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水星霊達の旅路

作者:愚畜
 おむすびが転がり落ちた穴。時計兎の駆ける先、鏡の面に暗い洞窟や樹のウロ、影の中。
そして、ある林の、ある池にも、異界が広がっている。

 水の異界には水の精霊や多くの魚、魚人が住む。
 ある村に住む半魚人のアドゥジャ・アォリは、水上に興味を持つ変わり者だった。

 近いうちに旅立とうとしていた日、水の精霊や村の者がいなくなる。
 警戒状態の村から脱出する抜け道を見つけた時、いなくなった者達を探すため、そして水上を冒険するため、旅立ちを決め、自ら生け捕りにして蓄えていた食料を背負い、苔の道を踏み出した。

 それは、精霊と共に世界を巡る、長い旅路。
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