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幼馴染登場

 ご主人様認定されてしまった僕は、とりあえずは勇者の指輪に認められたのでいいのだろうかと思った。なので、


「えっと、これからもよろしく」

「はい! 私、頑張って戦いますね!」

「え? えっと、戦うのは僕ですよね?」

「いえ。ただ私の分身である剣を持つ素体が居さえすれば、後はこっちで何とかしますから。ぶっちゃけ私との相性さえ良ければだれでも勇者になれるのです」

「僕は相性はどうなのでしょう?」

「うーん、まだ剣を持っていないから分からないけれど、すでに気に入っちゃったしね、私」


 どうやらこの服を変える魔法がよほど彼女のお気に召したらしい。

 確かにずっと同じ格好なのは、女の子としては嫌なのだろう。

 幼馴染の彼女も、よく僕にこの服どうかなと言って都市で買ってきた服を見せびらかしてきたものだ。


 というのを思い出しているとそこで、指輪が再び赤く光り、その光は目の前で大きく細長いものに変わったかと思うと、徐々に起伏が出てきて……剣の形になる。


「さあこれをつかむのです。相性がいいと、凄く軽いですよ」

「どうだろう……あれ?」


 そこで剣をつかむとまるで持っているのかいないのか分からないようなくらい、“軽い”。

 なんだこの剣はと思ってしばらく持っていると、


「凄いご主人様、私たち相性凄いいです!」

「本当! よかった……もぎゅ」


 そこでこの剣の精霊であるらしい彼女に僕は抱きつかれた。

 剣の精霊のようなものでも、肉質感はあるらしい。

 つまり、顔面に迫りくる柔らかい旨というかほほにぷにょっと。


 そこで家の扉が開いた。


「ニルス、聞いたわよ! 勇者にな……」


 現れたのは幼馴染である、セリアだ。

 彼女には僕と違って魔法の才能がありその能力を鍛えていたのだけれど……。

 さて、現在彼女は笑顔で僕の家に来たかと思うと、次に無表情に僕達を見ている。


 金髪碧眼の長い髪の少女である彼女だが、こういう時はものすごく怒っているのだと幼馴染としての経験から理解していた。

 つまり、僕はこれから……。


「ニルス、何をやっているの?」

「あ、あの、僕、剣の精霊と契約して……そうだ、名前聞いてない」


 そう僕が彼女の胸の中で話とそこで、


「レナです、ご主人様」

「だそうです。レナさんです」


 僕は何とかそう答えたけれどそこでセリアが、


「ふーん。それで胸を押し付けられてニルスはデレデレしていると」

「べ、別にそんなことはないよ」

「……まあいいわ。それで、早くご飯を食べなさいよニルス」


 そうせかしてくるレナ。

 あれ? と僕は思う。


「何だかレナもついてくるみたいだけれど」

「そうよ、私魔法使いだし、ニルスと幼馴染だから一緒に行きなさいって昨日聞いていて……」

「勇者をやれって聞いたのは、僕の場合今日だったんだけれど」

「……そういえば、逃げないようにって話があったような……いえ、でもこれで覚悟は決まっただろうし一緒に行くわよ」

「そ、そんな軽いノリで……」

「途中途中でこの国の人達もサポートしてくれるらしいし、何とかなるって。というかそのあたりの説明もニルスのご家族にはまだなの?」


 レナのその疑問に、偉い人らしい人が、ようやく僕の両親や兄弟に説明をはじめ、不安そうな家族に見送られながらその後僕は、旅に出ることとなったのだった。

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