11話 尊、明日の方針を立てる
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メイプルとミュートの洗い物が終わって、こちらにやってくる。俺は2人に椅子に座って貰って、現在のステータスの確認と明日の方針を決めておきたいと告げる。するとミュートが意見を言ってくる。
「ステータスを確認するのは構いませんが、たぶん変わってないですよ。」
「ミュートさんの言う通りです。スキルのLvは数ヶ月に1でも上がればいい方ですから。」
俺は”それならそれで構わないと”と答えたが、たぶんスキルのLvが上がっていると思っている。なぜなら今日初めて”短剣”を装備して使ってみたが、始めが”小麦”を切るまで3回は短剣を振っていたが、最後のほうは8割りぐらいが1回で”小麦”が切れるようになっていたからである。
俺は”ステータス”と念じると自分のステータスが表示される。
伊吹 尊 ♂ 人族 20歳
職業
スキル
アイテム精製Lv1、料理Lv1、服飾作成Lv1、剣術Lv1、”短剣術Lv4”
ユニークスキル
取得経験値UP(パーティー含む) 世界の理の書+αLv∞ アイテムボックス(容量無限) 鑑定Lv- マルチリンガル
装備
短剣 旅人の服 革の胸当て(旅人の服) ショルダーバッグ 旅人のズボン 旅人の靴 極運の指輪
備考
”パーティー(リーダー)”
思った通り、スキル”短剣術”がLv4に上がっていた。そして、”鑑定”を使ってメイプルとミュートを確認してみると以下のようになっていた。
メイプル ♀ 狼人族 20歳
職業 奴隷
スキル
植物知識 ”Lv5” 薬品作成 Lv1 ”短剣術Lv6” アイテム精製Lv1 料理Lv1 服飾作成Lv1 剣術Lv1
ユニークスキル
装備
短剣 旅人の服 革の胸当て(旅人の服) ショルダーバッグ 旅人のズボン 旅人の靴
備考
狼人族 族長の娘
”パーティー(リーダー 尊)”
ミュート ♀ 猫人族 18歳
職業 奴隷
スキル
動物知識 Lv2 弓術 Lv3 ”短剣術Lv4” 服飾作成Lv1 アイテム精製Lv1 料理Lv1 剣術Lv1
ユニークスキル
装備
短剣 旅人の服 革の胸当て(旅人の服) ショルダーバッグ 旅人のズボン 旅人の靴
備考
猫人族 族長の娘
”パーティー(リーダー 尊)”
メイプルが、スキル”植物知識”がLv5に、スキル”短剣術”がLv6に上がっている。
ミュートは、俺と同じくスキル”短剣術”がLv4に上がっていた。
「信じられません。人生で一番短剣を使ったとはいえ、1日でスキル”短剣術”Lvが2も上がるなんて。しかも、スキル”植物知識”はLvが3も上がっています。」
「こちらもです、1日でスキル”短剣術”がLvが3も上がってます。」
メイプルとミュートの反応を見ていると、”取得経験値UP”の効果は出ているみたいだ。2人が”尊様はどうでしたか”と聞いてくるので、”スキル”短剣術”がLvが3上がった”と答えた。
「俺達のスキルの状態が無事確認出来たので、明日の方針を確認したいと思う。意見があるなら、遠慮なくいってほしい。」
俺は明日の方針としては、魔物を狩ろうと思うと伝える。
「これまでの話しだと”イーストダンジョン”では、奥のマップに行かない限り大きな怪我はないと思っている。2人が聞いている話しや思っていることも言ってみてほしい」
「私も尊様と同じ見解です、奥のエリアにさえ行かなけば大丈夫だと思っています。ただ、今日”イーストダンジョン”で、”小麦”や”果物”を探している時に気が付いたことがあります・・・。」
「メイプル、遠慮はいらない。些細なことでも言ってほしい。」
「わかりました。私が気が付いたことは、”イーストダンジョン”にも”薬草”が生えていたことです。」
「”薬草”というと・・・、商人の遺品にあった物と同等の物か?。」
メイプルがコクリと頷いてくる。俺は、気が付かなかったのでミュートにも聞いてみる。
「ミュートは、気が付いたか?。」
「すいません、気が付いていませんでした。」
ミュートが申し訳なさそうに謝ってくるので、”謝らなくていい、俺も全く気が付かなった。”と言っておく。
「たぶん、気が付かなくても問題ないと思います。私も、始めは気がつきませんでしたから。
ここからは私の思ったことですが、スキル”植物知識”のLvが上がったことで気が付くようになったのではないでしょうか。」
メイプルが住んでいた集落は”薬草”を採取して、ポーションなどを薬品を作成がするのが盛んだと話してくれた。
「私も山に入り”薬草”を採取する時は、母親から群生している場所を教えて貰ってそこを回って集めていました。ですから今の尊様とミュートさんと、大差ありませんでした。」
