表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/47

仲間が増えました(増殖中)

 倒れた僕は、それからセリアに手伝ってもらい、体力回復と魔力回復の魔法を使う。

 だが魔力を使い激しく動いた疲労のようなものが溜まっているらしく、まだ体が痛いままだった。


「か、体を“貸す”のがこんなことになるなんて思わなかった。セリア、肩を貸してもらってもいいかな」

「良いわよ、まだ明るいうちだけれど、一度前の村に戻ったほうが良さそうね」

「「「賛成!」」」


 セリアの意見に、残りの三人がそう声を上げる。のだが。

 動かすのも辛い首を僕は動かしながら、


「……なんで四天王の君たちも来るのかな?」

「え? だって僕達四天王として倒されたから役目が終わったし」

「今夏休みだから、私達がお兄ちゃん達について言っても問題ないし?」


 男の方の四天王だったミチルと、女の方の四天王だったチルチルがそういう。

 夏休みだからってそんな、と僕が思っているとそれにミチルが僕から顔を少しそむけながら、


「最後のほうで、庇ってくれたのはその、嬉しかった」

「私もです。それに変身した方のお兄ちゃんも格好良かったので、今ついていけば両方楽しめそうだし」


 ということだった。

 だが僕としては、


「あの、親御さんが心配しますよ?」

「今両親は研究の仕事で遠くに行っているので、うちには使用人しかいないんです」


 そう、ミチルが言うのを聞きながら、だから他の人のいる側にいたいのだろうかとも思った。

 だから僕は、


「でも怪我するかもしれないけれど、大丈夫?」

「大丈夫です。私達兄弟は都市でも有名なんですよ?」

「どちらが年上?」

「僕の方がお兄ちゃんなんです。同い年ですが」


 ミチルがその時は自信ありげに言うのを見ながら、やはり兄としてのプライドが小さいながらあるのだろうと思う。

 ただこの二人には言っておかなければならないことがある。


「僕は今後リョウスケに体を貸したくない。体が痛すぎる」

「「ええ!」」

「本当に体が筋肉痛みたいにいたいから嫌だ」

「「でもー」」


 そこで僕の力の抜けた手の平から魔法陣が浮かび上がり、青い球状のものが浮かび上がる。と、


『と、聞こえているか?』

「リョウスケ……とても体が痛い」

『それはまだニルスが戦闘慣れしていないからだな。これからあれくらい出来るようになっておいたほうが良いぞ』

「というか僕はリョウスケが何をやったのか、全然知らないのですが」

『……今度から何をやっているのか見せられるように設定しておいたほうが良いな。あと、お前は無防備に俺に体を預けすぎだ」

『で、でも体を貸してくれって言ったのはリョウスケで……』

「それで素直に貸そうとするな。俺が悪い人間だったら乗っ取ってやりたい放題するぞ?』

「一応は区別していますから、大丈夫です」

『……信用出来ない』


 そう言って黙ってしまったリョウスケは僕を心配してくれていたらしい。

 やはりこの世界に召喚されそうになった“勇者”なだけあって、悪い人ではないようだ。

 そこでリョウスケが、


『とまあ、初心者にしては厳しくて被害が甚大になりそうだったから今回は手を貸したが、これからあれくらいやれるようにしろよ、ニルス』

「ですから僕には記憶がありません」

『分かった、何をやったか説明しよう』


 リョウスケがそう言って僕に説明した内容は……どう考えても僕には無理というかなんでそんなことを思いつくのですか!? という内容だったことを付け加えておく。



評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