表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/60

第0話 ②

この作品は私が子供のころ見た勇者シリーズをもとに書いた作品です。

私にとってロボットとは心を熱くさせてくれるものでした。変形、合体・・・男のロマンですよね。

私は絵が下手なので文章でしか表現できませんでした。

これがきっかけでまたロボットアニメ市場が盛り上がればいいなと思いこつこつと書いていこうと思います。

どうぞお付き合いください。

話数は大体50話くらいになります。

その後ガイアに弟ができた。


「博士!遊びにいきましょう!!」


「いくいくー!」


「わかったわかった。今日は3人でピクニックな!



そして兄弟が3人になった。


「博士、大変だ!!」


「これくらいどうってことない……」


「どうしたんだこの傷!!」


「犬に喧嘩売ったんだよー」


「三人とも泥だらけじゃないか!?早くお風呂行ってきなさい。その後でお説教と修理だ!」



4人、5人と増え、


「博士!」


「どうした!」


「この2人どっちがどっちでしたっけ?!」


「兄さんこっちがおにいちゃんだよー!」


「違うよ兄貴!こっちだよ!」


「双子は似てるものなの!こっちがおにいちゃんです!」


「「違います博士……」」



そして6人兄弟になった。


「よし!これで我が家は完成だ!!」


「「「「「やったー!」」」」」


「アノ……ワタシハ?」


「君は私の息子だよ。そしてこの5人が君のお兄ちゃんたちだ」


「「「「「よろしく!!」」」」」


「ヨロシクオネガイシマス、ニイサン」


「君の名前はね……」


「もったいぶらいないでください博士!」


「ハルト、ハルトだ!」


「ハルト……」


-----------------------------------------------------------


7人家族になって5年経った。結城は田舎で自分の研究室をもち、その隣に自分の家を建てていた。


そして今日も6人の兄弟とともにテレビを見ていた。


「最近争いが絶えませんね博士……」


テレビで流れている紛争の映像を見てガイアが言った。


「そうだな……」


結城がガイアの隣で言った。


自分の研究所を持った理由というのはガイアたちの為だった。


研究所に勤めていた時、不覚にもガイアたちのデータが外部に流出してしまい、そのせいで戦争に知能を持った兵器が投入されてしまった。それによって戦争のレベルが3つ上がったという。


