再びやってきた人物
次の日の朝は、僕が寝坊をしてしまった。
おかげでセリアや、チルチル、ミチルに起こされてしまう羽目に。
その日の朝食は、メロノ豚のソーセージとポテトにサラダ、パン、スープ。
美味しくて素朴な朝食を楽しんでから再び次の町へ。
徒歩での移動になったのは、魔物と戦って、少しでもレベルを上げておきたかったからだ。つまり、
「“成長チート”そして“魔力回復”」
その両方を使って、僕は勇者の剣で、セリアとチルチル、ミチルが魔法を使って次々と魔物を倒していく。
当然ながらレベルがどんどん上がっていく。
しかもセリアはチルチル達から魔法の本を貰って更に強い魔法が使えるようになっていた。
成長チートのおかげで魔力関係も以前よりも、自由に、考えずに使えるので練習もしやすいらしい。
また僕の勇者の剣も、改造?した影響で僕の魔力を幾らか必要になっているようだった。
そんなこんなで魔物をどんどん倒していくと、僕達は気付けば次の町についていた。
この町ではどんな依頼があるんだろうと思いつつまずは宿に向かう。
そうでないと野宿になってしまうからだ。
けれど特に依頼はなく夜になってしまう。
そんな僕達の前に、ある訪問者が現れたのだった。
それは、勇者の剣の精霊、レナにせがまれてひたすら洋服の変更を僕がさせられていた時の事だった。
こんこんとドアを叩かれて、天の助け! と僕が思って急いで開けると、
「むぎゅ」
「ああ、すまない。私よりも背が低いから見えなかった」
「もぎゅ」
声からあの以前来た美人の魔王様だと気付いた。
どうしたんだろうと思いながら僕は、顔に何か柔らかいものが張り付いているのに気づく。
これは何だろうと思っていると、襟首が捕まれた。
そのままずるりと後ろに引かれて、首が閉まって苦しかったのだけれど、
「何をやっていたの」
「い、いえ、偶然だったんです」
怒ったセリアの声に、僕はプルプルと震えていると、魔王様に笑われてしまう。
この人美人で笑うと更に綺麗だなと、年上の魅力に惹かれかけているとそこで、
「それでとりあえずは四天王二人撃破して仲間にされてしまったという感じかな?」
「はい、そうです」
「しかもドラゴンも倒したそうじゃないか。といっても彼の力を借りたようだが」
「……そうですね。でも二匹も倒しましたよ!」
リョウスケの力を借りている自覚があって、でも僕が頑張ったと言いたかったのでそう返すと、魔王様にけげんな表情をされる。
「一匹ではなかったの?」
「いえ、二匹です。ひょっとして水系のあのドラゴンはご存じないと?」
「……詳しく」
との事で昨日倒したドラゴンについてお話しすると、魔王様は考え込んでしまった。
「魔族側でドラゴンを教育している? だが水系はミチルの管轄だし……呼んだわけではないのだな?」
「はい」
ミチルが元気よく答えている。
それを聞きながら魔王様はちょっと困ったようにため息をついて、
「ドラゴンレベルだと、四天王クラスでないと扱えない。となると残りの四天王二人となるが……そのうちの一人が明日、挑戦したいそうだ」
そう魔王様は僕達に告げたのだった。




