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12話 尊、レシピを調べてみる

ブックマークありがとうございます、書くことの励みになってます。

2人の行水を待っているだけでは暇なので、”食事”の改善の案を出すことにした。

まずはアイテムボックスの中から、ハードウッドさんから”レシピ”を取り出す。


「取りあえず、貰った料理の”レシピ”と”世界の理の書+α”で調べた料理の”レシピ”を見比べてみるか。」


俺は貰ったレシピに”鑑定”をかけて、料理の”レシピ”を確認していく。因みに貰った料理の”レシピ”は以下の通りである。


スキル”料理”


・野菜のスープ

・サラダ

・焼いた肉

・ゆで卵

・ホットミルク

・ジャム

・ドライフルーツ

・パン

・ワイン


次に”世界の理の書+α”料理のレシピ


スキル”料理”


・野菜のスープ

・サラダ

・焼いた肉

・ゆで卵

・ホットミルク

・ジャム

・ドライフルーツ

・パン

・ワイン

・カスタードクリーム


えっ、俺はもう一度”世界の理の書+α”のレシピを見直してみる


スキル”料理”


・野菜のスープ

・サラダ

・焼いた肉

・ゆで卵

・ホットミルク

・ジャム

・ドライフルーツ

・パン

・ワイン

・カスタードクリーム


やはり見間違いではなかった。この世界の”料理”が美味しくないわけを、突きつけられた。良く見てみると貰ったレシピにはなかったが、スキルの情報では”カスタードクリーム”だけ違いがあった。

確証はないが”カスタードクリーム”というものは、この世界に存在してなかったと思われる。なぜなら、”食事”を生命維持や空腹を満たすだけの行為なら、”嗜好品(お菓子)”という価値感は考えられないからだ。


「そういえば、転生する前にレイチェルさんが言ってたよな。」


”この世界は出来たばかりで文明が高くありません。ですから、あなたのような外部の人の知識で文明を進めたいのが主な思惑です。”

この時俺の目指すことと、レイチェルさんの思惑が一致したと感じた。それにハードウッドさんも”レシピ”は買うことが出来ると言っていたので、前世の料理の”レシピ”を作ることが出来ればお金も入るので一石二鳥である。

次にミュートから言われた、”嘘だと思うなら、今日貰ったレシピを見てみてください”について調べてみることにする。俺は”レシピ”の中から”パン”と”ワイン”を探して、詳しく鑑定をしてみた。


レシピ”パン” Lv1


小麦粉 + 水 + 塩 = パン


レシピ”ワイン” Lv1


ぶどう + 水 = ワイン


レシピを見る限りではミュートの言う通り、神様の奇跡で出来上がることになる。俺の知識では、”パン”も”ワイン”も発酵食品であるため、酵母による発酵が必要不可欠のはずである。


「やっぱり。ミュートの言う通り神の奇跡なのだろうか。」


一度ダメで元々で、スキル”料理”を試してみることにした。アイテムボックスを使うように、スキル”料理”と念じてみる。するとステータスを確認するみたいに画面が現れる、詳しく見てみる下記のように映っていた。


スキル”料理”


レシピ 


材料


俺はレシピの部分に”パン”と念じてみた。するとレシピと材料の部分が変化した。


スキル”料理”


レシピ”パン”


材料 小麦粉 ✕ 1 + 水 ✕ 1 + 塩 ✕1 + 菌 ✕1 =

   (灰色)        (灰色)    (灰色)    (黒色)


やはり”パン”を作る時は、酵母()が必要みたいである。そして、よく見てみると”菌”以外の項目は灰色になっている。

俺は、アイテムボックスを開いて、”小麦粉”と”塩”を取り出してみると。以下のように変わる。


スキル”料理”


レシピ”パン”


材料 小麦粉 ✕1 + 水 ✕ 1 + 塩 ✕1 + 菌 ✕1 =

   (黒色)        (灰色)    (黒色)   (黒色)


”小麦粉”と”塩”の項目が灰色から黒色に変化した。なるほど、足りない項目は”灰色”で足りている項目は”黒色”になるらしい。


「俺の仮説が正しいなら、発酵に使う”菌”は()()()()()()も、()()()()()ことになる。」

俺は”世界の理の書+α”で”今世”から”前世”の情報に切り替えて、”パン”の始まりを調べてみる。

その結果、パンの発酵は()()()()されたものだと書いてあった。


「この情報通りなら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()になる。

待てよ。確かミュートは、

””パン”と”お酒”は神様からの贈り物で人の料理ではなく、スキル”料理”のみで作れる()()()()()なんです。”

と言っていたな。神様の奇跡と偶然の発酵がイコールなら、”スキル”料理”は()()()()()()()()()()()()()()わけか。

ごめんな、ミュート。”パン”と”ワイン”が神様の奇跡って言うの合ってたよ。」


心の中でミュートに謝っていると。メイプルとミュートがロウソクの火を頼り行水と洗濯を終えて、リビングに入って来た。


「尊様、お部屋に戻られていないのですか。」


メイプルに尋ねられたので、今日貰ったレシピの確認をしていたと簡単に答えておく。家の玄関の鍵をかけてから、部屋に戻ろうとするとメイプルとミュートが部屋まで付いてくる。

”どうかしたのか?”と聞いてみると、2人はもじもじしながら恥ずかしそうに言ってくる。


「「よっ、夜伽は大丈夫でしょうか。」」


大変魅力的な提案でしたが、”今は慣れないことが多いから、落ち着いたら考えよう”と言って逃げておいた。わかっているよ、自分がヘタレだったことは。取りあえず、2人をそれぞれの部屋に送って色々あった1日が終わった。

