生命の樹
創世記、第1章28節
“産めよ増えよ地に満ちよ、そしてそれを征服せよ。
また、海の魚を、空の鳥を、地の上を這っている生き物を支配せよ”
こうして産まれたティアマトの遺伝子を元に、7名のアヌンナキ女性の子宮を借りる形で7名の女の子が産まれた。
それにより男女計14人のルルアメルが誕生した。
ラボの周囲には厳重なセキュリティのもとシールドが張られ、14人の原初の男女は放たれ、観察とともに研究された。
アダムとティアマトは、第一号プロトタイプとして、特別にエデンの庭にドーム状のシールドが張られ、住まわされることとなった。
アダムとティアマトには、シールドの近くに行くと危険で近寄らないようにと教えた。
アヌンナキたちやイギギたちは、遠路はるばるエデンに押し寄せるようにやってくるとそれはもう物珍しげにルル・アメルである2人を見物した。
エンキの長男のマルドゥクまでもが、火星からわざわざ訪れた。
アダムとティアマトは、例え今の人類ほどの知能を持っていようとも、1※ドーム越しから見学、研究されてる等とはつゆほども気付くことは出来なかった。
ついにエンリルも、ニンニルとニヌルタと共にエデンにやってきた。
プロジェクトに反対していたエンリルだが、アダムとティアマトの2人を見ると、感嘆し、プロジェクトチームが成し遂げた所業を素直に褒め称えた。
「敬愛なる兄エンキと妹のニンマー、そしてニンギシュジッダ、プロジェクトチームの諸君、よくぞやってくれた。 君たちの成し遂げた偉業によって、ルル・アメルプロジェクトは成功したといえる。君たちのおかげで我々は、ニビルは救われるであろう。 よって皆に、栄誉の勲章を授ける」
こうしてひとまずひと段落ついたように思えたが、波乱は生まれるのはまだまだこれからであった。
エンキは一息つくために自分の屋敷に戻った。
ニンマーとニンギシュジッダは、さらに研究を続けるためにラボへ戻ることにした。
時が流れ研究は進んだ。
ドームの中で放し飼いにされていた14名はすくすくと子を産めるであろう年齢までに成長した。
まだかまだかと、子作りを始めないかと固唾を飲んで見守られていたが、一向に交尾を行う様子がなかった。
様子がおかしいと判断したニンマーとニンギシュジッタはエンキに報告した。
ニンギシュジッタは、アダムとティアマト、そしてら14名のルルアメルは生殖機能を持たないと判断した。
結果、繁殖することが出来ず、本来の目的である労働者の確保には至らなかった。
知らせを受け取ったエンキは、ラボへ急いだ。
…確かにだ。
違和感がエンキを襲った。
あれだけ成熟した若者が交尾をしない。
ましてやお互い性的に意識した様子もない。
さらには容姿以外に男女の違いすらないように思えた。
エンキは、メーを活用し、DNAを確認した。
メーで確認しただけでは欠陥が見つけられなかった。
理解が足りない。
そう感じたエンキは、アヌンナキのDNA、ルルアメルのDNAを徹底的に、比較、解読、理解する必要があり、遺伝子工学の研究においては、エンキよりも優れていたニンマーに協力を仰いだ。
エンキとニンマー、ニンギシュジッタはルルアメルの2※DNAを徹底的に解析した。
最初の人の核ゲノムは、約30億個ある塩基対の細胞核内に、44本の染色体を持つ、2対が蛇のように絡まり合う22組の染色体から構成されていた。
この22組の染色体は非性染色体であり、肝心の生殖機能に関する染色体が欠けていることを突き止めた。
「これが原因か…。私たちと比べると、染色体が2本が欠けている」
ニンギシュジッタがメーを覗き込みながら言った。
ニンマーも同じく欠陥に気付いた。
確かに足りない。
性を司る重要な、染色体が…。
3人は打開策を話し合った。
答えは割とすぐに導き出された。
実験とは挑戦がつきものとされるが、プロジェクトを成功に導く義務がある、そしてここに来るまでに出した多大な労力を思い返すとある程度の犠牲に抵抗がなくなる程度には感覚も麻痺していた。
行き着いた答え、それは自身らの助骨の一部を取り、骨髄移植によって足りない染色体を補填すると話はまとまった。
ニンギシュジッダはエンキ、ニンマー、アダム、ティアマト、それぞれにトゥルバのエリクサーを飲ませ、麻酔をかけた。エンキの助骨からはアダムに、ニンマーの助骨からはティアマトへと移植された。
「無事成功しましたよ。 後は結果に期待しましょう」
ニンギシュジッダは、麻酔から覚めたエンキとニンマーに告げた。
こうして彼らは、自身の生殖DNAをルルアメルに移植し、性染色体を加えた。
そして試行錯誤の末、男性がXY、女性がXXの組み合わせを持つ 23本、計46本からなる、今の地球上の生物と4※繋がるDNAを持つ生物が誕生したのだった。
1※ この技術は現代の地球でも採用されているとされ、地球全体を覆うようにシールドが張られ、宇宙空間に到達しシールドを越えられないように、アストラル体である天使、もしくは姿を変えた高位な生命体が監視しているとされる。実際ロシアの宇宙飛行士が光る天使のような者に遭遇し、警告を受けたとの証言もある。監視する眼をプロヴィデンス、ウアジャトの目、ホルスの目、全知全能の目と表現したり、時に監視者は、雲に形を擬態したように観察しに来る場合もあり、時にはアバターを使いUFOに乗りやってくる者や、ドローンを使い直接的に観察しに来る者もいる。あくまでもそういう話しがあるという紹介である為、信じるか信じないかはあなた次第です。
2※ DNAは”生命の樹”とされ染色糸のことである。細胞核の中に染色糸があり、それが細胞分裂の際に染色体となる。染色体はDNAとタンパク質の結合物であり22本の枝のように見えることから名付けられた。生命の樹とは、セフィロトであり、カバラである。マルクトからケセドまでの7個のセフィロト、6本のパス、合わせて13の段階を経ることにより、知識の門の前に達することから13は神聖数字とされる。
3※ 聖書のアダムは“赤い土”や“人間”、“血”を意味する。これは、人とアヌンナキの遺伝子が混ぜられたことを意味する。ニンマー、後のニンフルサグはニンティとも呼ばれ、シュメール語の“ティ”は“生命”と“肋骨の意味であり、アダムの肋骨からイブが創られたことに対応する。後に崇拝の事をAVODと呼ぶようになったがこれは元々仕事という意味であり、神を礼拝するのではなく、要は人類は神の労働力であるという意味である。
4※ つまりY染色体はエンキ、X染色体はニンマーが由来となる。




