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魔法は強力

 覚悟を決めればあとは、簡単だった。

 戦えばいいだけだから。


「“魔力回復魔法”それの100%、すぐに成長チート、そして、肉体の強化魔法……そして魔力の回復をもう一度」


 選択画面の中にあるものを、順次、発動させていく。

 そして、剣を取り出しながら、


「援護をよろしく。これから結界を解くから!」

「「「「わかった!」」」」


 そう答えるのを聞きながら僕は、剣を構えて次に結界を解く。

 同時に剣を大きく振る。

 横に薙ぐように攻撃をするけれど、それはこのダニエルさんの腕で抑え込まれてしまった。


「剣を素手でですか!?」

「だから言っただろう、剣は軟弱なものが使うものだと!」

「そうですか分かりました。では、レナちょっと出力を上げましょう」


 そう僕は勇者の剣に呟いた。

 何処か戸惑ったようだが少し炎の力が強くなるけれど、効果はあまりないようだった。

 炎の魔法で強化しているとはいえこれが容易に防がれてしまうあたりが何というか……人間離れしている。


 強化した剣であるけれどこの人には通用しないようだ、が。

 僕は、もう少しレナにささやいてみる。


「このダニエルさんが納得しないと再度戦闘になるのでレナには少しずつ力を開放して欲しいのだけれど、いいかな。この剣の力はこの程度じゃなかったよね?」

「……うう、分かりました、頑張ります! この強化の出力がどの程度か分からないので……ダニエルさんとやら、悪く思わないでくださいね!」


 そう言ってレナが頑張り始めたらしい。

 炎の輝きがより、鮮やかに青みを帯びていく。

 その間に僕はある質問を投げかけた。


「貴方が、水のドラゴンを僕達にけしかけたのですか?」

「? 何の話だ?」

「いえ、覚えがないのでしたらそれで。僕達をさらに強くしてから戦闘をしようと魔物をけしかけたのかと、思ったのですが……」

「それはこちらから宣言したものではないから違う。奇襲にはどんなものも弱い。全力の力が出せない。それでやられては、戦うのが目的な俺は元も子もないしそういったものはすかない。戦うならば直接、宣言し、勝利する!」


 かなり熱い人間のようだ、と僕は思う。

 そこで剣の力だけでは無理そうだと判断した僕は後ろに飛びのいた。


「ご主人様、今ので私のすべてです」

「うん、それも防いじゃうんだね。すごく強い人だね」

「そうですね、人間でもあそこまでいけるものなのですか。それとも魔族としての素養か……」

「とりあえず今はセリア達に攻撃をして貰うとして、今度は魔法攻撃で行ってみるよ。魔力回復、増幅の魔法を選択して更に強力な魔法を選択」

「……ご主人様、やりすぎなのでは?」

「大丈夫だよ、ストッパーが働いているようだから……この“白の直進光”を選んでみようかな?」


 強力な熱量の白く輝く攻撃であるらしい。

 想像もつかないが強そうだしどんなものだろうという好奇心があった。

 だが、後になって思えばもう少し気軽に選ばないようにするべき魔法であったかもしれない。


 目の前でセリア達がさらに強化した杖で魔法攻撃を加えているがダニエルには効いていないようだ。

 上手く魔法を受け流しているらしい。

 でも、倒す。


 そう思って選択画面でその魔法を選ぶと、目の前に大きな白い魔法陣が浮かび、その中心部に白い光が球状に現れてそれがどんどん大きくなり僕を隠すくらいに大きくなりそこから一気に前面に放出される。

 轟音が聞こえた。

 まばゆい光が広がり、その上空にあった“ステータス”の体力が一気に減少していく。


 本当に大丈夫だろうか?

 僕が不安を覚えた所で唐突に光が消える。

 後には、特に焦げた様子もないが地面に倒れたダニエルがいる。


 生きているだろうか?

 そう思って僕は近づくと呼吸をしているのが分かるので、とりあえず僕は、


「“体力回復魔法”……これが終わったら魔力を回復しないと」


 そう次にすることを決めながら僕は回復魔法をダニエルに使う。

 これで大丈夫、あとは……そう僕が思った所で、何かが僕を貫くのを感じたのだった。

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