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天使アーリンとの再会 その1

レクイルがクラスチェンジしたことで、戦闘力アップした俺達のパ-ティーは森の周辺部で順調に狩りを続けていた。

レクイルが新たに覚えた祈願魔法のサモンワイルドウルフはかなり使い勝手が良い。召喚した二頭の狼に命じると、敏感な狼の嗅覚と聴覚を使って広範囲を走り回り魔物を探してくれる。

彼らのおかげで俺達は魔物の奇襲を恐れずに、効率よく狩りを進めることができる。


今、狼たちが足止めしていたのは、デビルシープだ。

悪魔が笑っているような不気味な顔を持ち、長くカールした真っ黒な体毛で全身を覆った魔物は、羊と言うには大きすぎて、体高は軽く3メートルを超えている。

黒い体毛は柔らかそうな見た目に反して、高い防御力と魔法耐性を両立している。

ダガーや狼の牙などの物理攻撃は厚い体毛を突破できないし、並みの魔法は弾かれてしまう。


さらに額から突き出た短い角から電撃の魔法を使用してくるが、これがスノウのビリビリ電撃と同じくらいの威力があるのだ。

電撃を使える魔物ということは、当然雷に対して耐性を持っているということ。

セフィアルとスノウのコンビでの電撃攻撃は通じない。


自然と攻撃の主体は俺とユーディットになる。


「エア・トルネード」

ユーディットの魔法は竜巻を魔物の足元から呼び起こして吹き上げようとするが、高い魔法防御と巨体に阻まれてビクともしない。


「くッ、やっぱり第二階梯の魔法じゃ通用しないみたいね。だったらこれはどう、ゲイル・スマッシャー!」

強力な風の塊が拳のようになって、魔物を殴りつける。

これにはデビルシープも耐えられずに横倒しに地面に叩きつけられる。


「やったわ・・・って、ヒャアッ!」

倒れたデビルシープは素早く起き上がり、お返しとばかりに電撃を打ち込んでくる。

ユーディットは慌てて避けると、コラ、こっちに逃げてくるんじゃない、俺の背後に隠れてプロテクション・スフィアを盾にしようとする。

おかげで魔物のターゲットは俺に変更された。追加の電撃が俺を直撃するが、プロテクション・スフィアはビクともしない。


今度は俺がフォトンブラストをお見舞いするが、魔物の体をグラつかせただけ。威力アップしたフォトンブラストにも耐えるとは、かなりの魔法防御力を持っているようだ。

だが魔物が動きを止めた瞬間を狙ってセフィアルがウルフストライクで攻撃、敵の角を切り落とすことに成功した。


「グメェェェェ!」

痛みと怒りで奇声を上げながら、デビルシープはこちらに突進して来る。


「流星砲!」

ダークマターの力を上乗せしたコメット・ストライクは、魔法の砲弾は大きくなり弾速もアップ、向かってきたデビルシープを軽く吹き飛ばした。


「驚いたわ、あんな魔法もあるのね。」

初めてコメット・ストライクを見たユーディットは、その破壊力に眼を丸くしている。

元から威力超過気味だったコメット・ストライクだが、ダークマターの力が付与されたことでさらに破壊力アップしたようだ。


周辺部に進出して数日、狩りにも慣れてきた俺達は、その日の夕食を銀狼族の里でご馳走になった。

セフィアルとレクイルは、久しぶりに里に泊まりたいというので残して帰ろうとすると、何故かユーディットもチャッカリと一緒に泊まることになっていた。

スノウは俺と来たかったようだが、銀狼族の人達が離してくれなかった。


結局、一人で帰ることとなった俺が、書庫までの道を一人で歩いていると

「やっと見つけましたよ、タケル」

突然、森の木の陰から姿を現した何者かが、声をかけて来た。

青い光沢のある髪を腰まで伸ばし、長身でモデルのような細身の美女には見覚えがある。


「あんたは天使アーリン!今さら俺に何の用があるんだ。」

そう彼女は天使アーリン、俺がこの世界に来て最初に出会った人物だ。

確か異世界人の転移を監理しているとか言っていた。ステータスをINTインテリジェンスに全部振ってしまった俺に、呆れながらも少しだけ便宜を図ってくれた女性だ。


「タケル、残念ですが、天界からの指示によりあなたを拘束しなければならなくなりました。素直に私に従えば悪いようにはしません。」


「何だって?どうして俺が捕まらなくちゃならないんだよ」


「なぜメイガスを名乗ったりしたんです。」


「なぜって、それはあんた達が俺を変な所に飛ばしたのが原因だろ。あんたが俺を森の真ん中に飛ばしたりするから、俺は生き抜く為にメイガスにならざるを得なかったんだ。」


天使アーリンが俺を捕まえに来たのは、やはりエクレールから聞いた昔のメイガスと天界のいざこざが原因のようだ。当然今の俺には何の関係も無いし、そもそも俺がメイガスになった一番の理由は、天界の連中が俺を魔の森の真ん中に転移させたことにある。


「そ、それは・・・。それについてはこちらも善処しますので、ここは大人しく捕まりなさい。」

役所みたいなセリフだな、こういう場合は捕まったら最後、こちらの言い分は無視されるのがお決まりだ。


「俺は何も悪い事はしていないぞ。それに俺は今の生活に満足しているんだ。あんたについて行く理由はないな。」


「大人しく従わないというなら仕方ありません。怪我をさせたくはなかったのですが」



まとめきれませんでした。

2話構成になってしまいました。

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