転生先は女性だらけ?
異世界転生というものは最近よく聞く。だがまさか本当にあるとは思ってもいなかった。とある学校で毎日のようにいじめられていた俺はあることをきっかけに亡くなった。その辺のことはあまりよく覚えてはいないが。そして次に目覚めた時はエルフのいるThe!異世界!という訳でもない元いた世界と変わらないものだった。ただおかしいのは自分は生前の姿のままだということだ。生まれ変わりなら赤子の姿であるのが正しいはずであるだろう。しかしながら自分は学生時代のままなのである。そしてもうひとつおかしいことがある。全く知らない場所なのだ。そこでは人が多く賑わっているし、言語は日本語である。俺は普段から日本の名所を調べ尽くしており、知らないところなどないと思っていた。しかしながら見たことがない場所なのである。周りの人に話しかける自信もなく、ただ途方もなく歩き続ける。一体ここはどこなのだろう。事件もなければ喧嘩もない平和な場所なのだ。ただ多くの人が行き交うだけの普通の観光名所。そんな中俺はひとつ気になることがあった。
男少なくね?
さっきから女ばっかりなんだけど。子どもも大人も女ばっかり。ばっかりてか男一人も見てねえなそういえば。あとさっきから視線すげえし。そして怖くなり裏路地に逃げるとある張り紙があった。
基本的にはどれも求人募集のようなものばかり。よくあるものだろう。
傍に新聞が捨ててある。日付を見て驚いてしまった。
「3158年1月18日」
元いた世界は2025年。
実に1133年の月日が流れているのである。
ミスプリントか?と思っていた時である。ある声が聞こえた。
「……ァ……ァ」
一体どこから聞こえているのだろう。俺は当たりを見回したが誰もいない。ただ人が歩いているだけ。とりあえずここがどこなのか。何年何月何日なのかを知るために交番を探した。