予定の前倒し
四天王クラスでないと無理。
そうなると残りの二人のどちらかといった話になるらしい。
残りの二人どちらかと僕が思っていると魔王様は、
「風と土の四天王か。だがどちらも気になる、と言えば気になるわね。風の四天王は戦闘バカだけれど、戦闘が好きが故に戦闘に特化して戦闘関係にだけは頭が異様に働くから」
どうやら戦闘大好き人間であるらしい。
脳筋という物だろうかと僕が思っているとそこで、
「彼なら、戦闘はしたいが相手にはできる限り強くなってほしい、それも勇者ならば! という情熱のもとに、ドラゴンを調教して送り込んでくるくらいの事はしそうか」
「あの、一つよろしいですか?」
「なにかな?」
「僕、一応職業は僧侶のはずなのですが。そんな相手と戦うのはちょっと違うのではないかと」
職業に関しても彼らには伝わっているのではと僕は思ったので、言ってみた。
だがその言葉に魔王様は首を振り、
「僧侶であろうが、“勇者”であることには変わりはない。挑戦するのが楽しみであるそうだ」
その答えに僕は絶望した。
そんな戦闘大好き百戦錬磨の四天王をどうしろと。
成長したからって、何ができるというのだろう。だが、
「いずれは戦わないといけないのですね」
「そうだな。一応接触は今から二日後になっているから、それまでに準備を整えていてほしい」
「日程も決まっているのですか?」
「そうだな、少し状況も変わってきて急いだほうがいいという話にもなっているから」
「何かあったのですか?」
「……いや、憶測でものをいうのは良くないからな。だが、気になったから少し早めに手を打った、それだけだ」
魔王様はそう答えて、深々と息を吐いて、
「これからは王都ではなく直接東の方に進んでもらうことになる」
「東、ですか? あまり村がないので野宿かな」
「一応途中途中で拠点を用意してもらっている。また、移動用の馬車のようなものも」
「……何だか突然あわただしくなったような」
「こちらの事情だ。おそらくは問題ない。ニルス達には勇者としての役目を果たしてもらえば私は十分だ」
そう告げる魔王様。
だがどうにも慌ただしいというかなんというか、そう僕が思っているとそこで、僕の手からいつものようなあれが現れて、
『闇の方の魔力が増大しているようだが、その影響か?』
「リョウスケか。異界からでもこちらの様子が分かるのか?」
『たまたま今の話を聞いていたから、ニルスに黙って偽装して探査を走らした。すると所々に闇の力が強くなっている場所が見受けられた』
その話を聞きながら、どうしてリョウスケはまたも持ち主の許可を取らずに魔法を使っているのだろうと僕は思った。
そしてそれを聞いた魔王様が、
「ふむ、偽装に気付かないとは私もまだまだだな。……しかたがない。気づかれてしまったから正直に話すが、ここ最近異様に闇属性の魔力が増加している。かつてない速度でだ。だから……この魔王を倒す旅の予定を一部前倒しにする、そういった話に人間側と調整することになったのだ」
そう魔王様が告げたのだった。
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