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13話 尊、メイプルとミュートの狩り方に驚く

ブックマークありがとうございます。毎日の励みになってます。


すいません、ストックが切れそうなので不定期更新に変わります。(出来る限り、毎日更新を致します)

俺達がフルーツサンドとホットミルクの休憩後、野菜の採取から、”薬草”、”卵”、”鶏肉”の採取に移ろうと言うと2人から”わかりました”と返事を貰う。

マップを開いて、”卵”と”鶏肉”のアイコンがある部分を目指して歩き出す。途中に”薬草”のアイコンを見つけるが、俺とミュートでは全然わからない。メイプルに見て貰うと”これがそうです”と言われるが、やはり他の雑草と区別がつかない。念のため”鑑定”してみると、”ルーン草”と出ていた。その後何度かメイプルが”薬草”を採取することがありながら、俺達は目的の場所についた。

スキルで確認した姿と同じ、白い姿の丸い鶏の魔物”コッケー”の群れがそこにいた。採取を開始する前に、メイプルとミュートの方を向きながら。


「今から相手する魔物”コッケー”は、こちらから攻撃しない限り襲わないタイプの敵だ。武具屋の店主の話でも”かすり傷”程度らしいが、出来る限り安全重視で行動してほしい。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「わかりました。尊様。」

「私はスキル”動物知識”があるので、頑張って”鶏肉”を出してみせます。」


俺達は頷きあった後、魔物”コッケー”の討伐を開始した。

俺は取りあえず近くにいる、1羽のコッケーに対して”短剣”を突きつける。何度か攻撃が必要かと思ったが、コッケーは倒れて体が消えた後”卵”が2つドロップする。俺は卵をショルダーバッグに入れて、次のコッケーに攻撃しようとしたがコッケーが動いてしまい短剣がかすってしまった。怒ったコッケーが俺の足を突いてくる、痛みとしてはボールペンを強めに押し付けてような感じだった。確かに受けてもかすり傷程度だなと思ったが、いつまでも突かれるは鬱陶しいので少し離れる。俺を追ってピョン、ピョン跳ねながら襲ってくるコッケーに対して、カウンターの要領で短剣で攻撃して倒す。またまた、卵が2個ドロップしたのでショルダーバッグに入れる。


「尊様。荷物が一杯になったので、中身をお願いします。」


メイプルが自分のショルダーバッグを出してくる、俺はアイテムボックスを開いてショルダーバッグの中身だけ回収する。メイプルにショルダーバッグを返すと、手慣れた手つきでショルダーバッグを装備してコッケーの群れに突っ込んでいった。

パーティードロップがあるとはいえ、一杯になるのが早いので参考にしようとメイプルの動きを観察する。メイプルは短剣を逆手に取りながら、コッケーの群れに切り込んでいく。走りながら短剣を振ったり、刺したりして倒している。だが群れに走りながら突っ込むだけではコッケーの群れの全ては倒せない、むしろほとんどのコッケーがメイプルに蹴られて怒っている。そして予想通り怒ったコッケーの群れはメイプルに襲い掛かる、だがメイプルは向かってくるコッケーが一列になるよう逃げて1体づつカウンターで倒していく。倒し切った後は、足元に散乱するドロップをショルダーバッグに手早くいれて次の群れに突っ込んでいった。


「凄いな、アニメで出てきそうな動きだ。だけど、参考には出来んな。」


”あんな動き無理だよ。”と呟いていると、ミュートが”ショルダーバッグが一杯になりました”と持って来た。メイプルと同じくショルダーバッグの中身をアイテムボックスに回収した後、ショルダーバッグをミュートに返却する。俺は今の疑問をミュートに聞いて見た。


「なあ、ミュート。獣人ってメイプルのような(あんな)狩り方が普通なのか?。」


俺はメイプルを指さして、ミュートに聞いて見る。


「どうでしょうか、少なくとも私はあんな狩り方は出来ませんよ。」


良かった。メイプルの動きが普通なら、ここでの生活に自信を無くすところだったよ。そう思っていると、ショルダーバッグを装備したミュートがコッケーの群れに歩いていった。今度はミュートの動きも観察することにした。

ミュートはコッケーに歩いて近づいて行くと、1体のコッケーに短剣を振るう。あれじゃコッケーが怒るなと思っていると、コッケーの倒れて”鶏肉”がドロップする。今度は目の前にいる、2体のコッケーに1回づつ短剣を振るうと2体のコッケーは倒れて、”卵”が2つドロップする。俺がミュートは何をしているんだと思っていると、メイプルが”尊様。荷物が一杯になったので、中身をお願いします。”と言ってくる。俺は先ほどと同じように、アイテムボックスに中身を回収しながらメイプルに話しかける。


「メイプル、ミュートがどうやって狩っているか分かるか?。」

「はい、分かりますよ。流石はミュートさんですね、スキル”動物知識”の効果を存分に発揮しています。」


俺はメイプルに詳しく説明するように頼むと、凄くシンプルな答えが返ってきた。


「ミュートさんはスキル”動物知識”の効果で、コッケーに私達より()()()()()()()()()()()()()んです。」

「的確にダメージを与えているなら、メイプルもやっていたじゃないか。」

「私の方法は向かってくるコッケー1体に1~2回ほど短剣を振るっていましたが、ミュートさんは目の前のコッケーの()()()()()()()()()()()()()()ので1回の攻撃で倒しているんです。」


