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私の体を、ご主人様の思うがままにいじってください!

 こうして僕は更に“魔道具作成チート”を使い杖を二つほど作成。

 ただチルチルとミチルの杖は僕の知らないものなので名前などを教えてもらい、作成した。

 でもよくよく考えると、


「なんでこの“魔道具作成チート”にはこの世界の杖の名前が表示されるんだろう」

「この世界の神様が与えたチートだからじゃないですか?」


 レナがそう言うのを聞きながら僕はなるほどと思う。

 そして調べて行った中で選択していくと幾つかの材料がない。


「“マロアの実”と“クケッコの貝殻”が無いね。持っている?」

「“マロアの実”はもっています。でも貝殻はないかな」


 ミチルがそう答えて、チルチルに聞くと、彼女も持っていないらしい。

 この“クケッコの貝殻”は淡水に住む貝殻で、確か僕の住んでいた場所の水辺でも拾えた記憶がある。

 でもそういったものが必要なら持ってくればよかったな、遊びで拾ってきたし……そう僕が思っているとそこでセリアが、


「あ、貝殻なら持ってるよ。私も魔法使いのはしくれだから必要なのはわかるから。よかったらどうぞ」

「「ありがとう、お姉ちゃん!」」


 チルチルとミチルが二人で声をそろえてそう言ったのだった。







 こうして二人の杖を作り上げた僕。

 どうやらこの二つも、伝説の杖であるらしい。


「調べねば」

「調べねば」


 チルチルとミチルがそう呟き杖を持って出て行ってしまう。

 相当気に入ったらしく強く握りしめていた。


「気に入ってもらえてよかった。でも皆の武器は改良できるのに僕のは出来ないんだな」

「ふふふ、伝説の剣ですからこれ一本で完成体なのです」


 剣の精霊レナがドヤ顔だ。

 ちなみにセリアも自分の子の杖の性能が見たいと、今宿の外の人が居なそうな場所で練習してくるらしい。

 というわけでこの部屋はレナと僕の二人っきり。


 そこでればが僕に近づいて、むにゅっと顔に何かが当たった。

 それがなんであるのかとか柔らかいなと思ってしまった僕だがそこで、


「それでご主人様、また服を変えて欲しいのです」

「またですか、またなのですか」

「だって衣装を変えられる機会なんて今くらいですし?」

「そういえばこの勇者の剣がもしも改良できるなら、服も変わったりするのかな?」

「……うーん、確か宝物庫にいた“聖剣1号”ちゃんはドラゴンと戦った時に真っ二つになっちゃったのですが、修理が行われたら現代の流行風の服装に……流行の服……」


 そこでレナの琴線に何かが触れたというか分かり切っているのだけれど、服が変わるのを思い出してしまったらしい。

 やっぱりかわいそうなので服を変えてあげようかなと僕が思っているとそこでレナが、


「ご主人様、私が進化できるような方法が無いか調べてください」

「え、でも……」

「可能性が知りたいんです。私の服のために!」


 真剣に僕に言ってくるレナの情熱を僕が断れるはずもなく、僕は諦めて“魔道具作成チート”を調べていく。

 本当にあるのかなという疑惑を持ちながら見ていくと、


「あ、あった。そのまま“勇者の剣”だって」

「ぜひ、ぜひ私の体を、ご主人様の思うがままにいじってください!」


 レナのそのお願いは、なんとなく別の意味に聞こえそうだった。



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