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4:授業参観

今回は長めに出来たかと思われます。

誤字などがありましたら、お知らせください。

最近、グダグダになってきたような気がしますが、なにか、アイデアや、アドバイスがありましたら、教えていただけると嬉しいです。

では、4話目をご覧ください

「自室にいつもいるのに……今日はここにいるのね」

……それは、理由を聞くように。邪魔者扱いするように。言い放つ。

「……気分転換に来ただけ……もう戻る………」

千夏は無表情に、そう言い、自室に戻った。


千夏は母が早く帰ってきたことに、疑問を浮かばせていた。

母は、いつも夜中まで帰らないのに。考えたが、結果さえも、出てこない。


「……勉強してたのね」

千夏の母、夏希はそうつぶやく。

夏希は、気持ちとは裏腹に、違う言葉がでてくる。それが、癖のように、自分にまとわりついていることを、夏希はひどく嫌っていた。

今回もまた、そうだった。

そして、今日、早く帰ってきたのは、少し気になることがあったからだ。

最近、家に人を招いている形跡があった。

完璧に隠しているが、完璧過ぎて、少し怪しい。普通なら、完璧ならあまり気にかけないだろう。

さすが、私の娘……と言うべきなんだろうか?

来た人が、男か女かがわからない。

さて……わからない以上、調べたくなるのが、私の仕事上の関係だ。ウソを付くやつは即滅殺ってね。まぁ、今回は違うだろうけど。

そうと決めたら、徹底的に調べる……のだが。

困った事に、千夏は私に心閉じている。いや、私だけじゃない。あらゆる人との交流避けている。

だから、人を招いているのは、少し嬉しい。話す人がいるのが……。

まず、どうするか考えなければ……

千夏は賢い。勘付かれない方法はあるだろうか……?

まぁ、早く帰るしかない……か……。

まぁ、私の手は空いてるし、少しならいいだろう。

どんな人物か、見物に行こうか……。



「おはよう」

そう話しかけてきたのは、和也だった。

「……」

千夏はそれを無視し、本を読む。

「あーあ、冷たいなぁ」

和也は、そういいながら、千夏の席の前に座る。

「……なに……」

迷惑そうに千夏は言う。

「え、なにその反応、やめてよ」

和也は苦笑いしながら、そう言った。

「……」

千夏は、和也を無視し、本を読み始め……撤回しよう。本を読んでいた。

「あーあ。無視ですか……」

いちいち五月蝿いな……千夏はそう思いながら、本を読む。

そんなことをしていると、先生が来た。

「おーい、全員席につけー」

先生はそう言いながら、教卓に向かう。

「あーあ、先生来ちゃった」

和也はそう言って、席に座る。

「じゃあ、配るもんあるから、くばるぞー」

先生はそう言いながら、持っている紙を配っていく。

その紙を見ると、

『授業参観のお知らせ』

と書いていた。

千夏は、くだらない……そう思っていた。

「へ~、おもしろそうだね」

和也は若干ニヤニヤしながら、そう言う。

「キモい……」

ボソッと千夏は言った。が、和也には聞こえたようで、

「キモいとは、おひどいねぇ」

と言ってきた。

「ふん……」

千夏は、そう言って、話を終わらせた。



家に帰ると、いつもと同じ香りに微妙に違う香りが混ざっていて、妙だと感じた。

そう、これは……母の香りだ。

いつも、帰りは、遅いのに。

千夏はそう思いながら、中に入って行くが、母の姿は何処にもない。家に帰ってきて、また行った、ということだろう。

なんのために?