結城はこれ以上の流出を恐れ、田舎で細々と残りの人生を暮らしていこうと考えていた。


「そういえば博士―、あれはいつ見せてくれるのー?」


次男が言った。あれというのは結城が兄弟達の為に作ったあるものの事だった。


「あれは本当に困ったときにだけ使うから今は見せられないんだよ」


結城が言うと今度は三男が口を開いた。


「でもさっ、何かわからなかったら使うにも使えないぜ?」


「大丈夫。一目でわかるようにしてあるから」


腕組みをして結城は嬉しそうに言った。


「「博士ぇ、散歩行こぉ!!」」


四男と五男が結城の後ろに立ち抱きしめた。


「ごめんな、最近外に出られなくて……。最近は物騒だからもう少し待ってくれな」


結城は体の向きを変え双子を抱きしめた。双子は互いに顔を見合わせ少し残念そうな顔をした。


「……」


「どうしたんだ?元気ないじゃないかハルト」


六男のハルトに結城が近づく。


「父さん、なんで僕だけ神様の名前じゃないんですか?」


ただ1人結城を父さんと呼ぶハルトはいつも同じ質問をする。ガイアを含め五人の兄は神の名前を付けていたがハルトだけは人間のような名前にしていた。


しかし、結城は聞かれるたびにたびに抱きしめながらこう言うのだった。


「もう少し大きくなったら教えてあげるよ」


「父さんはそればっかり……」


口を尖らせふてるハルトだったがいつも抱きしめられることを嬉しく思っていた。


「ハルトー!博士に抱きついてもらいたくってその質問してるでしょー!ズルいぞ!」


五人の兄弟たちは負けじと結城に抱きついてきた。硬い体がぶつかっているはずなのだが痛さなど感じなかった。


結城にとって幸せ以上のなにものでもなく、こんな日がずっと続けばいいと思っていた。


ピンポーン


玄関のチャイムが鳴った。


「誰だろう?みんなはここにいなさい」


そう言いながら玄関に向かうが、結城は内心はいつも不安だった。


チャイムが鳴るたびに、それが息子たちとの生活を終わらせる音でないことを必死に願って玄関に向かう。


今までそうではなかったが、いつ訪れるかわからない恐怖にいつも心臓を握りしめられる気持ちだった。


今日もなにもありませんように……、それだけを願ってドアを開けた。


「はーーい。シュ、シュバルツさん?!」


何年も見ていなかった顔だが、一瞬で思い出した男性の顔は前よりやつれていた。


「どのような御用でしょうか……」


恐る恐る聞く結城にシュバルツは鼻をフンと鳴らした。


「ミスター結城、久しぶりだね。どうだい、ロボットたちは?」


疲れたような笑顔で見てくるシュバルツに以前のような覇気はない。


「なんとかやってますよ……」


「そうか……今日は1つだけ伝えに来た。……私の国があなたのロボットを奪う計画を立てている」


衝撃を受けた結城の顔が引きつり、咄嗟に玄関に置いていた拳銃をシュバルツに向けた。


「それであなたが来たのか……」


震える手で拳銃を握る結城がシュバルツに問いかける。


「まあそう慌てるなミスター結城。私は君の件でとっくに国に捨てられている。嘘だと思うならいっそ撃ってくれて構わない」


シュバルツの瞳にまったく力がなく、話が本当であることをそれ以上聞くまでもなく語っていた。


「ふぅ……確かに伝えたよ。もう会うことはないだろう……グッバイミスター結城……」


「……待ってくれシュバルツ!」


ふり絞った笑顔で別れを告げたシュバルツに、結城は玄関から飛び出して聞いた。


「どうして……?」


「初めて呼び捨てで言ってくれたね……。理由は簡単さ、あなたたちを私以外に好きにされたくなかったから。ただそれだけさ」


背を向けて言うシュバルツはそのまま歩き続けた。


「ありがとうシュバルツ!」


「……まあ最初は国が守ってくれるさ、しかし長くはないぞ!宇宙でもどこでもロボットたちと旅立つがいい」


シュバルツは去っていった。これ以降彼とは会うことはなかった。


シュバルツが去ったあと、不意に結城は最悪の状況を想像してしまった。


自分が殺され息子たちが兵器として利用される……。


いつだって絶対にそんなことはさせないと心に誓っているがそろそろ限界みたいだ。ならば……。


握ったままの拳銃に目をやる。


ダメだ!!


持っていた拳銃を慌てて棚にしまうと、家に入りガイアたちが待つ部屋へ戻ろうとした。


「バランス悪いぞハルト!」


「僕じゃないよ!兄さんだよ!」


「博士に聞こえちゃうだろ!」


ドアからにぎやかな声が聞こえてくる。その声を聞いて博士は不思議と笑みがこぼれた。


それなら息子たちだけでも救ってやる!私はどうなっても構わない!!


ドアを勢いよく開けると6人の兄弟たちが組体操のピラミッドのように組み、耳をドアに近づけていた。


「「「「「「あっ・・・」」」」」」


「なにをしているのかなみんな?」


結城の笑顔で言うが兄弟たちは気まずそうにピラミッドを崩しその場に正座した。


「こ、これはですね博士……」


一番前に座ったガイアが結城の顔を窺うように言うと、結城は真剣な顔になる。兄弟たちは怒られると腹をくくったが。


「みんな、この世界について聞いてもらいたいことがあるんだ。それとみんなの武器だけど少しだけ説明してあげる。でも約束して欲しい。正義の為に使うと……」


兄弟たちは今の世界について結城から聞き、恐怖した。自分と同じような知性を持ったロボットによって行われていることは結城に教えてもらったことと正反対だったのだからだ。


次の日から兄弟たちは真剣に、しかし楽しく日々を過ごすようになった。その頃からだろうか、彼らは結城に甘えることが少なくなり彼らの真の心の成長を結城も感じ取っていたのは……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