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第11話 ④

宙に浮いた太った男はソファの上でいびきをかきながら寝ていたがジェット機のエンジン音で飛び起きた。


「うおっふ!!なんだ?おぅやっときたのか機械人形・・・でもあれは違うほうだな」


男が体の向きを変えるとソファが今度はベットになった。


「はよう倒せーー。ほれっそこじゃ!なぜ行かぬ?じれったいのー、余がいかねばならぬだろうがーー」


「それは困るな」


突然自分以外の声が聞こえた男はびっくりして声のしたほうを見た。


そこにはボロボロの布を頭から被った人らしき姿があった。声は低く男のようだった


「そちは誰じゃ!!」


「なぁに、あいつの知り合いさ」


「余になんのようじゃ!!」


「お前を倒しに来た」


すると顔を隠した男が布の中から日本刀を思わせる剣をとりだした。


「ひぃ!曲者じゃ!!だれかおらぬか!!」


「だれもいねぇよ。とっとと切られな!」


男が日本刀を振ると太った男が寝ていたベットが両断された。


「ちっ!」


「お主にかまってられぬ!余は帰る!」


「待ちやがれ!!うぉっ!」


太った男が投げた菓子袋によって一瞬視界が奪われた男が見ると太った男の姿はもうなかった。


「逃げたか・・・。もう2つあったんだが消えたか。それにしても・・・」


布の男が見た先にはヘルメスが怪物の周りをぐるぐる旋回していた。


「まだ直ってねぇのかよ・・・仕方ねぇ。“レオーーーーーー!!!”」


布の男の叫びを聞き取ったのか火星では一頭の獣が目を覚ました。ゆっくりと動くそれは獣の頂点を思わせた。やがて1つ吠えた獣は地球に向かって飛び立ち2つの星の距離を一瞬で詰めた。


大気圏で獣が見た地表には2つの頭をもった怪物が我が物顔で町を壊している姿だった。


ヘルメスと刀耶は宇宙から来るそれをじっと眺めていた。


「なんだあれ?」


「UFO?」


相変わらずとぼけた回答をするヘルメスは一瞬怪物を捕まえなくていいことに安心していた。


「だぁれがUFOだ!!お前まだ犬が恐ぇのか!!」


突然ヘルメスに通信が入った。


「えっ誰?」


刀耶は突然の声に驚いたがヘルメスは違った。


「えぇーーー・・・お前かよ・・・」


「せっかく助けに来たってのにその言いぐさはなんだ!しょうがねぇから俺がやっとく!邪魔すんなよ」


「へいへい・・・」


ヘルメスは半ばあきれたように話した。


空から現れたのは赤い獅子だった。(たてがみ)(なび)かせて走ってくる姿は百獣の王という言葉がぴったりだった。獅子はヘルメスを素通りし2頭の怪物にむかった。


「バウバウバウ!!!」「キュエーーーー!!!」


怪物もそれに気づき威嚇をするが獅子は止まらない。


獅子が地面に立つと周りの景色をゆっくりと眺めた。その王者の余裕とも見れた行為は怪物は怒りを誘発し、一直線に獅子に向かわせた。


獅子はそれを見るとゆっくり右前脚を上げ軽く振った。すると怪物はわけのわからない力によって地面に叩きつけられ情けない声をあげた。


「レオ、そこではやるな、上でやれ。」


「わかっている・・・」


最初に聞こえたのはヘルメスと話した声だが2つ目の声は聞いたことがない。どこか威厳に溢れ、ゆっくりとした声は渋く空間に響く。


獅子はゆっくりと怪物に近づきそれを見下ろすと犬の頭は完全に怯え震えていた。しかし突然鳥の頭が獅子にむかって(くちばし)を伸ばした。


獅子は慌てることもなくもう一度右前脚をあげ鳥の頭を地面に押さえつけた。


「ギュエ・・・・」


押さえつけられた鳥の頭が二度と起き上がることはなかった。


獅子はそのまま犬の首を噛み体を持ち上げた。まるで生まれたばかりの子犬のような怪物は為されるがままだった。


そのまま獅子が鬣を優雅に揺らし首を回すと怪物の姿は遥か上空にあった。


「ガゥオォーーーーーーーーー!!!」


大地に響くその声は百獣の王の雄たけびだった。獅子の口からはその音を具現化したような光が発せられ怪物を包んでいった。


光が消えた後には怪物の姿はもうなく青く透き通った空が広がっていた。


獅子はそれを見ると正面を見据え、雄々しく立ち尽くしている。


そこに遅れてやってきたガイアと烈が現れた。


「これは・・・」


「すげぇ・・・」


獅子を下から眺めた2人は、その姿に呆気に取られていた。


「兄さーーーん」


そこにヘルメスが合流した。


「ヘルメス、この獅子は・・・?」


「あいつだよ・・・」


ガイアの問いにヘルメスは少し不機嫌に答えた。


「あいつ?」


烈が不思議そうな顔をすると空からボロボロの布を被った男らしきものが獅子の上へと着地した。


「すまねぇ。遅くなっちまった!」


ガイアはその声に聞き覚えがあった。


そう3番目の兄弟だ。


「アレス!!」


男はボロボロの布をはぎ取った。その下から現れたのは獅子を(かたど)った戦士だった。頭は鬣を思わせる長い髪。胸には赤い宝石が光り、四肢は強靭な獅子を思わせるパワードスーツに全身を包まれた深紅の戦士だった。


「おぅ!助けに来たぜ兄貴!!」



次回予告

アレス:よし、決まった!!

???:あれでよかったのかアレス・・・

アレス:もちろんだレオ!!

レオ?:では私は帰らせてもらうぞ・・

アレス:待てよ!これから本番なんだよ!

レオ?:儂も年だ・・・

アレス:何言ってんだよ年同じだろ?

レオ?:馬鹿言うな。お主より前からおるわ。お前が体を押し付けただけだ。では帰るぞ

アレス:待てってレオ!!やばいもう締めねぇと!次回「星の意思」。レオ!マタタビやるから!!

レオ?:儂は猫ではない!!


これからは更新がゆっくりになると思います。

頑張って更新しようと思いますのでよろしくお願いいたします。

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