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第15話 真実(まこと)のパートナー ①

どうも作者です。

今回はバトルだけになりそうです。

暑いですね・・・

しかし!その暑さに負けない作品を書いていきたいと思います。

第15話 真実まことのパートナー


地下の多目的場にジャンプした4体は飛ぶ前と同じ体勢のまま地面に着地した。


「離せー!!」


ファットが力を解放すると黒いオーラが体から弾け溢れ、ガイア達は弾き飛ばされた。


「くっ!!」


ガイアは地面を削りながら100メートルほど後退させられた。


「アレス!烈!」


同じく飛ばされた弟たちの方を見ると、自分と同じように地面に伏せたアレスがいた。


「大丈夫だ兄貴!レオ!」


「心配はいらん」


ファットを挟み向かい合った2つの赤は互いに笑った。


「お前の新たな体、良いではないか!」


「だろ!レオもあんなに痛め付けられてたのに元気そうだな!」


「儂はまだ本気を出しておらん」


言葉を交わす2体に黒いオーラを纏った金属が襲うが両者はそれを避けた。


「我を無視するでない愚民ども。王の前での愚行はすなわち死であるぞ」


両手を上げて金属を飛ばしたファットは不機嫌そうに言った。


「いくぜレオ!!」


「おう!!」


2つの赤は同時に動いた。


グラァーオン!!!


獅子の咆哮が一直線に空気を揺らしファットに向かう。


「効かぬと言っておろう!」


ファットは壁を造りその衝撃を受ける。


「はぁーーー!!!」


アレスが拳を作り、鋭くファットの顔面目掛けて打ち込んだ。


「刀が駄目なら次は拳か?愚かな!」


拳に金属を纏わせ軽く降りかぶってアレスの拳に対抗する。


ヴァチバチバチィ!!


2体の拳は火花を散らしながら拮抗する力を互いにぶつけた。


「今だレオ!!」


突然のアレスの叫びに呼応して獅子が大きく開いた口を閉じ始めた。


キュイーーーーン!!


閉じられていくにつれて咆哮が鋭さを増し、その威力が上がっていく。


高い音は超音波のように空間に響き、ファットも耳を押さえたくなるほど不快な音になった。


「小賢しい!!!」


ファットは拳を開きアレスの拳を掴んだ。


それを力のままに持ち上げると、獅子の方に向かって投げ飛ばした。


「その音ごと潰してくれる!!」


「そうはさせるか!!」


獅子の方に体を向け反撃しようとしたファットに今まで正面にいたガイアが突っ込んできた。


「レオ!パワー全開!!」


キュウィーーーーーン!!!!


ピキピキと音をたて始めた金属に咄嗟に両手を差し出したファットはガイアに対応できなかった。


「ガイアスラッシュ!!」


ファットの体を横から切りつけたガイアだったが、空を切るように手ごたえが全くない感触を不思議に思った。


ザクッ


後ろで何かが地面に刺さる音がした。


「なにっ・・・」


そこには緑の刀身が半ばから折れ地面に突き立っていた。


それを見て唖然としていたガイアに前方から2本の槍のような前足が襲った。


「ガイア!!」


アレスの中から叫ぶ烈はガイアが突き飛ばされるのを見ることしかできなかった。


「ぐふぁ!!!」


ガイアは宙を舞い体のパーツを散らばせながら地面に落ちた。


「兄貴!」


アレスは着地するとファットの方を見た。


その体は今まで一部にしか付かなかった金属で覆われ、鋼の彫像のように悠々と立っていた。


「言ったであろう、愚行は死であると」


当然のように言ったファットの堂々たる姿に、アレスも半歩引いてしまった。


「なにを呆けておる!」


獅子が後ろから檄を飛ばした。


「!!・・・すまねぇレオ。もう一回連携いくぞ!」


「馬鹿者ぉ!!」


飛び出しそうになったアレスにむかい今度は怒りの声を飛ばした。


「お前は儂を話し相手にするために体を与えたのか!!」


そう言われたアレスは何かに気がついたように獅子を見た。


「やれやれ・・・。烈と言ったか人の子よ」


「お、おう!」


突然話しかけられた烈は驚いて姿勢を正した。


「やることはわかっているな、すまんがこの馬鹿に付き合ってくれ」


「わかったぜレ、マーズ!」


「レオでよい・・・いくぞ!」


「よっしゃーーー!」


そう言ってアレスとレオが走りだし、


横に並ぶとレオの背にアレスが飛び乗った。


「レオ!」


グラァーオン!!


アレスの言葉に応え咆哮を飛ばすレオ。


「炎陣!!」


アレスが両手を突きだすとそこから炎が吹き出し、咆哮に纏っていくその姿はまさに炎の竜巻。


グラァーオン!!


レオが叫び竜巻の中に入っていく。


(イメージしろ)


烈の頭の中でレオが問う。


(儂の体はまだ未完成だが、アレスに似ているお前の力があれば完成に近づくだろう。イメージしろ、己の強さを!儂がそれを形にしよう!!)


烈は心の中で思った、自分の欲する力を。


(俺の強さ・・・。やっぱり俺には兄貴に追い付く為に進むしかできない!)


烈らしい単純な想いだったがその力は誰にも止められない無限の力を秘めている。


そのまっすぐな無限の力こそ翔にはない烈自身の力であり、ガイアに引き出せなかった力であった。


その力を友の、兄の、そして地球の生命の為に!!


「いくぜレオ!!」


「おう!!」


炎はレオの体を包み柔軟な四肢はファットに向かい駆けていく。


「火を纏ったくらいで粋がるでない!叩き潰してくれる」


ファットが拳を握りその炎の獅子に向かい放った。


グラァーオン!!


拳が当たる瞬間、獅子の顔からギラリとした牙が垣間見えその拳を迎え打つ。


「ぐわぁーーーーーー!!」


悲鳴を挙げたのはファットだった。


見ると鋼鉄よりも硬いファットの手から肩にかけて一本の深い傷が入っていた。


その傷は野生の獣に鋭牙を立てられたような荒々しい傷だった。


「ふ、ふざけおってぇ!!たかが獅子・・・!!」


駆けて行った獅子を見たファットは言葉を止めた。


そこにいたのは以前の獅子ではない。


大地を踏みしめる四足はより強靭に、流炎を形どった羽衣を纏ったその体はより大きく。


その牙は鋼鉄をも砕く深紅の刃。


なびたてがみは深紅の中に黄金の毛が混じり恐怖さえ思わせる豪炎。


百獣の王はその姿を皇に近づけ悠然と相手を睨む。


そしてその獅子に跨っているのは”軍神”


軍神は腰に刀を差し右手には一本の槍、そして右腕には甲冑を思わせる鎧をつけていた。


切りつけた相手を見るその姿は一騎当千の将。


「「「さぁファット!ここからが本番だ!!」」」


3つの声が合わさり軍神は槍を構えた。


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