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解決の時間

 結論から言えば失敗だ。

 最初の方は成功していたのだが三両目辺りで先頭車両を見に行くと皆寝ていた。どうやら音に慣れてしまったらしい。

 八方塞がりである。ひとねの言った通り待つが吉か……しかし、俺も少し腹が減ってきた。

 何より一人で謎の電車というのは気味が悪い。

 とりあえず四両目、ひとねの横に座る。

 少しの沈黙……

 静寂に耐えきれなくなりスマートフォンを操作する。音楽を聞こう。

 再生ボタンと共に大音量が響き渡る。イヤホン差し込めて無かったか。

 周りの人が一瞬目を開けて、また閉じる。ひとねもまた

「う……ん」

 目を開けて……

「うるさいな、着いたのかい?」

 閉じる事なく俺を睨んだ。

「え? 寝てたんじゃ」

「私は暇だったから寝ただけだよ……それにしても」

 ひとねは周りを見渡す。

「まだ終わってないのか、君はそんなに力が弱いのかい?」

「終わってないって?」

「乗客を同時に起こす事だよ、君が忘れている筈無いだろう」

 いやいや

「俺も幾つか試したよ、でも皆起こすのは無理で……」

「君はこの六両に響き渡る音を出そうとしたのかい?」

「まあ、最初はそうだった」

「じゃあ君が試した方法を教えてくれないか」

 俺は試した方法を全てひとねに話した。

 ひとねは数回頷いて

「君は馬鹿か?」

 と、言い放った。

「何だよ、俺には専門知識無いんだよ」

 お前の常識は俺の常識じゃない可能性を考えろよ。

 ひとねは溜息をつく

「今回は専門知識なんていらない、人を一度に起こせばいいんだ」

「それが出来ないから困ってるんだろ」

 ひとねはまた溜息をつく

「君は本当に馬鹿だね」

「……なんだよ」

「わからないのかい?」

 ひとねはドヤ顔で俺に聞く。悔しいが……

「わからん」

 ひとねは立ち上がり、俺を指差して言った。

「簡単な事だよ、ワトソン君」

 誰がワトソンだ。

「乗客をこの車両に集めてしまえばいいのさ」

「…………」

 ……あ。

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