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切れ味のいい剣

 さて、こうして僕は新しい能力を着々と手に入れていると、肯定的に考える事にした。

 そう言った魔法が使えるようになっただけで僕の肉体はそこまで大きな変化はなさそうだから。

 そうだと良いなという気持ちもあるが。


 そしてその日は眠り、次の日。

 本来なら徒歩で移動といった話になっていたけれど、状況の変化もあってか馬車で移動になる。

 馬の操縦者も、王都から騎士を派遣してもらったそうだ。


 甲冑を着たそこそこ年のいったおじさんで、向かい合うと僕は緊張してしまっていたが、すぐにそのおじさんはニカッと笑い、


「坊主、頑張れよ。俺は運ぶ程度の事はしてやる」

「は、はい。ありがとうございます」


 このおじさんはひょっとして、魔王とのその出来事について知っている関係者なのだろうか? と僕は思いつつも、間違っていたらいけないのでそれ以上は聞かない。

 そして、馬車の中では、


「またこの服が欲しいです」

「レナ、こんな時まで……」

「でも私、あまり時間がないので、それならできる限りお洋服だけは変えたいなと」


 勇者の剣であるレナは、いずれまた王宮の宝物庫におかれて次の魔王復活に備えることになるのだろう。

 それがこの勇者の剣とはいえ、


「もっとレナとも色々と、冒険したかったな」

「……しかたがありません。それが私たちの役目。でも、ニルス達と一緒に戦ったりするのは楽しかったですよ? 今までで一番。お洋服も変化するしね」


 そう、レナが嬉しそうに笑う。

 短い間だけれど、一緒に居られたのは楽しかったと思う。

 これからどれくらいで魔王との戦闘になるのだろう、そう僕が思っているとそこで、


「おーい、魔物が現れたぞ」

「はい、分かりました。みんな、行こう!」


 そう声をかけて僕達は戦闘を開始する。

 もちろん僕は、“成長チート”を使う。

 短い時間で僕たちが成長する効率化魔法。


 現れた魔物は、兎の耳が5本ほど生えた丸い醜悪な物体。

 ころころと転がるそれは、火を時々はいている。

 氷系の魔法が効きそうだとミチルとセリアが氷の魔法を使う。


 僕は力で押すことにしたので炎の剣にした状態で、攻撃を仕掛ける。

 10体近くいたそれの半数が魔法で倒されて、その残りを僕の剣で薙ぐ。

 何度もこの剣を使っているが切れ味が良くて、抵抗されたためしがない。


 だから剣技を鍛えてそれで敵と戦う戦法を僕は全然学んでいない。

 それに不安を覚えるけれど、


「この剣の切れ味がいいから、受け止められる相手がいないから仕方がないね」

「どうしたのですか? 突然」


 レナがそう僕に聞いてくるので僕は何でもないよと答える。

 けれど僕のこの時の懸念は、のちに当たっていたのを知る。

 ただ僕は、この剣を手に入れる前は木刀で練習していたのだ。


 だから切れ味の鈍い感触の剣についても知っていた。

 そして僕はその状態で、ずっと来たのだ。

 それらの努力がまさかこんな場所で実を結ぶとは、その時思いもしなかったのだけれど。


「とりあえず全部倒したから馬車に戻ろうか」


 そう声をかけて僕達はその後も魔物と戦闘しつつ、大きな都市に辿り着いたのだった。


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