妖精さんですね。とっても可愛いです。」
「2人の好みがわからなかったから、行商人のアドバイス通りに購入したんだ。なんでも花柄の方は落ち着いた大人の女性に人気で、妖精の柄の方は子供から大人まで好まれているらしい。」
俺が頬をかきながら言うと、メイプルは頬を赤らめながら”ありがとうございます、大事に致します”と笑い、ミュートは”尊様、ありがとうございます。私の宝物にしますね”と喜んでくれた。
そののまま3人で食事を食べ終わると、メイプルとミュートがデザートを持ってくる。
「今日は尊様のようにとは参りませんが、私達なりに工夫をしてみました。」
「この前に尊様が作ってくださった、ミル・クレープです。」
俺の前に2人が作ってくれたミルクレープが置かれる。
「前回尊様が作ってくださった、ミル・クレープはクレープとホイップクリームだけでしたのでそこに果物を加えてみました。」
「ホイップクリームにも、ジャムを作って加えてみたんですよ。尊様、食べてみてください。」
俺は2人が作ってくれた、ミル・クレープにフォークを入れて一口サイズに切ってみる。俺の作ったミル・クレープはクレープの黄色とホイップクリームの白色だけだったが、メイプルとミュートが作ってくれたミル・クレープは果物が挟んであり、色合い豊かで綺麗である。
「料理や服や装飾でもそうだけど、見た目の良さは男の俺よりメイプルやミュートみたいな女性の方がセンスがあるな。」
そんなことを言いながら、ミル・クレープを一口食べてみる。普通のクレープとは違いクレープ、ホイップクリーム、果物と均一に挟んであるのでバランスがよくてとても美味しい。
「メイプル、ミュート。作ってくれてありがとうな、とっても美味しいよ。見た目も綺麗でいいけど味のバランスが最高だな。」
俺は2人にお礼を言うと、メイプルとミュートも”ありがとうございます”と言ってくる。それから3人でデザートを楽しみながら、今日の出来事を話した。
「今日もワインを飲んだ後行商人の所に行ったが、都市部に住んでいる貴族は月に何着も服を購入するらしい。」
「そうなのですか。私達は着られなくなるまで購入しませんから、月に何着も購入する理由がわかりません。」
「メイプルさん。貴族様ですからきっと、お洒落のために購入されるんですよ。はぁ、私も見て見てみたかったですね。」
ミュートがそんなこと言うので俺は”見てみるか?”と言って、ショルダーバッグから買ってきた衣服を取り出した。
「尊様、購入されていたんですか。なんというか・・、凄いですね。」
「ミュートの勉強になると思ったからな。因みに俺もメイプルと同じ感想だ、これを着てこの村を歩く度胸はない。」
「尊様、1回来て見てもいいですか?。」
そう言ってミュートは、貴族のドレス?を持って部屋に向かって行った。俺はもう片方のこの村で着られそうな服をメイプルに渡して、”着てみたらどうだ”と勧めてみた。
「メイプルもどうだ。この服だったら、この村で着ても大丈夫だと思うぞ。」
「尊様、私がこんな高そうな衣服を着てもいいのでしょうか?。」
「いいと思うぞ、それに今日買ったブローチも、その服だと似合うんじゃないのか。」
俺がそう言うと”少々お待ちください”と言って、自分の部屋に向かって行った。
申し訳ありません、ストックが無くなりました。
2~3日ぐらいの間隔で書いて参りますので、引き続きよろしくお願い致します。




