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怪奇探偵・藤宮ひとねの怪奇譚  作者: ナガカタサンゴウ
ワンシックスの吸血鬼
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類稀なる記憶力

「健斗! 大変だ!」

 チャット会話の翌日、学校帰りにひとねの部屋に寄ると同時に叫ばれた。てかようやく名前で呼んだな、こいつ。

 因みに俺の本名は土戸健斗だ

「……何が大変だって?」

「パソコンが壊れた!」

「……はあ」

 まあ微妙に大変だな、金かかるし。

「これでは金田さんと連絡が取れない」

 ああ、そっちか。全く問題無い話だ

「ひとね、携帯ある?」

「一応持ってはいるが……何故だ?」

「それでメールするんだよ」

「こっちにはアドレスを登録していない」

 ここで俺は少し頭の中を探る。……うん、やはり覚えてる。

「今から俺がアドレスを言うから」

「なるほど……え、覚えてるの」

「記憶力はいいんだよ、異常にね」

「異常、ね」

 何だ今のは偶然だろう、何が異常だ。を含めた言い方は

「本当だぞ」

「メールアドレスは今回簡単な物だったじゃないか、よく見ていれば私でも覚えていた」

 何だか腹が立つな、少し披露してやる

「じゃあお前金田さんからのメールの内容覚えてるのか?」

「概要はね」

「俺は覚えているぞ」

「へぇ、言ってみれば」

「よし」

 心の中で深呼吸……よし、出てきた。

「どうも始めましてシャーロックさん。金田です。

 私二丁目に住む大学生で……」

 長い前フリと本文を言い終わった所でひとねの口が開いている事に気づく。

 やばい、やり過ぎた。普段は気をつけていたというのに

 しかしひとねは圧倒されているわけでも無く拍手をした

「中々じゃないか」

「え、あ……うん」

 あれ? 引かれてない?

 不思議に思いながらも俺は話題を戻す

「とりあえず金田さんだ、結局どうなんだ?」

「そうね……まだ考えている途中」

 問題は家族にしか衝動が起きずに夜活発にならないこと……だったかな。

「全く……吸血鬼と確定出来ればすぐに終わるというのに」

 ひとねは爪を噛んで

「少し外に出よう、気を晴らしたい」

「ああ、いいよ」

 ひとねは立ち上がって数歩歩いて

「わっ!」

 こけてパソコンに突っ込んだ。

「大丈夫か?」

「……額が痛い」

 確かに赤い。てかまだちゃんと歩けて無いじゃないか

「お前そんなので外に出て大丈夫か?」

「大丈夫だよ、それに外に出なければ衰えはしなくとも感覚を忘れてしまう」

「そうか」

 ひとねは改めて立ち上がって

「それに、君がサポートしてくれるんだろう? お人好し君」

「……何だその呼び方」

 いや、助けるけどさ。

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