星系魔法第二号
結局、クーリングオフはできませんでした。
一旦習得した魔法を消すのは身体、特に脳に大きな負担がかかるとのこと。
「魔力飽和状態に達した者ならともかく、タケルさんはまだまだ成長途中です。
この魔法はとりあえずお蔵入りにして、どんどん新しい魔法を覚えていきましょう。」
エクレールは、簡単に言うが、コメット・ストライクに大枚をつぎ込んだ俺としてはガックリである。
ちなみに魔力飽和とは、これ以上いくら経験を積んでも魔力が伸びない状態に達した者のことである。
個人の資質によっても大きく異なるが、魔力飽和に達した者は新しい魔法を覚えることはできない。
それゆえに新しい魔法を覚えるには、以前に覚えた魔法を消去して、新しい魔法を追加するしかない。
習得できる呪文の数はMPの量に比例するので、魔力の多い者ほど多くの魔法を覚えることができる。
コメット・ストライクに稼ぎのほとんどをつぎ込んでしまったので、すぐに新しい魔法書は買えない。
しばらくは、地道にポイントを稼ぐしかないだろう。
俺はクラスチェンジ前と変わらない手持ちの呪文で、狩猟を続けた。
とはいえ変わったこともある、クラスチェンジした時にC2へと強化された呪文たちだ。
特に主力としてきたフォトン・ブラストは、起動時の光球の数が3から6個に倍増した。
光球一つ一つの大きさも一回り大きくなり、威力もアップしたので、これからも活躍してくれるだろう。
ただし消費MPが120から380へとこれも大幅アップした。
消費MPが多いのは、メイガスの宿命である。
しばしの間、地道な狩りを続けた結果、
やっとのこと、新しい魔法を買えるだけのポイントを貯めることができた。
満を持して手に入れたコメット・ストライクが、威力過多のために使用できないという
まさかの事態であったが、その失敗を取り戻すべく慎重に選んだ魔法は
メテオ・サークル
この魔法は、直径50センチくらいの隕石の欠片を2つ召喚する。
召喚された隕石は、非常に重くて固く、魔力で術者の周りを旋回し続ける。
この魔法の凄いところは攻撃・防御の両方に使えるという点にある。
召喚時、隕石は術者の近くを周回しているので、プロテクション・スフィアとの相性がすごぶる良いのだ。
プロテクション・スフィアで発生した光球に沿って周回させておけば、スフィアと相まって防御力を大幅に上げてくれる。
そして一転、攻撃となると巨大なハンマーの槌のように飛び出して、敵に物理ダメージを与える。
プロテクション・スフィアのように常時展開はできず、使用時間に限りがあるが、
戦闘開始時に起動しておけば問題ない。
ただし、使用には1850もの魔力が必要となる。
コメット・ストライクでも思ったが、アステル・メイガスの魔法は魔力消費量が多すぎる。
この系統は、どうもコストはかかるが当たればでかい、
というような一発屋的発想で作られた雰囲気を感じる。
まあ何はともあれ、アステル・メイガスにおける第二号魔法となったメテオ・サークル。
使いどころは選ぶが、大きな戦力になってくれるだろう。




