エピローグ
こうして僕の勇者としての魔王退治は、つつがなく終了した。
それから倒した魔王様に僕が気に入られて、
「ふむ、自分好みに少年を育ててみるのもありかな?」
「え?」
といった発言にセリアが焦って駄目です、不健全ですと叫んでいたり、そこでチルチルがやってきて、
「ところでニルスお兄ちゃんは年下は好きですか?」
「? 妹属性ってことかな? 好きだよ」
「そうですか、分かりました」
にこりと微笑んだチルチル。
何だろうなと僕が思っていると、はっとしたようにセリアが、
「ぬ、抜け駆け禁止」
「セリアお姉ちゃんには負けません」
といった話をしている。
何だろうなと思っているとミチルが楽しそうに、
「ニルスお兄ちゃんこれから大変そうだね、頑張って」
「そうだね。まずは魔王様を殺さなくていい理由なんかも話さないといけないし、そういえば魔王を倒していないから勇者のとしての役目はどうなるんだろう?」
僕がそう問いかけるとミチルが一瞬、違う、そうじゃないという顔をした気がしたけれど、
「勇者としての地位はそのままかな。現状だと……あれ、という事はこれからもレナと一緒になるのかな?」
「本当ですかご主人様!」
「う、うん」
「いいですね勇者。でもこうなってくると勇者じゃなくて、角切職人になりそうですね」
「……」
間違ってはいないけれど、何かが違う気がした。
けれどとりあえずしばらくは皆とは一緒に居られそうだった。
それから馬車のおじさんなどにも事情を話し、魔王様側からも伝えてもらうことに。
ちなみに魔王様はこれからこの世界を楽しむそうだ。
けれどなぜか僕達についてきて、最終決戦後の皆での遊びについてくるそうだ。
それはそれで楽しそうである。
それから都市に僕達は向かい、事情説明をすると経過を見ることになった。
神様側からもそうして欲しいとの事だった。
また、今回はいつになく損害が少ないと僕は聞く。
やはり異世界人を呼ぶと新しい観点をで見ることが出来るのではといった話も出ているらしい。
他にはその神様にリョウスケともこの世界に来て遊びたいといった話をすると、協力のお礼に自由に行き来がある程度できるようにするとの事だった。
そう言った話をしてとりあえずは僕の勇者としての役目は終わった……否。
「これ、一生勇者なままなのかな?」
「その内弟子なりなんなりを取ればいいんじゃないかな」
といった話をセリアとしていた僕はあることに気付いた。つまり、
「そういえばこの特殊能力は一体どうなるんだろう? まさかすでに肉体改造済みとか? はは、まさか……リョウスケ」
『……』
「リョウスケ、どうして沈黙するのかな」
『……ニルス、お前が勇者をやりつづけるので固定になった。頑張れ、ぶちっ』
そこで通信が切れるのが聞こえた。
だが今の話からすると、
「ま、まさか僕……」
「ま、まあでもほら、特殊能力があるのは便利でいいんじゃないかな」
とセリアが慰めてくれたけれど僕は、僕は……もうすべてを諦めることにした。
そして僕達はそれから宿に戻り、明日はどこで遊ぼうといった話をする。
これからの予定は僕にとっても穏やかな日常だけれど、友人はこんなに増えた。
それがうれしいと僕は素直に思う。
しかも一人は異世界人で一人は魔王で一人は精霊だ。
普通じゃない友人。
それも楽しい気もする。
そう思いながらようやく僕の最終目的である勇者とした魔王を“倒す”物語が終了したのだと気付く。
ついこの前までは最弱な冒険者だった僕が、気づけばこんな風になって目的も達成出来て。
世の中よく分からないものだ。
「だから、楽しいのかも」
そう僕は呟き、その日は、明日を楽しみにしながら幸せな気持ちで眠ったのでした。
あとがき
ここまで読んで頂きありがとうございました。こういった展開はどうかなと書いてみた作品で、これはこれで楽しかったです。また何か投稿しましたら、よろしくお願いいたします。