「だがスキル”植物知識”のLvが上がったことで、気が付かなかった”薬草”を発見したということで間違いないか。」
俺が話しの続きを言うと、”その通りです”と話してくれる。俺はメイプルに”ありがとう”と言うと、次にミュートに聞いてみる。
「えっと尊様やメイプルさんとほとんど同じなのですが、”コッケー”って魔物が反撃してくるので注意するぐらいですね。」
俺は”世界の理の書+α”を使って、魔物”コッケー”で検索をしてみる。すると白い姿の丸い鶏みたいな
魔物が出てきた。
魔物 コッケー
住処 イーストダンジョン、森など
種類 動物
性格 基本無害
ドロップ
(動物知識なし) 卵 鶏肉
(動物知識あり) 鶏肉 卵
俺は今調べた内容を、メイプルとミュートに教える。
「ということは”卵”が欲しい場合は、私か尊様が倒して。”鶏肉”が欲しい場合は、ミュートさんが倒したほうが良さそうですね。」
「その通りだな。”イーストウッド村”での”肉”は他の食材より高価だからな、俺達が食べるにしろ売るにしろ集めておいて損はないだろう。その時は頼むぞ、ミュート。」
「わかりました、私頑張りますね。」
そんなことを話しながら、明日の方針が決まる。明日は”野菜”のドロップを主にしつつ、見つければ”薬草”と”卵”と”鶏肉”のドロップを狙っていくことにした。
これから行水をして寝ようと思うと、大変なことを思い出す。
「あっ、そういえば。部屋決めてなかったな。」
今更だがハードウッドさんから貰ったこの家を、詳しく見てみることにする。
1Fは玄関から入って右側がダイニングと奥に台所があり、左側がリビングになっている。因みに俺達が先ほど使っていた場所は右側のダイニングと台所であり、台所から外へ続く勝手口から水瓶を運んでいた。
続いて玄関から真っ直ぐ進んで奥に階段があり、そこから2F上がることが出来る。2Fに上がると階段を挟んで左右に2部屋づつ、合計で4部屋存在している。
俺達は2Fに上がってから、メイプルとミュートにどこの部屋がいいか聞いてみた。
「尊様、奴隷は1Fに雑魚寝が普通なのですが・・。」
「えっ。自分の部屋が貰えるのですか。?」
メイプルが困惑しながら、ミュートが信じられないって顔をしながら俺を見てくる。
「いやいや、1Fで雑魚寝とかしたら疲れが取れないだろ。それに身支度とかどうするんだ、着替え中にうっかり鉢合わせしたらどうするんだ。」
「雑魚寝も、はっ、肌を見られることも、かっ、覚悟しております。」
「恥ずかしいですけど、尊様になら着替えを見られても我慢します。」
メイプルは俯いて顔を赤くしながら、ミュートは両手を頬に当てながら顔を赤くしながら返事をしてくる。
「メイプル、ミュート。今直ぐ自分の部屋を決めなさい。これは命令です。」
俺は手で頭を抑えて、反対の手で部屋を方へ指をさす。今回は恥ずかしかったのか、”主人と奴隷が同等うんぬん”の反論はなかった。
色々あったが、それぞれの部屋の配置が決まる。階段を上がってすぐの左右の2部屋に、メイプルとミュートが入り、奥の2部屋が俺の部屋と空き部屋ということになった。
部屋が決まったのでメイプルとミュートの前にアイテムボックスから、市場で買った着替えと洗濯道具等を出していく。
「市場で買った物はこれだけだと思うが、足りない物はあったか。」
「大丈夫です、着替えも行水の布も洗濯道具もありますから。」
「尊様、1Fに下りた時に掃除道具も出してください。台所に置いておきますから。」
俺は分かったと答えると、先に行水を貰っていいかと2人に確認する。メイプルとミュートは”勿論です。”と、答えたので着替えと行水の布を持って井戸の方へ歩き出す。メイプルとミュートもついてくるので、1Fの台所でアイテムボックスから掃除道具を出してミュートに渡す。そして勝手口から井戸の方へ歩き出すと、なぜか2人もついてきた。
「メイプル、ミュート。洗濯物なら後で渡すぞ。」
「「あの、お背中を流しに来ました。」」
2人で顔を赤くして言ってくるので、”大丈夫だから、戻ってくれ”と言っておく。のんびり行水していたら、2人がやって来そうなので手早く終わらせる。
台所で2人が待っていたので、洗濯物を渡す。それと暗くなり始めたので、ロウソクを何本かメイプルとミュートに渡しおく。”足りなくなったら買い足すので、遠慮なく使ってくれ”と伝える。
そして万が一来客が来ると対応することが出来ないので、リビングにある燭台にロウソクをさして火をつけて2人の行水が終わるのを待つことにした。
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