実は彼女の方がレベルが上でした
それから僕は、魔物出てこい、魔物出て来いと念じていたら、隣の町までに普段倒しているような魔物に遭遇。
よしっと思って倒すこと計五匹。
『レベルガ6ニナリマシタ』
「やったー、レベルが6になったぞ!」
レベルアップの声を聞きながら僕は、隣の町付近で飛び跳ねた!
随分と町の近くまで魔物が出没するようになっている。
これも魔王の影響だろうかと思いつつ、それでも、
「これで、これでレベル6! 2や3に上がるだけでも大変だったのにこんなに一気に! これだったら成長に合わせて、魔力なんかも簡単に増やせそう!」
『嬉しそうな所悪いが、慢心しないようにな? この成長チートだって一時的に貸しているだけだし、それで気が大きくなっては駄目だぞ。初心忘れるべからずだ』
「分かってますよ。でもこれで、冒険者への夢にまた一歩近づきました!」
『そうかそうか。そういえば冒険者の中で、ニルスが何の職業で登録されているんだ?』
そういえばというかのように聞いてきたが、リョウスケは以前のステータス画面をよく見ていなかったようだ。なので僕は、
「僧侶です」
『……剣の練習をしていたと聞いたような気がしたが』
「今の時代は剣士や弱い力の僧侶はそれだけだとやっていけないので、冒険者の場合、僧侶といっても剣の練習もしたり色々なんです。それに親に勧められて傷なんかを治せる魔法が特に強く使える僧侶は、手に職があるといえそうだから、というのもあって僧侶にしました」
『……異世界の事情は分かった。そして魔力が増えれば僧侶としての回復魔法やらの効力が強くなったりすると。なるほど……適任かもしれないな』
「? 何がですか?」
『詳しく説明するのが面倒だから、当事者が説明に来るのを待ってくれ』
「その当事者がいつ来るのですか」
『近いうちだろうな』
といった話をしているとそこで幼馴染のセリアが、
「あの、ニルスが言うにはリョウスケさんでしたか? 一つお聞きしてもいいですか?」
『何だ?』
「なんて言っているの? ニルス」
「『なんだ?』と言っています」
「そう、ニルス、通訳をお願いね。ニルスばかり成長チートでレベルが上がっていくのが気に入りません。私も成長できないのですか?」
『チートの範囲設定を広げれば出来るんじゃないのか? 常に展開するかどうかでも変わってくると思う。一応この成長チートを使うにも、魔力が幾らか使用されているからな』
「そうなのですか?」
『ふむ、では成長チートという名の、“経験値かけるエックス”を発動させてみるか。さあ声に出してみよう』
「『“経験値かけるエックス”発動』」
一言呟くと、僕の体から白い光が現れて周囲に僕を起点として円状に展開されて、セリアも入る。
どうやらこれで成長チートにセリアも関係するようになったようだ。
とそこでいかにも倒してくれと言わんばかりのネズミの魔物が現れる。
大喜びでセリアが炎の魔法を使い、敵を倒していく。
そして聞こえたのは、
『セリア、レベル10ニナリマシタ、ニルス、レベル7ニナリマシタ』
といった僕よりもレベルがセリアは上だったという事実と、
「……魔力がもう、もたない……がくっ」
そこで魔力切れを起こした僕が、道に倒れこんだのだった。




