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異世界帰りの俺が現代最強すぎて現代異能バトル系美少女をビシバシ調教することになっちゃいました!? 作者:白石 新
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VS九尾の狐 その2

 サイド:阿倍野輝夜

 いよいよ九尾の復活は3日後――日曜日となった。

 今日から2日間、妖魔たちは最も活発化して……私達としては連続での狩りとなる。



 正直な話、前回、私はぶっちきって単独首位となってしまっている。
 普通に手抜きでもどうにでもなるし、既に生贄云々は私とは関係のない話となっている。
 そして目下、生贄候補として一番危ないのはこの前私に絡んできた茶髪縦ロールの結衣さんだ。
 が、狩りが始まる前に彼女は不敵な笑みを浮かべてこう言った。

「今日からは妖魔の数は数倍ですわ。現在の単独首位と言えども……これから討伐数ゼロが続けばどうなりますかね?」

「討伐数ゼロなんてありえないわ。純粋に私は今……この中で一番優れているのだから」

 そこで結衣さんは私を鼻で笑いながらこう言った。

「出る杭は打たれると言う言葉をご存知なくて? 実力だけで上手くいかないように世の中は――できているんでございますわ」

 はてな、と私は小首を傾げたが、結衣さんの言葉の意味が分かるまでに数時間も時間を必要とはしなかった。







 結論から言うと、私のその日の妖魔の討伐数はゼロだった。

「四聖獣の陣を使うなんて……」

 夜の街を行く私の東西南北にお姉さまを含む4人の巫女達が一定の距離でマークする。
 そして私を大幅に弱体化させる術式を形成しながら、妖魔を発見次第、東西南北にマークしている誰かが狩りに行く。
 これではさすがに索敵のスキルも役に立たない。
 森下君ほどの領域になれば、その包囲網すらもぶっちぎれる可能性はあるが、少なくとも私には無理だった。

 私としては妖魔を察知したとしても時既に遅しと言った具合に、現場に駆け付けた時には既に誰かが妖魔を討滅しているといった次第になっているのだ。

 ――結果、討滅数はゼロ。

 状況としては4対1となっていて、私は圧倒的に不利となっている。
 しかし、私の精神的に一番キツかったのは――


 ――まさかお姉様が……連中に協力するなんて……ということだ。


 そうして、私は月夜を見上げながら、お手上げとばかりに私は両手を掲げた。


「やられたわ。完敗よ。まさか4対1でハメ殺しにくるなんて……ね」






 翌々日。
 私は学校が終わって自宅の自室に到着すると同時に森下君に電話をかけた。

「こんな時間にどうしたんですか先輩?」

「聞きたいことがあってね」

「聞きたいこと?」

「ねえ、森下君?」

「ん? 何ですか?」

「私達って……何?」

「メル友ですよね?」

 一呼吸おいて、私は森下君に尋ねてみた。

「メル友って……何?」

「メールをするだけの相手って意味じゃないですか?」

「メールをするだけ……か……」

「どうしたんですか?」

 恐る恐る……と言った具合に私は森下君に本題を切り出してみた。

「明日の日曜日なんだけれど……」

 九尾の復活の日だ。
 現在、私はほぼ間違いなく妖魔の討伐数で最下位となることが決定していて、その日が命日となることもほぼ確定している。

 でも……と私は思うのだ。

 それでも、異世界で常識外れの力を身に着けたという森下君であれば、あるいは神と同一されるような規格外の霊的存在である九尾相手でもワンチャンスあるのではないか……と。

「え? 日曜日?」

「私の為に数時間……時間をくれ……といったら迷惑かしら?」

 電話口で何かを考えて森下君は溜息をついた。

「その日はちょっと都合がつきませんね」

「と、言うと?」

「クラスメイトの女の子と映画を見に行くんですよ」

 女の子……デートなのかしら?
 そう思った瞬間に、何故だか私の胸がチクリと痛んだ。
 おかしいわね、特に不摂生をしていたり持病があるわけでもないのに……不整脈?
 まあ、それは良しとして。

「……なるほどね。それは貴方の友達?」

「多分、そうなるんでしょうけど」

「それはメル友ではなくて……友達なのよね?」

「ええ、そうなりますね。まあ、クラスメイトですから」

「そのクラスメイトとの約束は、私のお願いよりも貴方にとって優先するべきものなのね?」

「そうなりますね」

「メル友じゃなくて……その子は友達なのね?」

「ええ」

「………………分かったわ」

「で、先輩? 日曜日……何があるんですか?」

「いいえ、何もないわ。暇だったから貴方を裸にして……アナルで生け花をしようと思っただけよ」

「辞めてくださいっ!?」

 私はクスリと強がりの笑い声を作って――


「――それじゃあね」


 と、電話を切った。


 そうして私は天井を見上げた。

 ――私がこれから大事にしたいと思っている人。

 ――いや、これから私の事を大事に思ってもらいたい人に……危険を承知で私を助けろなんて、そんな事を言えるほどには私は恥知らずではない。

 ――いいや、それも違う。私と彼とはあくまでも対等な関係なんだ。だから――私の一方的な都合で彼に命を張れなんて――絶対に言えるわけがない。


 さて……と私は部屋の隅に飾られている愛刀へと向かう。
 鞘から白刃を引き抜くと、いつみても惚れ惚れするような乱れ波紋が光に煌めく。

「備前長船兼光」

 最上位の業物の刃を眺めながら、けれど私は首を左右に振った。

 確かに稀代の業物だけれど――これじゃあ絶対に九尾は斬れない。

 そして私はふう……と、ため息をついた。


「――八方塞がりね」







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