マジかよ。メイプルは”スピードと手数で”、ミュートは”的確な急所狙い”で倒していたらしい。俺ってアイテムボックス使えなかったら、役立たずじゃないか。そう思いながらも、俺なり頑張って討伐しようと、短剣を握りしめながら1体のコッケーに向かって走り出した。

1時間~2時間ぐらい狩った所で、コッケーの討伐を終了する。因みに、収穫は以下の通りである。


卵    295個

鶏肉    73枚


ミュートのスキル”動物知識”のおかげだろう、1割ぐらい獲れれでいいと思っていた鶏肉が2割以上も獲ることができた。ここでメイプルとミュートを近くに呼んで、相談を始める。


「アイテムボックスには沢山の材料が入っているので、今からクエストカウンターへ行って納品しようと思っている。

だが俺のスキルである”アイテムボックス”は内緒にしたいため、ショルダーバッグに()()()()()()()()を売りたいと思う。」


俺の話にメイプルとミュートが、黙って頷いてくれる。俺も頷いて話を続ける。


「俺の理想としては、”鶏肉”を主に納品したいと思っている。市場で見ていても”野菜”などに比べても、高価だったからだ。

だが高価であるということは、”貴重な物”である可能性がある。だとすると多くを納品すると”どうやって手に入れた”と聞かれる心配がある、2人はどうしたらいいと思うか聞かせてくれ。」

「私は”尊様のスキル”のみを隠せばいいと思います。

ミュートさんのスキル”動物知識”は話してもいいと思います、なぜなら私もスキル”植物知識”を持っているからです。”知識”系のスキルは珍しいですが、普通に知られていますから。」

「私も、メイプルさんと同意見です。そして、尊様の”スキル”は絶対に隠すべきですよ。

だって尊様のスキルが持っている人が普通なら、”ショルダーバッグ”なんて売れませんよ。」


2人の意見を聞いた結果、”鶏肉”30枚、”卵”60個で行くことに決めた。鶏肉の割合が多過ぎないかって聞いたが、2人から”他は諦めたといえば大丈夫です”と言われた。むしろ、”ドロップしたアイテムを全て持って帰る方が非常識ですよ”と逆に教えられた。

俺達は”イーストダンジョン”を出て酒場へ向かう、丁度お昼時なのか多くの人が食事をしていた。メイプルとミュートに”先にクエストカウンターへ行ってもいいか”聞くと、”わかりました”と答えてくれる。

そしてクエストカウンターへ向かうと、いつも通りティーさんが迎えてくれる。


「いらっしゃいませ、クエストカウンターへようこそ。」


俺はティーさんに、”卵”か”鶏肉”の納品依頼がないか聞いてみる。ティーさんがカウンターの下から、数枚の用紙を取り出して、調べた後に。


「クエスト依頼No(ナンバー)03、もしくはクエスト依頼No(ナンバー)45が該当します。」


俺はティーさんにお礼を言って、メイプルとミュートと一緒に”Noナンバー03””No(ナンバー)45”のクエスト依頼を探す。


「尊様、No(ナンバー)45、”卵の納品”を発見しました。」

「尊様、こちらも見つけました。No(ナンバー)03、”鶏肉の納品”です。」


俺はメイプルとミュートにお礼を言って、二つのクエストを確認してみた。


”クエスト依頼 No(ナンバー)03”


鶏肉 ✕ 10個  1個 ✕ @200(ゴールド)


依頼人 ハードウッド


”クエスト依頼 No(ナンバー)45”


卵 ✕ 10個  1個 ✕ @25(ゴールド)


依頼人 ハードウッド


俺はカウンターにいるティーさんに、クエスト依頼 No(ナンバー)03とNo(ナンバー)45の納品をお願いする。そしてあることを断られること前提で聞いて見る。


「すいません。”クエスト依頼 No(ナンバー)03”なのですが、”鶏肉”が多く獲れたので規定の数より多く買い取ってもらえませんか?。」

「かしこまりました。」

「やっぱり、ダメですよ・・。えっ、今なんて言いました。」

「”かしこまりました”って申し上げました。」


ポカーンとしている俺の顔を、ティーさんはクスクスと笑った後に詳しい話をしてくれる。なんでも、”肉類”の買い入れ数量は基本的に限度がないらしい。俺は疑問に思ったので、ティーさんに理由を聞いてみた。


「ここ”イーストウッド村”は小さな村なのですが、”イーストダンジョン”の恩恵のおかげで色々な町に食材を輸出しています。

ですが”肉類”のドロップはほとんどないため、市場でも他の食材より高価な物になっています。

そんな理由で、行商人の方からも”肉類”のクエスト依頼は受けておりません。仮に販売する場合でもほぼこちらの言い値で、取り合いのように行商人の方から買い取って頂けるんです。

ですからいくつでも買い取らせて頂きますよ、尊様。」


完璧な営業スマイルを決めて、ティーさんが”鶏肉”の納品を待っている。俺は素直に、”鶏肉”30枚と”卵”10個を納品する。”少々お待ちさい”と奥に消えると、お金を持って出てきた。


「”鶏肉”が30枚で6,000(ゴールド)と”卵”が10個で250(ゴールド)、合計で6,250(ゴールド)です。ご確認ください、尊様。」


俺はお金を確認した後、6,250(ゴールド)を受け取る。ティーさんの”ありがとうございました”という言葉を聞いた後、人が減った隣の酒場でメイプルとミュートの3人で遅めのお昼を頂いた。

誤字や脱字の報告、感想等で構いません。宜しければ、一言お願いします。

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