……。

たまに、母はわからない、くだらない行動をする。

今回もくだらない行動だろう。

ほっておこう。

千夏はそう思いながら、宿題を終わらせた。


さて……授業参観か……ま、どうせ、来れないだろう、捨てておこう。

千夏はお知らせをぐちゃぐちゃに丸め、ゴミ箱へ入れた。



ガチャ

ドアの音が家じゅうに響く。

「……」

あたりは静かで、何も聞こえない。聞こえるのは外の雑音くらいだろう。

ここにいる、盛山夏希は、靴を脱ぎリビングへ入って行く。

「今日も遅くなっちゃった……」

夏希は不意にそうつぶやき、コップに水を入れる。

そして、それをゴクゴクと自分の喉を潤す。

そうして、ご飯、お風呂…と、テキパキと動き、時間は1:24に、なっていた。

仕事で疲れ、することもなくなったのに、眠る気になれない。

それが夏希の今の現状だった。

なにかないかと、辺りを見回すと、ゴミ箱に捨てられた、グチャグチャの1枚の紙。千夏が捨てただろうと思い、好奇心で開く。それは、

『授業参観のお知らせ』

と、記されていた。

「授業参観……」

ポツリと、夏希は静かに言う。

そして、考えが浮かんだ。

これを使えば。

そう思い、すぐさま、自分の携帯を手に取る。

そして、こう打った。

『悪いけど、来週、用事があって、1日休むわ。もちろんOKよね?じゃあ、そういうことだから、その日は任せたわ』

そうして、すぐに送信ボタンを押す。

「……楽しみだわ」

そう言って、ニヤリと笑った。



今日は、授業参観。

「今日、お母さん来るの?」

和也は千夏に聞いてくる。

「……見せてないから、来ないんじゃない」

少し間をおいて、千夏はそう返す。

「えー、どんな人か見たかったのにー」

ピクリと、和也のその言葉に反応する。

「………ずっと気になっていたことがあるの」

千夏は、和也を見据え、険しい顔でそう言った。

和也はニコニコと笑い、なに?と聞く。

「私に近づいてきた、目的は?」

その言葉で、和也の笑顔が動く。だが、すぐ戻り、またニコニコとして、

「言ったじゃーん。友達を増やすためだって」

と言うが、千夏はますます険しい顔をする。

「私は、本当(・・)の目的を聞いてるの。冗談はいいから、さっさと、教えて」

千夏は、そう言った。

最初から不自然だった。

・なぜ私に近づいたのか。

・なぜ秘密を隠し通さず、打ち明け、信頼を得ようとしてるのか。

そうして、疑問が浮かぶ。

私は友人という友人を作っていない。

友人というのは、1人作れば、10人は友人になれる。

友人の友人と、友人でつながっているからだ。

だが、私はそんなものはいない。つまり、無意味ということだ。

なのにこいつ、和也は私に近づいた。

それが一つ目の疑問だった。

そして、私に本性を出し、共有者になり、不自然を自然に変えた。

その理由が知りたかった。

「………」

さっきまで、ニコニコしていた和也から笑顔が消えた。

「へぇ……いつ気づいたの?」

和也からはいつもの笑顔ではなく、妖気な笑顔が発せられる。

千夏は動じず、冷静に言葉を発する。

「今さっきよ。私の母に会いたいと言ったとき」

そう言うと、和也は少し驚いたが、すぐに元の表情に戻り、予想通りの質問を返す。

「どういうこと?」

千夏は予想通りの質問に即答で、かつ早口で言葉を告げる。

「私は、母の話はしたことないし、普通、母の顔みたいなんて思わないし。興味を持つ点がない」

かすかに勝ち誇った顔で、千夏はそう言った。

和也のほうは、前の妖気な笑顔から、ニヤニヤとした顔になっていた。

「うん、やっぱりおもしろいね。でも、それだけじゃ真相にはたどり着けないんじゃない?」

千夏は、それも予想していたかのように、かすかに笑い、

「最初、私に秘密もってる、って言ったのも加えると、だいたいつながるわ」

と言った。

和也は、ニヤニヤの顔でこう言う。

「そうだね……。授業参観終わったら、話してあげるよ……」


そうして、授業参観が始まる。







次話は、短くなるかと思われます。

また、遅くなるかもしれませんので、気長にお待ちいただけると嬉しいです。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。次話でお会いしましょう。

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