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異世界帰りの俺が現代最強すぎて現代異能バトル系美少女をビシバシ調教することになっちゃいました!? 作者:白石 新
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母ちゃん 中編

 森下家のリビング。

「ところで森下君?」

「ん? なんだ?」

「貴方のお母さんは料理上手なのよね?」

「ああ、絶品だぜ! ほっぺも落ちるし、舌がとろけるような感じだぜ!」

 私と阿倍野輝夜は互いに目をみやる。
 そして私達は、キッチンで料理製作中の森下母の方角に視線を向けた。
 先ほどからキッチンから紫色の水蒸気がこちらに流れてきている。
 嫌な予感をヒシヒシと感じているのは輝夜も同じらしい。

「ところで森下君?」

「ん? なんだ?」

「どうして食卓に……塩酸が置いてあるのかしら?」

 森下家の食卓には、塩コショーと七味唐辛子と醤油の横に『塩酸』と書かれた瓶が置かれていた。

「え? 阿倍野先輩の家の食卓には塩酸置いてないの? 酸味が足りない時はウチは塩酸って決まってるんだけど……」

 私と輝夜は再度顔を見合わせて、これは間違いないと頷いた。
 見た目幼女のオバサンキャラとくればラノベの定番だ。
 そして、メシマズキャラといえば、これまたラノベの定番中の定番だ。

 向こうから流れてくる紫色の水蒸気、そして食卓に普通に置かれている塩酸……これらを合わせて考えると導き出される解答は一つしかないのだ。
 そう、これは――

 ――ケミカルキッチン系だ。

 メシマズの中でも最も危険度の高いシロモノで、ただ不味いだけでなく、本物の毒物を出されることもしばしばという……メシマズ界のエクストリームデンジェラスゾーン。
 これはヤバい。超ド級のヤバさだわ。
 私が戦慄に震えている時――

 ――キッチンから森下母は私達の待つテーブルまで、ニコニコ笑顔で大皿を持ってきた。



「みなさーん! 殺人焼きそばが出来上がりましたですよー!」



 今、殺人焼きそばって聞こえたけど、流石に気のせいだよね?
 あまりの事態に私は呆気に取られる。

「母ちゃんのサツソバは本当に美味しいんだよな!」

 森下大樹はニコニコ笑顔で大皿から焼きそばを取り分け、一気にお箸で焼きそばを口の中にかきこみ始めた。

「母ちゃん! 今日は酸味が効いててマジ旨いなっ!」

「おっ! 隠し味に気が付いたですかー?」

「この酸っぱい味は……硫酸だな?」

 隠し味って言うか……確死味じゃないっ!
 っていうかこのケミカルな単語の数々が……食卓で繰り広げられる会話だとはとても思えない。

「正解なのですー! ダイキちゃんは隠し味をすぐ見抜いちゃうのでお母さんも大変なのですー」

「まあ、17年間食ってるからな! っていうかマジで美味えな! 舌がとろけるぜ!」

 溶けるの間違いでしょ!?
 あ、でも……森下大樹は本当に美味しそうに食べるわね。
 ひょっとしたら……と私は掌をポンと叩いた。

 いくらなんでも料理に酸味を出すために塩酸だの硫酸を入れるなんてどう考えても頭がおかしいし、ナンセンスに過ぎる。

 私と同じことを思ったのか阿倍野輝夜も思ったのか、彼女はフフっと笑った。

「人が悪いわね森下君。趣味の悪いジョークは私は嫌いよ」

 そうして彼女は焼きそばを小皿に取り分け、箸で麺を掴んで口に入れて――

「ブーっ!!!!!」

 マーライオン状態でそのまま阿倍野輝夜は勢い良く麺を噴き出した。

 そしてテーブルに突っ伏してゲホゲホとその場で大きく席をする。

「舌がっ! 舌がピリピリ……っ! ピリピリ――いや、違う……熱い……まるで焼けるようだわっ!」

 あ、やっぱりこれアカン奴や。
 水をガブ飲みして肩で息をする阿倍野輝夜のリアクションをガン無視し、森下母はニコニコ笑顔でキッチンへと消えた。

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