表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/74

依頼探しの図書館

「明日は図書館に寄ってから来ると言っていたね?」

 和菓子を食べ終わったひとねはパソコンを操作しながら俺に尋ねる。

「ん、そのつもりだけど」

「じゃあ、お使いを頼みたいんだ」

 ひとねが差し出してきた紙の束を受け取る。どうやら怪奇探偵のチラシのようだ。

「最近依頼が少なくてね……これを図書館の本とかに挟んできてくれ、もちろん怪奇現象についての本に、だ」

「図書館の本にモノを挟んじゃダメだろ……」

「いいから、行ってくるんだ。絶対だよ」

「はいはい……」

 全く、人使いの荒いやつだ。


 *


「ちゃんと挟んできたぞ」

 翌日。図書館の職員にバレないようにチラシを挟み地下図書館の奥、ひとねの部屋に入ると怪訝な顔をされた。

「依頼の為にチラシを渡したが、依頼人を連れてこいとは言っていないよ」

「……は?」

 ひとねの視線の先、後ろを見る。

「…………」

 誰もいない。

「何言ってんだよ」

「隠れているのはわかっているんだ」

 ひとねがそう言うと、本棚の影から人が出てきた。

 見た目からして恐らく中学生。ショートカットの黒髪に白くて細い身体、性別は……わからない。どっちだろうか。

「あらら、バレていましたか」

 舌を出した中学生を見て、ひとねは溜息をつく。

「健斗、君はつけられていた事にも気づかなかったのか……」

「うっせぇ」

「まあいい……ここは普通の学生が来るような所じゃない。 帰りの案内をしてやってくれ」

 ひとねが興味なさそうに言ってパソコンに向かう

「待ってください。ここは怪奇探偵の事務所ですよね」

「事務所?」

 聞くと中学生はポケットからチラシを取り出した。さっち俺が挟んできたチラシだ。

「……へえ、依頼者なんだね」

 ひとねがまたこっちを向く。

「じゃあ、話を聞こうか」

 頷いて中学生は口を開く

「友達の父親が飲むとおかしくなるそうなんです」

「飲むとおかしく……酔っているのだろう?」

 ひとねの冷静なツッコミに中学生は首を横に振る。

「そうじゃないんです。飲むと……妖怪になるんです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