朝起きて身支度を済ました後に部屋を出ると、丁度メイプルとミュートも起きてきた。俺は2人に朝の挨拶をする。


「メイプル、ミュート。おはよう。」

「「おはようございます、尊様。」」


俺達は台所に行って、昨日と同じように水瓶を井戸まで運ぶ。メイプルとミュートは慣れた手つきで、水瓶に水を入れていく。30分ぐらいで水瓶が一杯になったので、アイテムボックスに入れて台所に戻す。

そうすると、メイプルとミュートは朝ごはんを作り始めた。てっきりスキル”料理”を使っているのかと思ったが、”スキルでは失敗する可能性があるので、尊様の了解がない限り使いません”と答えてきた。

メイプルとミュートが朝ごはんの配膳をしている間に、昨日の夜に作ったカスタードクリームの残りをアイテムボックスから出す。念のため鑑定しても腐っておらず、一口味見してみたが問題がなかった。

①残っているパンに、切り込みを入れる。

②オレンジとりんごを下処理して、一口サイズに切っておく。

③①の切り込みに、カスタードクリームと一口サイズの果物を挟む。

あとついでに、ホットミルクも作って3人分用意しておく


「”フルーツサンド(カスタードクリーム)”と”ホットミルク”の完成っと、昼飯かおやつにでも食べるか。」


俺は器ごと、”フルーツサンド(カスタードクリーム)”と”ホットミルク”をアイテムボックスに入れてしまう。ミュートから、”朝ごはん”の準備が出来ました。”と呼ばれたのでダイニングへ行く。

本日の朝ごはんは、”野菜のスープ”と”パン”と”ホットミルク”を感謝して頂く。後片付けをして、それぞれの部屋で装備を整えて玄関に集合する。メイプルとミュートから昨日収穫した果物を回収忘れていたことを指摘された。2人からショルダーバッグを受け取り、アイテムボックスに入れて出すことをして中身を回収して二人にショルダーバッグを返却する。アイテムボックスの項目を見てみたが、変化がないので品質は悪くなってないと勝手に解釈する。


「メイプル、ミュート。今日は”野菜”のドロップを主にしつつ、見つければ”薬草”と”卵”と”鶏肉”のドロップを狙っていく。からよろしく頼む。」


2人が”わかりました”と答えたので朝から”イーストダンジョン”へ向かった。マップを開いて野菜のアイコンを目指して歩き出した、アイコンの所までくると何かが歩いているのが見える。もう少し近づいてみると、色々な野菜の形から小さな目と手と足が生えた魔物がそこにいた。俺は取りあえず、レタスから手足が生えている魔物に”鑑定”をしてみる。


魔物   レタスの精   


住処   イーストダンジョン

種類   植物

性格   無害  

ドロップ

(植物知識なし) レタス

(植物知識あり) レタス


そのままの名前でした。他の似た魔物も一応鑑定したが、魔物の名前とドロップが変化するだけで他は同じでした。

俺は”取りあえず生きているようだが、危険がない”とを2人に告げる。俺達は片っ端から魔物を倒していく。スキル”短剣術”の高いLvのお陰か、最初から苦戦なく倒せている。むしろ倒すことより、ドロップした野菜を拾う方に時間を取られてしまうくらいである。倒し始めて、2時間ぐらいたった所で休憩を入れる。


「メイプル、ミュート。少し休憩しよう。」

「尊様。私はまだ大丈夫ですので、先にお休みください。」

「尊様、私も大丈夫です。短剣が気持ちいいくらい切れるんで、楽しいんです。」


メイプルはともかく、ミュートの発言がヤバい・・。仕方がないので、菓子パン(伝家の宝刀)であるフルーツサンド(カスタードクリーム)を取り出して。


「いいのか~。昨日のカスタードクリームと果物を使った、美味しいお菓子のパンを全部食べちゃうぞ~。」


メイプルとミュートの動きが止まったが、2人の獣耳だけは魔物を倒す時より元気に動いている。


「「すぐに休憩しますから。待っててください。」」


声と共に振り返った、メイプルとミュートの目が怖い。短剣を持っているせいなのか、俺のことを野菜の精霊と勘違いしてないか背筋が寒くなった。

2人が戻って来たので、アイテムボックスからフルーツサンド(カスタードクリーム)とホットミルクを器とコップごと出す。


「~~~~。ふるーちゅしゃんど、おいちぃ。」

「もぐもぐ、もぐもぐ。」


メイプルの幼児言葉は幻聴としておく、ミュートはリスみたいに無言で食べている。俺は自分のホットミルクに口をつけると、不思議なことに温かいままとなっている。ショルダーバッグはわからないが、アイテムボックス内は時間は止まっていると見ていいだろう。

空になったフルーツサンドとホットミルクの器とコップをアイテムボックスに片づけて、次いでにメイプルとミュートのショルダーバッグの中身も回収しておく。

アイテムボックスの野菜の在庫を確認してみると。


レタス  100個

キャベツ  20個

トマト  100個

じゃがいも 50個

人参    40個

玉ねぎ   50個

かぼちゃ  10個


なかなかの収穫だったので、野菜はこのくらいにして残りの”薬草”、”卵”、”鶏肉”に移ることに決めた。


誤字や脱字の報告、感想等で構いません。宜しければ、一言お願いします。

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