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魔の森周辺部へ

天界やテスラ国で俺の事が話題となり、調査が始まっているとはつゆ知らず。

力を取り戻した俺は、ユーディットを加えたパーティーで魔物狩りに精を出していた。


周囲の木々を巻き込みながら、新たに一匹の巨大な魔物が力尽きて、横倒しになる。


「フウ、フウ、やりました。」

「ウォン、ウォン」

セフィアルとスノウがコンビでブルーバイパーを仕留めたのだ。

俺とユーディットは一切、手を貸していない。


「あなた達、凄いじゃない。」

「私達もタケルさんの眷属ですから、タケルさんが力を取り戻したのです。私達ももっと頑張らなくては。」

セフィアルは健気にも、俺に遅れまいと頑張ってくれている。


「ブルーバイパーも簡単に倒せるようになったし、俺達もかなりレベルアップしたな。」

ブラッドベアにさえ苦戦していた頃からは考えられない上達ぶりだろう。

とはいえ問題もある。この辺りの魔物を倒したのでは、経験値がほとんど入らなくなってしまったのだ。

これ以上ここで狩りを続けても得られるものは少ない。


「それなら思いきって、魔の森の周辺部に狩場を移すというのもアリじゃない。」

「周辺部?」

「あら、知らないの?ここ魔の森は大きく3つのエリアに分類されているのよ。最も強力な魔物が生息する中心部とそれを囲む周辺部、そして今私達がいる外縁部よ。」


ユーディットの説明によれば、魔の森では森の中心部に向かうにつれてより強力な魔物が生息しているとのこと。

これは森の中心が大陸の中心に位置しており、そこにある大陸最大と言われる巨大な龍脈からあふれる魔素を求めて、強い魔物が集まってきているからだそうだ。


メイガスの大書庫は森全体から見れば外縁部に属しており、そこにいる魔物は森の生態系では低位の魔物がほとんどだ。

もっとも低位といってもブラッドベアあたりでも人から見ればかなりの魔物、少なくとも並みの戦士クラスでは、一人で相対するレベルを超えている。

これまでタケル達は遠出の狩りでも森の外縁部を出たことはなかったが、ここに来て初めて周辺部に足を踏み入れることにした。


魔の森の周辺部に入った俺達は、森の空気が変わったことに気が付いた。

もちろんここからが周辺部というような明確なラインが引かれているわけではない。

だが漂う魔素が濃くなって、空気が重くなるような感じがする。

俺よりも敏感なセフィアルとレクイルはケモ耳がピンと立っているし、スノウも全身の毛を逆立ててグゥゥゥゥと唸っている。


「ここから先には私も入ったことはありません。里でも立ち入りは禁止にしています。」

「うう、お姉ちゃん、怖いのです。」

「確かに感じが違うわね。でもこのメンバーなら問題なく行動できるはずよ。」


しばらく進んでいると、周辺部での最初の魔物が現れた。


「フレイム・グリズリーです。私も見るのは初めてですが、父に話を聞いたことがあります。」

フレイム・グリズリーはベア系の魔物でブラッドベアよりも二回りは大きいが、問題は大きさではない。

あふれ出る魔素が魔物の全身を燃え上がるように際立たせているのだ。その威圧感はかなりのものだ。


魔物の強さは極論すれば、魔素量の大小で決まると言える。

自分を形作る軸となる魔石に、どれだけ多くの魔素を貯め込めるかが強さの鍵となる。

それゆえ魔物はより多くの魔素を求めて、龍脈のある森の中心へと魅かれることになる。

もともと魔の森は他よりもはるかに魔素の量の多い地域ではあるが、周辺部ともなればその量はさらに増えて魔物に大きな力を与えている。


「今度は私から行くわよ。エア・カッター」

小手調べとばかりに、ユーディットが先行して風の刃を複数枚、魔物にぶつけてみる。


「うそッ!全然効いてないの」

もっともエア・カッターは第一階梯、C2に進化しているといってもフレイム・グリズリー相手では威力不足、鋼のような赤い体毛に傷一つ付けることはできずにはじかれてしまう。


「行きます。」

ユーディットの魔法が弾かれたのを見て、セフィアルが飛び出した。

得意の高速移動でグリズリーの脇を駆け抜けると、すれ違いざまにウルフ・ストライクを叩き込むが、やはり固い体毛に阻まれてわずかに傷を与えただけだ。


ブルーバイパー級の魔物でも苦労なく倒せるまでになった俺達だが、周辺部の魔物は一味違うようだ。

とはいえここはまだ周辺部の入り口、ここで苦戦しているようでは先には進めない。


「セフィアル!」「ハイッ!」

俺の指示でセフィアルが素早く魔物との距離をとる。


「アイスバレット!」

ネビュラ・メイガスに覚醒した俺のアイスバレットにはダークマターの魔力が付与されており、黒い紋様が浮き出した氷の礫は、以前の魔法よりも格段に強化されている。

フレイム・グリズリーの固い表面を突き破ってズタズタにすると同時に敵を凍結化する。


そこにスノウの電撃を浴びたセフィアルが、ライトニングチャージの一撃をお見舞いする。

凍り付いて動きの鈍っているところに、電気を帯びたダガーを受けるとグリズリーは感電して絶命した。


フレイム・グリズリーを撃退したことで、久しぶりにレベルアップすることができた。

俺はレベル41に、セフィアルは35となった。


そしてレクイルのレベルは20に到達、初めてのクラスチェンジが可能になったのだった。

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