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二回目のクラスチェンジ

レベル40に到達した俺は、二回目のクラスチェンジが可能になった。

エクレールが「メイガスの大書庫」に眠るデータにアクセスして現在の俺が選べる様々な選択肢を提示してくれる。

此処にはかつてメイガスとして、タケルと同じように修練を積んだ者達がたどった軌跡が膨大な情報として保管されているのだ。


マスター・メイガスはアーク・メイガスからの上位進化クラス。

メイガスの王道ともいえる系統で、アーク・メイガス以上に強力な魔法を、自分のステータスや周囲の環境に合わせて自由に取得できる。

メイガスの最大の特徴の一つ、分野にとらわれず多様な魔法を自在に操るという目的に合致したクラスであり、最もメイガスらしいクラスといえるだろう。

実際、この書庫からも修練を終えた者の数多くがマスター・メイガスとして巣立っている。



スピリット・メイガスはマインド・メイガスからの発展形。

精神系魔法からさらに進化した、スピリット(霊魂)系の魔法を使用できる。

スピリット系魔法は非常に強力で、ギアス(誓約)やコントラクト(契約)などのように単に相手を操るだけでなく、より複雑な条件で束縛することも可能である。

俺がセフィアル、レクイルと結んだ眷属契約もこれを利用している。



他にもエレメンタル系から一つの要素に特化したファイアー・メイガス、アイス・メイガス。

召喚系魔法を扱うサモン・メイガスなど前回のクラスチェンジにはなかった様々な職業≪クラス≫が現れた。

レベル40という中堅レベルに達したことで、一度に選択肢が増えたようだ。


だけど俺が探しているのは、これらの職業ではない。

これらのクラスは一般のメイガスが選ぶ選択肢、|INT≪インテリジェンス≫に特化した俺には相応しくない。

リストを読み進めていくと・・・あった。

間違いない。これが俺が現在使用しているアステル(星間)系魔法をさらに進化させたクラス


ネビュラ(星雲)・メイガスだ。


○ネビュラ・メイガス

アステル(星間)・メイガスからの発展形。

修練の段階で、INTとMPを極限まで高めた者のみ習得可能な職業。

非常に強力なネビュラ(星雲)系のオリジナル・スペルを使用可能。


※注 オリジナル・スペルは莫大なMPを消費する為、成長過程で破綻の可能性あり。


「成長過程で破綻の可能性あり」とは、今回の注意書きはアステル・メイガスの時よりさらに過激だ。


「ありえません。

ただでさえ、アステル系のスペルは他系統のメイガスのスペルに比べて、数倍以上の魔力を消費するというのに、そこからさらに威力を上げてMP消費量を増やすなんて!

非常に危険です。場合によっては魔法そのものが使えなくなってしまうかもしれません。」

魔力大好きっ子のエクレールでさえ恐れを抱くほどの突出っぷり、やはりネビュラ・メイガスは生半可な存在ではないようだ。


確かにエクレールの言うことは正しい。いくら威力があろうとも実戦で使えなくては意味がない。

極端な話、一日一回しか魔法を使用できない魔術師に、いかほどの価値があるだろうか。

いや、それどころか消費MPを最大MPが超えてしまえば、魔法を使う事すらできなくなってしまう。


「タケルさん、考え直してください。今からルート変更してマスター・メイガスを選べば書庫に情報が沢山ありますので、私も十分にサポートできます。」


「すまんエクレール、俺はもう決めているんだ。何度も命を救われたアステル魔法に、続きがあるならそれを見て見たいんだ。」

前回のように限定セールに踊らされているわけではない。


コメット・ストライクが無ければ、アント族を討伐することはできなかっただろう。

メテオ・サークルが無ければ、オーガには勝てなかったかもしれない。

グラビティ・コントロールのおかげで、銀狼族の里を救うことができた。


俺は知りたくなったのだ、巨大な威力を持つアステル(星間)系魔法のその先を。


「もう!どうなっても知りませんよ。」


エクレールが俺のためを思って再三忠告してくれたのにもかかわらず、俺は選んでしまった。

ネビュラ・メイガスを。


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