03
シャレムさんが、大きな紙をテーブルに広げた。
五つの大陸が描かれた地図。
大きな四つの大陸。
その大陸と比にならないくらいに小さな大陸が、四つの大陸の真ん中にポツン。
「まず、我らの国は此処。」
指で指したのは、四つの大陸の内、一番大きな大陸。
「ヴェリッシモ大陸。この大陸には3つの国が存在する。」
皇太子が説明をしてくれる。
ヴェリッシモ大陸に在る国は3つ。
ディルアス・ティーマ帝国。
アラドマ王国。
ハグリティー公国。
ヴェリッシモ大陸の隣の大陸は、2つの国が存在するトロティアルス大陸。
メフィヴァル皇国。
セスシリア国。
その下の大陸、アバンジャス大陸には2つの国。
アッセド・グラッキュール共和国。
ボルカナ公国。
ヴェリッシモ大陸の下の大陸、ミミラス大陸には1つの国。
アバスティナ・セルヴィナ帝王国。
全部で8国。
真ん中の大陸は、デルーブロ大陸。
他の大陸と比べるとかなり小さいから、島と称しても問題なさそうだけど、皇太子が言うには…。
「このデルーブロ大陸には、古の神々が封じられていると言われている。」
「神?」
「…封じられている神は8柱。【月神】【宵神】【暁神】【水神】【火神】【風神】【地神】【星神】。今は、そうでもないが、神々が居なくなった事により、世界の生活基盤は崩れ去り、均衡が崩れた。」
む、難しいな…。
「…神々が封じられた理由は諸説在る。ある者は【全知全能の神に背いた】。ある者は【暗黒神により封じられた】。」
暗黒神?
その言葉を聞いた瞬間、頭の奥がツキリと痛んだ。
「一番の有力説は【暗黒神から逃れる為、自ら眠りに就いた】。」
また、頭痛が…。
う、吐き気も…。
「その、根拠は…?」
「君だ。」
と、指差されましてもさっぱり意味が解りません。
その神様と俺と何の関係が在る訳?
「神々は、その魂を異世界へと飛ばした。魂は【鍵】となって生きている…と言うのが、私の中で一番の有力説かな?現に、君が異世界から召喚された。」
あ、そう言えば、魔術団がどうの〜とか、召喚がどうの〜とか言ってたな…。
しかし、目眩までしてきて…大分辛い…。
「それで…」
「あ、セイ様!?」
俺、意識ブラックアウト。
シャレムさんの悲鳴のような声を最後に、俺の体はソファーに沈み込んでしまった。