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異世界帰りの俺が現代最強すぎて現代異能バトル系美少女をビシバシ調教することになっちゃいました!? 作者:白石 新
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母ちゃん 前編


 私の名前はレーラ=サカグチ。
 今、私はクラスメイトの森下大樹の家の前にいる。
 何をしているかと言うと、待ち伏せをしている訳だ。
 と、言うのも奴は東洋の神秘のマーシャルアーツであるところの合気道マスターなのだ。
 西洋の退魔技術の結晶体ともいえるこの私に、東洋の合気道の神秘パワーが加われば……正に鬼に金棒!
 これで阿倍野輝夜に後れを取ることもあり得ない――

 ――むっ! あれは森下大樹っ!

「ちょっとアンタ! いい加減に私に合気道を教えなさいよね!」

 左手を腰の位置で右手人差し指をヴィシっと森下大樹に向けて突き出した。

「あ……サカグチさん」

 と、そこで私と森下大樹の隣にいる女と目が合った。

「……レーラ=サカグチ」

「何でアンタが森下大樹の家の前まで来てんのよっ!?」

 阿倍野輝夜を睨みつけると、彼女はクスリと笑った。

「友達のいない貴方には分からないことでしょうけれどね」

「む? 友達?」

「今日は森下君の17歳の誕生日記念なのよ。まあ、友達のいない貴方にはお誕生日会という概念が分からないでしょうけれど」

「……話が読めないわ」

「バースデーホームパーティーよ。まあ、友達のいない貴方には絶対に分からない世界だとは思うけれど」

 クスクスと笑ながら、こちらをさげずんだような視線を阿倍野輝夜は向けてくる。

「そ、そ、そういえば……な、なんかアンタ等……妙に仲が良いわよね? この前お弁当一緒に食べてたし」

 そこで阿倍野輝夜は腰までの長髪をバッサアーっとかきあげた。

「分かっちゃうわよね? やっぱり分かっちゃうわよね? いやー、辛いわー……孤独じゃないって辛いわー。正直な話をするとね? 私も一人の時間欲しいわー。友達からの電話とか忙しい時マジうざいわー……コホン。まあ、友達のいない貴方には分からないでしょうけど」

 っていうかお前がうぜえわ。
 要は友達ができて喜んで舞い上がって、私にそれを自慢してるってコトなのね?

 さっきからワザと『友達のいない』の部分だけ協調してるし……。

「ということで、これから森下君の家での誕生日記念ホームパーティーなので『部外者』はお引き取り願おうかしら」

「先輩が勝手に押しかけてきたんでしょうに……別にパーティーなんてしませんし……来るの先輩だけですし」

 そこで森下大樹は私に声をかけてきた。

「っていうか、阿倍野先輩もそうだけど……お前ら一体何なんだよ……ちょっと昔のライトノベルヒロインそのまんまじゃねえか。学園異能バトル系の設定の裏世界ってデフォでこんなんなのかよ……」

「な、な、なによ! 私はそもそもライトノベルなんて大して知らないわよ! せいぜいがライトノベルで日本語を覚えたと言っても過言ではない程度の冊数しか読んでないわよ!」

「十分に知っていると言っても過言ではない程度には読み込んでいると思うぞ。と、それは良いとしてサカグチさん? 先輩がどうしても飯を俺の家で食いたいって感じだったから……昼飯時に母ちゃんにメールを送ったら、本当に母ちゃん張り切ってパーティーレベルに食材用意しちゃったらしいんだよね。サカグチさん確か一人暮らしだよね? 良かったら飯食ってかない?」

 と、そこで私の腹の虫が鳴った。
 先ほどから森下大樹の家の中から、料理の異常に良い香りが漂っていたのは確かに気になっていたのだ。

「森下君? これはメル友から進化を果たそうとしている私にだけ与えられた……フレンドリーイベントのはずよ」

「フレンドリーイベントとか言う謎の造語を勝手に作らないっ!」

「こんな女をフレンドリーイベントに参加させるなんて私は断固抗議するわ」

「ってか、そもそも俺ら今んとこただのメル友ですよね?」

 その言葉で阿倍野輝夜の生気が見る間に失われていく。
 口からエクトプラズムが出ていくのが分かるレベルだったので、思わず私はちょっと笑ってしまった。

「まあ、お腹もすいているし合気道の練習方法についても話し合わないといけないからね。分かったわ! 夕飯に同席させる権利を与えるわ!」

「だからなんでお前はそんなに偉そうなんだよ……」

 と、そこで私の背後――森下君の家の玄関が開いた。



「ダイキちゃんお帰りなさいなのですー! みなさんいらっしゃいなのですー!」



 見た目9歳程度の黒髪ロリータがそこにいた。
 エプロンをつけてニコニコ笑顔でそこにいた。
 ちなみに、顔はめっちゃ可愛い。


 ――パクパクパクパク。


 私と阿倍野輝夜は水槽の中の金魚のように口を何度も開閉させる。
 そして私と輝夜はロリータと森下大樹の顔に、視線を何度も交互にやった。

「どうしたんだお前ら?」

 何度か深呼吸してから、阿倍野輝夜が森下大樹に尋ねかける。

「森下君? 誕生日ということで親戚の子供でも呼んでいるのかしら?」

「いいや?」

「森下君の妹は確か13歳だったわよね?」

「そうだが?」 

「妹のセンも消えた……と。じゃあ、こちらの方は?」

 遂に輝夜は本丸へと斬りこんだ。
 何しろ見た目9歳だ。どう解釈しようにしても、いくらなんでも色々と無理がありすぎるのだ。

「……」

 森下大樹はしばし押し黙った。
 そして大きく大きく息を吸い込んで彼はこう言った。


「母ちゃんだが?」


 そしてしばし考えてポンと森下大樹は掌を叩いた。

「まあウチの母ちゃん見た目若いからな」

 若作りにも限度があるわ!

 と、そこで阿倍野輝夜は何やら思案して、そしてため息をついた。

「ねえ森下君?」

「何でしょうか?」

「さっき私たちの事をライトノベルみたいと言っていたけど……」

「はい、なんでしょうか?」

「貴方の経歴であるだとか、今回のコレだとか……色々総合して……」

「はい?」


「――貴方の存在が一番ライトノベルよ」






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