はじめまして人間界
転移で人間界に飛んだ。
山奥を指定して飛んだから山奥だ。
その辺の木の葉でこの世界の身分証を作り出す。
元のこの世界の身分証は天の声さんが教えてくれて完璧に作れた。
『ルルシア村のタナトスちゃん、姫騎士ね』
よし、山から降りよう。
幸いにも整備された山だったので下山はスムーズに行った。
結果、ルルシア村に着いた。
天の声さん曰く、人口が多い村で顔見知りが居なくてもそうそう村出身じゃないことはばれやしないらしい。
よし。
『バレる前に村から出るのですか?』
うん、関所を通って隣町に移るよ。
『その後は何を?』
人助けに決まってるじゃん。
どうせ大好きなタナトスのロールプレイするなら、人助けしまくるに決まってる。
お金は余ってるしね。
無事関所を通って、通行費金貨一枚を払った。
そして宿を確保、一週間のお泊まりで金貨一枚という破格の宿だが、ベッドとトイレはあるがお風呂はない。
お風呂は公衆浴場で入ろう。こちらも一週間パスポートを買えば金貨一枚。
食べ物はその辺で適当に食べられるらしい。こちらは銅貨で足りるので、お釣りが大量に帰ってきた。これからはこのお釣りで食べ物を買おう。
そして冒険者ギルドに寄った。冒険者登録をすれば関所での通行料が免除され、さらに困った人を助かるための依頼をこなせると天の声さんに言われたから。
「ということで、ここを拠点に一週間滞在することにしたわけだけど」
冒険者登録もして、無事姫騎士のタナトスちゃんはFランク冒険者になった。
色々あって大変だったので、一日寝てから朝早くに冒険者ギルドに来てクエストを選んでるんだけど。
「どれがいいのかな」
やっぱりこのSSSランクの依頼がいいか。
やってくれる人がいなくて困ってるらしいし、ギルドのクエストはランクに関係なく受けられるし。
そして私がSSSランクの依頼、廃炭鉱に住み着いた竜を倒して!を手に取ったら声をかけられた。
ちなみに廃炭鉱は元々もう何も取れないということで、竜ごとぶっ倒していいらしいので楽だ。
「ちょっと待った、お嬢さん」
「はい、なんでしょう」
一応男装の麗人っぽい見た目なんだが、確信を持ってお嬢さんと言われてしまった。
「見たところ初心者だろう」
「はい」
「そのクエストは辞めた方がいい。代わりに我々が行こう。我々はSランク冒険者だからな、なんとかなるかもしれない」
どうやら親切心から止めてくれてるっぽいことは伝わる。
彼の後ろの他のメンバーも心配そうにこちらを見る。
だが。
「私は強いので大丈夫ですよ」
「何を根拠にそんな自信を…」
「では、手合わせしてみますか?」
タナトスに変身した私なら、この人たちもコテンパンにできるだろう。
「…いいだろう、世間の厳しさを教えてやる」
ということで、この町の広場で手合わせすることになった。
「これは…驚いたな」
「ふふ、力は示せましたか?」
「ああ、君は姫騎士の名に相応しい騎士のようだ」
結果から言うと、彼らSランクパーティー全員をボコボコにした。
さすがタナトスの力、恐ろしい。
「今更だが、俺はSランクパーティー『ルーブルナ』のリーダー、クラウドだ」
「僕は魔法使いのメルセデス」
「私は僧侶のリリーよ」
男女混合パーティー、ルーブルナ。
剣士のクラウド、魔法使いのメルセデス、僧侶のリリー。
攻撃役兼タンク、後方攻撃担当、回復担当。
なるほど、いいパーティーだ。
「…あの、クラウドさん。私は姫騎士のタナトスです。よかったら私も仲間にしていただけませんか」
「え、ああ、いいが…え、逆にいいのか?俺たちがお荷物になってしまいそうだが」
「はい。その代わり、人助けのクエストを中心に受けたいのですが」
「それはこちらとしても願ったり叶ったりだ。Sランクパーティーだから、全員金ならあるからな。君もか?」
「Fランクの新人ですけど、お金があるのは、はい」
と言うことで、私は急遽ルーブルナの一員になった。
このパーティーは私を含めて全員お金持ちで力もあるので、困ってる人の依頼を中心に受けることになった。
何故Sランクパーティーだとお金持ちかと言うと、どうも力あるパーティーにはギルドからお給料も出るらしい。
特にSランクとなれば存在してるだけで相当お金が入ってくるらしい。
私はいらないけどね。
「じゃあ早速ドラゴン退治に行きますか」
「ああ」
ということで竜を退治に向かった。
「…ここなら人気もないし、対魔剣タナトスをぶっ飛ばせるね」
「ん?その剣にはなにか魔術でも施されているのか?」
「魔術ではなく、魔法ですよ」
「それはすごい」
「では行きます」
私は突然竜の前に出た。
パーティーメンバーは困惑して私を止めようとするが、時すでに遅し。
竜と睨み合い、私は対魔剣タナトスを抜刀した。
「タナトス、私と同じ名を冠する剣よ。その力を今示せ。対魔剣、抜刀。タナトス!!!」
廃炭鉱ごと、ドラゴンが消滅した。
「よし、依頼完了!」
「「「…なんじゃそりゃー!??」」」
ということで、依頼完了です。
その後ギルドでクエスト達成報酬を受け取り、依頼主からもお礼を言われ、宿に戻った。
ちょうど『ルーブルナ』のメンバーたちも同じ宿、同じ公衆浴場を使っているらしく交流を深められた。
私はルーブルナのメンバーとして、これから立派にやっていこうと思う。




