スカート捲り
スカート捲りはいつまで許容されるだろう。
というか、まあスカート捲りという行為自体が犯罪行為で、許されているものではないのだが。
ただ、いつまでと言うのであれば、14歳未満まではどうやらスカート捲りは法的に罰せられないらしいが、まあ、刑事処分されあいというだけで、所謂、少年法の話になる訳だが。
別にそういう話をしたい訳じゃない。
そんな小難しい法律の問題じゃなく、これは倫理の問題であり、道徳の問題であるのだ。もしくは、保険体育の話かもしれない。
実際、過去にスカート捲りをした時は、小学校は笑って済まされていた。少しませた子であれば、多少嫌がる素振りを見せていた。
ただ、やっぱり、中学になってくると、男子も女子も思春期へと誰もが突入して行く。流石に嫌がる女子がほとんどだった。
やりすぎて、生徒指導室によく連れていかれたものである。
「模様が! スカートの中のパンツの模様が気になるんです!」
大目玉だった。
まあ、男子からは影でヒーロー扱いされたが、女子からは、お察しである。
この大事な時期に女子から嫌われるというのは堪えたが、自分のこのアブノーマルな嗜好は誰にも、自分でさえも止められなかった。
ただ、毎度、毎度、先生に呼び出しをくらうのが面倒になった時に思った。
どうして、皆はスカートを捲られるのが嫌なのだろうかと。
そして、簡単な結論に辿り着いた。
男子に見られるのが嫌なのだ。
思春期に突入した彼女たちは、男子に見られるのが酷く恥ずかしいのだ。
それはそうだ。風呂に入るときにパンツを見せる事を躊躇する人はいない。脱ぐ時、つまり、パンツを見せる時、それは常に男の視線が無い時であるという事に気付いた。
要はスカート捲りを誰にも怒られずに実行するには、男子がいない場所へ行けばいい。ということで――私は女子高に入学した。
そこはまさに聖地であり、エデンであり、桃源郷であった。
夢が叶う場所。
千葉の夢の国よりも、ずっと夢の世界、ユートピアであった。
まず手始めにクラス内の女子から捲ってみると、共学であった中学と全然反応が違う。ゲラゲラ笑いながら捲り返してくる子もいるくらいだ。
味を占めた私は、次々に捲っていった。それはもう無差別に。先輩のパンツ、同期のパンツ、ギャルのパンツ、優等生のパンツ、スポーツ女子のパンツ、ありとあらゆる女子のパンツを、パンツの模様を網羅していった。
二年になった現在、「めくりちゃん」という愛称で呼ばれ、校内一の有名人となっていた。
そして、最近あらたな発見をしたのは、男性職員が悪ノリで履いたスカートを捲った時もどうやら私は興奮するようであった。
このアブノーマルな私の熱意は――
スカート捲りはいつまで許容されるのだろうか。